山本高樹のノルウェー・トロムソ取材レポート Vol.2 | 海外の旅 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル

海外の旅

2015.07.17

山本高樹のノルウェー・トロムソ取材レポート Vol.2

トロムソ

北極圏の雪原で、犬ぞりに乗ってみた!

冬のトロムソで楽しめるアウトドアアクティビティの中で、僕がまず気になったのが、犬ぞりです。かつて、極地で暮らしてきた人々にとって欠かせない移動手段の一つだった犬ぞりは、どんな乗り心地の乗り物なのでしょうか。カメラを手に、実際に犬ぞりに乗せてもらうことにしました。

トロムソ

トロムソで犬ぞり体験のアクティビティを提供しているのは、市街から車で約25分ほどの郊外にある、トロムソ・ヴィルマルクセンター。1990年にオープンしたこの施設では、毎年11月から3月頃まで、犬ぞりに乗ることができます。申し込みはトロムソ市街にあるツーリストインフォメーションのほか、Webサイトでも受け付けているそうです。犬ぞり体験プランの料金は、約1時間で1690クローネ(約2万6500円)。走行中は風が非常に冷たいので、受付で防寒着(上下つなぎのダウンウェアやスノーブーツなど)を借りることもできます。簡単なレッスンを受ければ、希望者は自分で犬ぞりの操縦もさせてもらえるそうです。

トロムソ・ヴィルマルクセンター(Tromso Villmarkssenter)
http://villmarkssenter.no/

 

トロムソ

トロムソ

トロムソ・ヴィルマルクセンターの敷地内には、雪をかぶったたくさんの犬小屋が。約300頭のハスキー犬が飼育されているそうです。犬たちは、小屋で何もしていない時は、かなりヒマそう。僕たちよそ者が近づいてもまったく吠えたりせず、逆にうれしそうに、おずおずとじゃれついてきたりします。犬ぞりを引くのだからもっと猛々しい犬たちなのかと思いきや、どの犬もとても穏やかで人なつこいのに、まずびっくりしました。

 

トロムソ

トロムソ

ぽわんとしていた犬たちは、犬ぞりのハーネスにつなげられると、「お、いよいよか?」と急にやる気のある表情に。みるみるうちにテンションが上がってきて、あちこちから次々と「わおおおおーん!」と雄叫びが。もう、走りたくて走りたくて仕方ないという感じです。12頭の犬たちをつないだそりに、僕ともう一人の乗客が乗り、犬たちを御するスタッフの方が最後方に乗り込んで、合図を出した瞬間、犬たちは全力ダッシュ!

トロムソ

トロムソ

トロムソ

トロムソ

走り出してみて驚いたのは、想像以上のスピード感と、犬たちのパワフルさ。スタッフの方は特に犬たちを急がせたりもせず、右や左に曲がる時に少し声をかけるくらいなのですが、犬たちはむしろ、もっとスピードを出させろと言わんばかりに、前を行く別の犬ぞりとの距離がちょっとでも開くと、とたんにスピードアップして、すぐに追いついてしまいます。冷え冷えとした空気の中、犬たちとともに真っ白な雪原を駆け抜けていく爽快さは、今までに味わったことのない感覚でした。気持ちいい!

 

トロムソ

雪原の中を約1時間かけて周回するコースを抜け、トロムソ・ヴィルマルクセンターに戻ってきました。僕たちの乗った犬ぞりを担当してくれていたスタッフの方が、笑顔で犬たちをなでてねぎらいます。おつかれさま。そしてありがとう。

トロムソ

トロムソ・ヴィルマルクセンターのキャビンに入ると、野趣あふれるトナカイ肉のシチューと、ケーキ、コーヒーのランチがふるまわれました。このセンターに宿泊して、オーロラウォッチングなどを満喫する旅行者も多いそうです。雪のない夏の間は、カヤックやハイキングを楽しむ人が数多く訪れるとか。

トロムソ

今回の犬ぞり体験で印象に残ったのは、トロムソ・ヴィルマルクセンターのスタッフの方々の、犬たちに対する愛情の深さ。正直に言うと、この施設に来る前は、もしかすると、犬たちはもっと厳しい扱いを受けていて、いやいやながら犬ぞりを引かされているのではないか……と心配していたのですが、それはまったくの杞憂でした。犬ぞりに乗せてもらった1時間を通じて、犬たちとスタッフの方々との絆の強さを見せていただいた気がしました。

さて次回は、いよいよお待ちかねの、トロムソでのオーロラ撮影記をお届けします。

(撮影/山本高樹)

トロムソまでのアクセス
日本からトロムソまでは、フィンエアーが2015年1月から3月までの期間限定で、週3便のトロムソ便を運航しています。成田、中部、関空から、ヘルシンキでの同日接続でトロムソまで行くことができます。
http://www.finnair.co.jp/

著者プロフィール
トロムソ

山本高樹 Takaki Yamamoto
著述家・編集者・写真家。ライフワークであるインド北部の山岳地帯ラダックの取材を中心に、世界各地での撮影と執筆に取り組む。主な著書に『ラダックの風息 空の果てで暮らした日々』(スペースシャワーネットワーク )『ラダック ザンスカール トラベルガイド インドの中の小さなチベット』(ダイヤモンド・ビッグ社)。企画・編集では『撮り・旅! 地球を撮り歩く旅人たち』(ダイヤモンド・ビッグ社)など。
http://ymtk.jp/ladakh/

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