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【ソロ秘湯】大自然を120%満喫できる秘湯3選…その前に知っておくべき「ルール」(岩手県)

2021.06.27

みなさん、こんにちは。
ソロ秘湯愛好家のゆみです! いよいよグリーンシーズン到来! 多くの野湯・秘湯が、雪解けを経て夏から秋にかけてアクセスしやすくなるため、これからの時期こそ、秘湯に行くべき絶好のタイミングなんです。中でも、自然の美しさとホンモノの湯、両方満喫できる岩手の野湯・秘湯3つをご紹介したいと思います。

森にポツンと…塩ビ管の湯

『新草の湯』(岩手県)

森にポツンと。天然の打たせ湯サイコー!

やってきたのは、八幡平市安比高原にある『草の湯歩道』入口。ここから約300mぐらい平坦な登山道を草の湯方面に向かって歩きます。ちなみに、今回、国有林内を歩くので…とってきました『入林届』!  ソロ秘湯を楽しむ心得の1つとして、ぜひ知っておいてください。登山道からはずれて国有林に入る時は、毎回こういう申請書を前もって出す必要があります。ただし、営林署さんは野湯の管理をしているわけではないので、野湯に行く道中、万が一国有林内で何かあっても、当然自己責任になっちゃいます。道迷い、滑落などによるケガ、熊・ダニなど野生生物の被害に最善の対策をしておいてくださいね。

国有林に入る場合、各エリアの森林管理署(営林署)にこういった申請書を出します。

緑いっぱいの登山道をしばらく歩くと、突如登山道沿いの藪の中に道しるべの赤いテープ。テープの先を覗いてみると…奥へと続く獣道を発見! じつはなんと、ここが『新草の湯』への玄関口なんです。ちなみに、こういうテープ、登山者が道に迷わないためのものと言われますが、営林署さんや地元の登山ガイドさんなどが別々の目的で巻いていることがあるため、必ずしもそれに従っていけば安全というわけでもないのでご注意を。赤テープだけを頼りにせず必ず地図やGPSで現在地を確認しながら歩いてください。

野湯探しは、いつルートの状況が変化しているかわからないので、GPSで位置を確認しながら慎重に進みましょう。

一定の間隔で張られている赤いテープを辿って、藪のトンネルを歩く…まるで、『となりのトトロ』でめいちゃんがトトロに会う時に通った獣道のようなトンネルに吸い込まれるよう。そして100mぐらい下降、すると、1本の小さな沢にぶつかります。ここまで来れば、温泉まであと少し。かすかに硫黄の香りも漂ってきます。

突然、沢に遭遇。硫黄の香りもぷんぷんするぞ。

目の前にポツンとほぼ垂直に建つ塩ビ管!その口からは、もの凄い勢いで40度Cの温泉が噴出しているではありませんか。そう、これが『新草の湯』なんです。元々どなたかがココに温泉施設を建てようと試みたものの、途中で計画が頓挫、今は源泉だけがコンコンと湧いているんだそうです。 「自然の恵みに感謝。ああ、天然の打たせ湯、気持ちいい~!」

山肌からポツンと塩ビ管。ご丁寧に湯船らしきものも置いてある!?

しかし、登山道から外れた藪の中、随所に赤いテープを張ってくださる方もいるんですね。わかりやすくきちんと整備されていることにも驚き。現在林道付近でやってる工事のおじさんなのか? はたまた、秘湯好きの有志の方なのか? わからないけど、丁寧にゴールまで導いてくれて感謝です。

最後に、野湯までの行程で一般的な注意点を1つ。よく林道ゲートに「車両通行止め」の看板が建っていることがありますが、林道内の土砂崩れや道崩落の危険性がある(あるいはすでに起こっている)場合が多いです。「徒歩で行くなら安全」という意味ではないので、注意してくださいね。「藪漕ぎとか沢とか熊とか、しょっちゅう危険な所行ってるアンタが言うなっ!」って!? …いや、これでもしっかり安全対策をとって湯巡りしてるんですよ。野湯は楽しく、安全に、がモットーです。

『新草の湯』

● 泉質:不明

● 色・におい・味:白濁、硫黄臭、少し苦み

● アクセス:JR東北新幹線 盛岡駅から東北自動車道松尾八幡平IC下車、安比高原レインボーライン、市道安比線、林道を経て、草の湯歩道入り口まで車で約1時間30分。草の湯歩道入り口から温泉まで徒歩30分。

<注意事項>

● 夏はブヨ、アブなどがいます。長袖、長ズボン、虫よけスプレー携帯をおすすめします。

● 簡単な藪漕ぎがありますので手袋を持参しましょう。

● ゴミなどは必ず持って帰りましょう。 

登山者を癒す、緑に包まれた白濁の湯

『草の湯』(岩手県)

緑に包まれた野湯でストレスも吹っ飛ぶ~!

『新草の湯』の玄関口(登山道)に戻ったら、登山道の入り口と反対方面へと歩き、次の目的地『草の湯』へ。草の湯までは、ずっと登山道沿いを歩いていくので、道に迷う心配はありません。

こちらはちゃんとした登山道だから、野湯初級者でも安心!

草の湯に行くまでにはミズバショウが群がる湿地帯が数か所あるんですが、遠くには山の稜線も望めて、新緑が本当に美しいんです。安比高原の自然の美しさは、温泉目的でなく見に来るだけでも価値があると思います。

このミズバショウの湿地帯、今回で4回目だけど毎回癒される~。

その後、小川に3回ぐらい突き当ります。いずれも流れは速くなく、飛び石で渡れる程度のもの。ぬかるみが所々あるので、長靴か登山靴を履いていくのがオススメです。

この小川を3回越えた先に温泉がありまーす。

そして、歩くこと20分…、視界がパッと開けた先に緑に包まれた白濁のお湯が現れます! これが『草の湯』です。登山道の脇に突如「湯船」…しかも肩まで余裕で浸かれるゆったりサイズ。登山者が汗を流す「山の銭湯」のような存在でしょうか? ありがたいですねぇ。さっそく入湯!「少しぬるめで、この時期、最高に気持ちイイ♡」ちなみに、ユスリカの幼虫(通称:温泉虫)がプカプカ泳いでおり、彼らと混浴になるので、虫が嫌いな方にはオススメしません♪

登山道からすぐの場所に、こんな緑に包まれた白濁の野湯が!

草の湯までの道のりは、前述の通り、登山道を20分歩くだけなので、緑とトレッキングを楽しみながらソロ秘湯デビューもできちゃいますね! あ、繰り返しになりますが、熊さんの出没エリアなので熊除けグッズだけはお忘れなく!

『草の湯』

● 泉質:不明

● 色・におい・味:白濁、硫黄臭

● アクセス:JR東北新幹線 盛岡駅から東北自動車道松尾八幡平IC下車、安比高原レインボーライン、市道安比線、林道を経て、草の湯歩道入り口まで車で約1時間30分。草の湯歩道入り口から温泉まで徒歩30分。

<注意事項>

● 夏はブヨ、アブなどがいます。長袖、長ズボン、虫よけスプレー携帯をおすすめします。

● 途中、小さな沢や湿地帯を歩きます。登山靴か長靴を履いていくことをオススメします。

● ゴミなどは必ず持って帰りましょう。 

ぷくぷく…大地から湧く、天然のジャグジー風呂

『藤七温泉 彩雲荘』(岩手県)

最後は例によって、住所のある秘湯! わたしがソロ秘湯デビューで感銘を受けた、八幡平の山頂付近1400mの位置にある『藤七温泉 彩雲荘』。

大空を仰ぐこの巨大露天風呂にゾッコン。

国立公園内に建ち、澄んだ空気、高山植物や鳥の鳴き声など、日本の自然の素晴らしさを五感で味わえる貴重な湯宿。建物建築などの許可が下りにくい国立公園内で、この素晴らしい秘湯空間を提供できるのは老舗宿の『藤七温泉』ならでは。

晴天の彩雲荘。標高1400mの高所では、晴れたり曇ったり天気は目まぐるしく変わります。

藤七温泉の魅力は、何と言っても足元からぷくぷくと湧く「天然のジャグジー風呂」! 底の泥と一緒に高熱の温泉が湧いてきて、気泡が肌をくすぐる感じ…たまらないなぁ。熱い所と冷たい所が混ざっていて温度調節が難しいところも、自然のままの温泉の醍醐味。

底から温泉が泥と一緒に湧き出てくる天然のジャグジー風呂。

ココへ来たら必ずやってしまうのが泥パック! 泥を手足に塗って時間をおけば、保温効果で血流が良くなり、肌のトーンが一段と明るくなったような気分。女性のみなさん、ぜひお試しください!

泥の感触はまるでピーナッツバターみたい。

「大地から湧きたての温泉、サイコー!ジャグジー、サイコー!」 うれしくなって思わず声を上げてしまいます。

10年前初めて1人でココへ来た時も、この足元からのぷくぷくに感動し、夜もずっとニヤニヤしながら1人で浸かってました。1人泊も歓迎してくれるので、ソロ秘湯の宿として完璧すぎます。

さて、今回は3つの秘湯をご紹介しましたが、この3か所すべて「国立公園内」にある温泉です。「国立公園内」では木々を折ったり、河川を埋めてそのまま放置するなど、地形を変えること自体、ご法度とされています。藤七温泉は管理されている温泉ですが、先の2か所は「野湯」なので、そのあたり必ず「ルール」を守って楽しみましょうね!

 

『藤七温泉 彩雲荘』

● 住所: 岩手県八幡平市松尾寄木北の又

● 電話:090-1495-0950(衛星電話)

● 営業期間:4月下旬から10月下旬

● 料金:(日帰り入浴)650円、(1泊2食)2名1室 12,250円(税込・入湯税込)から

● 泉質:単純硫黄温泉

● 色・におい・味:白濁、硫黄臭

● アクセス:(車で)東北新幹線盛岡駅下車、車で約1時間10分/(バスで)東北新幹線盛岡駅下車、岩手県北バス八幡平頂上・蓬莱境行か松川温泉行に乗車 約1時間50分。盛岡駅から無料シャトルバスもあり。

※地域の新型コロナウイルス情報を確認の上、三密回避、マスク着用、うがい手洗いなど感染対策をしっかりと行なってください。

私が書きました!
渡辺裕美
秘湯探検家。奈良県出身。会社員時代に体調を崩したことをきっかけに、温泉にハマる。これまで巡った温泉は、国内外含め2500ケ所以上。誰も行かないような秘湯や野湯にひとりで行くのが大好きで、オフはほぼ、秘湯探しか湯巡りに費やす。著書『わたしのしあわせ温泉時間 〜おとな女子がいく絶景秘境温泉の旅〜』がある。
イラスト:藤本たみこ/温泉巡りに憧れるイラストレーター。東京都在住。少女漫画誌でデビュー後、漫画作画・イラスト・web素材製作などの仕事を幅広く手がける。
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