ロゼットとは?タンポポ、ハルジオン、ナズナなどの葉の状態を表した言葉 | 自然観察・昆虫 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル

自然観察・昆虫

2025.03.05

ロゼットとは?タンポポ、ハルジオン、ナズナなどの葉の状態を表した言葉

ロゼットとは?タンポポ、ハルジオン、ナズナなどの葉の状態を表した言葉
画家・写真家・ナチュラリストの奥山ひさしさんによる、美しいイラストと写真付きの自然エッセイです。今回は、植物図鑑などでよく目にするロゼットについて。

ロゼットの英名はrosette

植物の葉が地面に接するように放射状に広がっている状態。タンポポ、ハルジオン、オオバコなどの多年草や、ナズナ、ヒメジョオンなどの越年草は、この状態で冬を越す。

ロゼット植物には、タンポポのように花を支える茎だけが春にのびるものと、ハルジオンのように春に伸長して花をつける茎の上にロゼット状の葉とは別に葉をつけるものがある。

植物図鑑などを見ていると「ロゼット」という言葉がよく出てくる。ロゼットとは、いったい何なのか?

ロゼット(rosette)は、バラの花(rose)から来ている言葉だという。バラは、花びらが重ならないように少しずつずれて大きな花になる。
 
地面にはりつくような形で八方へ葉を広げて冬越しをする草の形が、バラの花の造りに似ているために、ロゼットと呼ぶようになったのだ。
 
ロゼットの形をとった植物は、平たく葉を広げることで太陽の光を多く受け、背を低くすることで風を避ける。寒い冬を越すための理想的な形なのかもしれない。
 
アレチマツヨイグサの赤っぽい大きなロゼットは、まるで花のように美しい。ロゼットの形で冬越しするのは野草だけではなく、野菜のダイコンもロゼットの形になるし、ターサイやハボタンなども、大きくきれいなロゼットの形になる。
 
ロゼットとは平たく根生葉を広げて冬越しする草の形──などと図鑑などには書いてあるが、根生葉という呼び名は少しおかしい。草でも木でも、根から生える葉なんてないからだ。

ためしにダイコンの葉を全部取り除いてみたら、ごく短い茎があって、葉はすべてこの短い茎からのびていたのがわかった。
 
冬晴れの日を選んで、郊外のあぜ道や畑のまわりなどを調べてみよう。ひとくちにロゼットといっても、草の種類によって形はみんな異なっている。
 
海辺で見つかるハマボッスのロゼットは、厚ぼったく、つやのある葉が幾重にも重なっていた。
 
春の七草の一種、ナズナのロゼットを抜いてみたら、根がとても長くのびていた。これは、霜柱によって根が浮くのを防ぐためだ。

ロゼットの語源、バラの花。

葉を取り去ったダイコンの短い茎。

放射状に葉をのばすアメリカフウロ。

海辺のハマボッスのロゼット。

イラスト・写真・文 おくやまひさし

おくやまひさし プロフィール

画家・写真家・ナチュラリスト。 
1937年、秋田県横手市生まれ。自然や植物に親しむ幼少期を過ごす。写真技術を独学で学んだのち、日本各地で撮影や自然の観察を開始。以降、イラストレーター、写真家として図鑑や写真集、書籍を数多く出版。

(BE-PAL 2025年3月号より)

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