過酷な自然環境と共存するインド最北部の辺境「ラダック」を訪ねて - 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル
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    2022.10.08

    過酷な自然環境と共存するインド最北部の辺境「ラダック」を訪ねて

    かつてのラダック王国の王宮、レーチェン・パルカル。

    北インドに今も残るチベット文化圏、ラダック

    インド最北部の辺境の地、ラダック連邦直轄領。中国やパキスタンと未確定の国境で接するこの地域は、平均標高が3500メートルに達し、周囲を5000〜6000メートル級の山々に囲まれています。チベット系民族のラダック人は、先祖代々、苛酷な自然環境と共存しながら、古来からの伝統文化を守って暮らしてきました。そんな彼らの生活にも、外界からの情報や物資の流入によって、さまざまな変化が起きつつあります。

    僕は、十数年前からこのラダックでの取材をライフワークにしていましたが、コロナ禍の影響で、しばらく訪れることができていませんでした。しかし、2022年の夏、約1か月半をかけてインド北部一帯を取材して回ることになり、ようやくラダックに戻ってくることができました。

    ラダックの中心地、レーの街並み。

    ひさしぶりにやってきたラダックの中心地、レー。周辺部を含めると5万人ほどの人々が暮らしているこの街は、毎年、観光シーズンとなる夏の間は大勢の旅行者でにぎわいますが、2022年の夏の時点では、外国人旅行者の姿はまだあまり多くありませんでした。一方、インド人の国内旅行者の数は以前よりもさらに増え、街ではそうした旅行者向けのホテルやゲストハウスが、あちこちに新しく建て続けられていました。

    レーのメイン・バザールに新しくできた撮影スポット。

    街の中心部、メインバザールにある郵便局のそばには、旅行者向けにこんな撮影スポットが。昔のひなびた雰囲気の街並を知る身としてはちょっと複雑な気分ですが(苦笑)、大勢のインド人旅行者が記念撮影をしていました。

    レーのメインバザールでのスナップショット。

    周辺の村々から来たラダック人たちが、新鮮な野菜や果物を売る。

    その一方で、メインバザールの目抜き通りの道端で野菜や果物を売るラダック人のおばちゃんたちののどかな様子は、昔と少しも変わっていませんでした。ものによっては、青果店で買うよりもこの道端の露店の野菜の方が新鮮なのです。

    同じ姿勢で眠りこける野良犬たち。

    変わっていないといえば、レーの街のどこでも見かける野良犬たちも、あいかわらずのマイペースぶりでした。コロナ禍の影響で、野良犬たちの避妊手術を行なっていた団体が活動できなかったからか、野良犬の数は以前よりも増えたような気がします。昼はおとなしく眠りこけてますが、夜は急に凶暴になることもあるので、用心しなければなりません。

    スリー・ワイズ・モンキーズ・カフェの店内。

    おいしいコーヒーと、アプリコットケーキ。

    日本人がレーで経営する小粋なカフェ

    2018年にレーの中心部にオープンしたスリー・ワイズ・モンキーズ・カフェは、日本人の小出宏志さんが経営する、とても居心地のいいカフェです。日本国内のカフェで飲むのとまったく遜色のないコーヒーや、小出さんが丁寧に仕込んだケーキなどが味わえます。異国での滞在に少し疲れた時、リフレッシュするのにぴったりの場所です。日本人の旅行者だけでなく、地元のラダック人の若者たちもよく訪れていました。

    私が書きました!
    著述家・編集者・写真家
    山本高樹
    1969年岡山県生まれ、早稲田大学第一文学部卒。2007年から約1年半の間、インド北部の山岳地帯、ラダックとザンスカールに長期滞在して取材を敢行。以来、この地方での取材をライフワークとしながら、世界各地を取材で飛び回る日々を送っている。著書『冬の旅 ザンスカール、最果ての谷へ』(雷鳥社)で第6回「斎藤茂太賞」を受賞。最新刊『旅は旨くて、時々苦い』(産業編集センター)発売中。

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