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2025.01.10

【佐藤ジョアナ玲子のアマゾン旅 vol.19】ペルー、コロンビア、ブラジルの三か国が交わる川辺の国境で出入国手続き

【佐藤ジョアナ玲子のアマゾン旅 vol.19】ペルー、コロンビア、ブラジルの三か国が交わる川辺の国境で出入国手続き
アマゾン川を進む旅。次に目指したペルー、コロンビア、ブラジル三か国が交わる国境地帯。ペケペケ号での入国審査までの道のりを紹介します。
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国境を前にペルー最後の大きな町カワイオコチャ へ寄り道

ペケペケ号と筆者。国境の町で

三国国境地帯の手前にあるペルー滞在最後の町となるカワイオコチャにて。イカダに浮かぶ商店の隣にペケペケ号を係留させてもらいました。

沈没の危機に続き盗難被害に遭った前回の村。手持ち資金の不安もあり、急ぎ足でお金を引き出せる国境地帯の大きな町まで向かう途中で滞在したのが、カワイオコチャという町でした。

アマゾン川本流から一本脇へ逸れたところにあって、川の景色は穏やか。かと思いきや、舟の行き来がたくさんあって、イカダに浮かぶ食堂や商店など、経済が活発な様子がありました。

ペケペケ号から見上げたカワイオコチャの住宅

ペケペケ号から見上げたカワイオコチャの住宅街。

陸地を見れば、町の混雑は一目瞭然。高床式の住宅がひしめくように建っているエリアがあって、地面にはゴミがたくさん。

ペケペケ号の隣にいた舟

ペケペケ号の隣にいた舟は、朝から排水作業をしていました。

あまり衛生的とはいえない船着き場ですが、舟がたくさん並んでいて、地元の人が日常的に使っています。ペケペケ号の隣には、排水作業をしている舟が浮かんでいました。そうなんです、アマゾン川の木舟はどれも多少水漏れしているのが普通のことで、出発前にはこうやって水をかきだすのがあたり前のルーティーンなのです。

ゴミだめのような浜からペケペケ号へ戻る筆者

ゴミためのような浜からペケペケ号へ戻る私。

この旅では裸足同然で過ごしていることが多い私ですが、こういうゴミが目立つ浜ではさすがに靴を履きます。

水上ガソリンスタンドの側面に舟をつける

水上ガソリンスタンドの側面に取り付けられたタイヤが手すり代わり。

入国審査を受ける三国国境地帯までは、残り100km弱。僅かな手持ちの現金で、念のためにガソリンを買い足すことにしました。ガソリンスタンドは、定番の川に浮かんでいるスタイル。空のポリタンクをお店の人に渡したら補充してくれます。

町の道路沿いのガソリンスタンドと比べると、水上で買うガソリンの方が少しだけ値段が安い傾向があります。舟で運ばれてきたものを直接保管して、余計な陸地の輸送費を削減できるせいかもしれません。

水上で衝突事故発生

運転を交代してくれたTさん

途中で運転を交代してくれたTさん。しかし、このあとまさかの大事故に。

ガソリンも補給して、国境地帯へ行く準備は万端!

しかし、運転をTさんに交代してすぐ、ペケペケ号が急旋回。私がアッと思った瞬間には、運悪く近くを走行していた地元の方の舟に衝突。しかし、それでもペケペケ号は旋回が止まらず、クルリと二週目へ突入。一体なぜ?

ペケペケ号の船外機は、汎用エンジンに取り付けた細長い棒の先でスクリューを回すアマゾン川流域では定番の様式。ハンドル部分が重く、しっかり押さえないとスクリューが水中に深く入りすぎてしまうのです。そして、水に深く入っているほど、抵抗が重くてハンドルの角度を左右に調整するのに力が必要になります。

ところが、Tさんはうっかりスクリューを深く刺しこみすぎてコントロールを失ってしまったようです。腕が疲れているから、ハンドルを持ち直して浅く戻すことも、左右に調整することもできず、とっさの出来事でエンジンも止められないまま、急旋回で突入した二回転目。

私は急いで操縦席まで飛び移って勢いよくハンドルを掴んだら、Tさんの指ごとスゴイ力で握ってしまって「イダッ!!!」という声。ご、ごめん。

幸い、ぶつかってしまった相手方の舟は破損も怪我もなく、川岸の泥に突っ込んで停止。事故のショックで声が出ないTさんですが、私も平謝りで許してもらえることになりました。

同じく泥に突っ込んで停止したペケペケ号ですが、泥から抜け出すには、まず船外機を使って少しずつ舟を左右に揺すります。地面の泥は相当ぬかるんでいるから、パンツ一丁で泥にまみれながら膝立ちに近い状態になり、沈み込みを軽減して舟を押します。これを何度か繰り返して、やっと脱出に成功しました。

とりあえず飲んだコーヒ―

とりあえずコーヒ―でも飲んで、落ち着きましょう。

自動車と同じで、事故というのは運転に慣れてきたころに起こるっていうものね。コーヒーでも飲んで落ち着いてもらって、国境地帯まで残りの道のりは、私が今度こそ安全に細心の注意を払って行くことにしました。

お昼ごはんのスナック

お昼ごはんは、運転しながら食べます。

ペケペケ号を運転しながらでもご飯が食べられるように、手作りサンドイッチや簡単につまめるお菓子を袋にまとめて、運転席の近くに置きました。

国境の町サンタ・ロサ でペルー出国手続き

ペルー側の国境にあるサンタ・ロサという町

アマゾン川国境地帯、ペルー側の出入国地点はサンタ・ロサという町。船着き場は意外と簡素。

やっとたどり着いたペルー、コロンビア、ブラジルの三か国の国境が交わる地帯。出入国手続きを行なえるペルー側のサンタ・ロサ。そしてアマゾン川を挟んで対岸のブラジル側にはタバチンガ、コロンビア側にはレティシアという町があります。

国境を超えるにあたり、今回私が最初にやることは、サンタ・ロサでペルーのパスポートに出国スタンプを押してもらうこと。その後、ペケペケ号で対岸へ渡り、タバチンガでブラジルの入国スタンプをもらいます。

サンタ・ロサの入国管理局

サンタ・ロサの出入国管理局。

サンタ・ロサは舟がないと行けない町ですが、意外にも出入国管理局は船着き場からは1kmほどの内陸にありました。室内はへ入ると停電していて、復旧を待つこと少々。

入国管理局のそばにあった緑色の建物

出入国管理局のそばにあった緑色の建物へ連れて行かれることに。

局員がなにやら書類に記入すると、次に案内されたのは、歩いてすぐのところにあった緑色の建物。これは警察署で、出国の手続きを申請したあと、最後にパスポートのスタンプが押されるとのこと。

ペルーにどれくらい滞在して、どんな町へ行ったのか。簡単な内容を聞かれた程度で、手続きが完了しました。サンタ・ロサに来る外国人は、アマゾン川沿いに旅行をしている人ばかりだから、職員の方も慣れた様子で難しいことは聞かれません。

ちなみに、観光ビザで与えられた日数を超えて滞在した場合は、この出入国管理局で、超過日数に数100円かけた罰金を払う必要があるのだとか。ワイロではなく法律で定められた罰金制度があり、自由な旅人が集まる南米ペルーではよく聞く話なのです。

サンタ・ロサで食べたペルー最後の食事

サンタ・ロサでペルー最後の食事。

船着き場に戻って、手持ちのペルー通貨のソルをちょうど使い切れる金額のお弁当をテイクアウト。これがペルー最後の食事です。ロモ・サルタードと呼ばれるペルーの中華風肉野菜炒めは、醤油の香りでご飯が進む一品。日本が恋しくなる味でした。

日本が恋しいといえば、このあとに向かうブラジルは日系人が多い国。現地での食事に期待が膨らみ、お腹はペコペコ。

国境を越えてタバチンガの町でブラジル入国手続き 

ブラジル側の出入国管理局

タバチンガの出入国管理局。

ちょっぴり威圧感がある建物が、対岸のブラジル側にあるタバチンガの出入国管理局。サンタ・ロサと違って、一つの建物で手続きが済みました。

私が国境を越えたのは出入国管理局の営業時間外でしたが、翌日その旨を伝えて訪れると、問題なく入国手続きをすることができました。ちなみに、ペケペケ号に関する特別な手続きはなく、ただパスポートにスタンプを押すだけ。

以前、ヨーロッパのドナウ川をカヤックで旅した際は、EU圏外の国境越えでは出入国のたびにカヤックに関する特別な書類を渡されたのに(詳しくは著書「ホープレス in ドナウ川」にて)。

あっけない国境越えで、拍子抜けというか、ホッとしました。次回からはいよいよ、アマゾン川下りの旅ブラジル編に突入です!

私が書きました!
建築学生
佐藤ジョアナ玲子
フォールディングカヤックで世界を旅する元剥製師。著書『ホームレス女子大生川を下る』(報知新聞社刊)で、第七回斎藤茂太賞を受賞。中日新聞の教育コラム「EYES」に連載。ニュージーランドとアメリカでの生活を経て、現在はハンガリーで廃材から建てた家に住みながら建築大学に通っている。

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