紅葉シーズン到来!登山計画書は出しましたか? | BE-PAL

紅葉シーズン到来!登山計画書は出しましたか?

2020.10.01PR

山梨県では昨年から一部の山域で登山計画書の提出を義務化した。近年、登山に関する条例を設け登山計画書の提出を義務化する自治体が増えてきている。登山計画書って? という人も多いかもしれない。アウトドア好きなら決して無関係ではない山の安全。紅葉シーズンを前に考えてみよう!

あなたも決して無関係ではない!? 

暑かった夏もようやく過ぎ去り、9月末から一気に秋の陽気となった。北海道の山々からはすでに紅葉の便りがちらほら。鮮やかな紅葉に加えて、きのこや栗といった秋の味覚も楽しみな季節になる。色づき始めた山は目にも胃袋にも魅力的だ。

今年は新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、外出を控えてきたあるいは継続して控えているという人も多いことだろう。その反面、自然に触れたいという気持ちが高まっているのも事実! 休日にはキャンプやハイキングといったフィールドへと向かう人が、徐々に増えてきているようだ。

これから始まる紅葉シーズン、そして冬の訪れを前に、身近なフィールドである山の安全について今一度考えてみよう。今年警察庁が発表した「令和元年における山岳遭難事故の概況」を見ると、全国の山岳遭難の発生件数は2,531件だった。発生件数は平成25年に2,172件と2,000件を超え、27年からは2,500件に達しほぼ横ばい。「遭難」と聞くといわゆる本格的な登山だけを想像してしまうが、令和元年の2,531件の内訳を見てみると、全体の約24%は、山菜やタケノコ採り(12.3%)をはじめ観光、渓流釣り、写真撮影、自然観察といった登山目的以外のものも含まれる。

 キャンプ場も高原や山間部といった山に隣接した立地にあることからも、決して他人事ではない気がする。本格的な登山とはいかないまでも、キャンプ場を起点に周辺の山へ散策に出かけることがあるかもしれない。ひとたびフィールドへ向かうときには、普段生活している住宅街や街中とは勝手が違う、そうした意識を持つように心がけたい。

そもそも登山計画書って? いったいなに?

山岳遭難の態様で最も多いのが「道迷い」(38.9%)。山のなかは目標物が少なく似たような景色が続くことも多い。山道は里山のような身近な山にも数多くあり、高くない山ほど道が入り組んで不明瞭で迷いやすいといわれている。また街中より早く周囲が暗くなりはじめることも覚えておきたい。たとえ登山目的でなくても、そうした里山や山道を歩く場合は十分に注意しよう。

登山目的で山に入る場合は、「登山計画書(登山届ともいう)」という、いわば山登りのスケジュールを作成する。登山計画書は、いつからいつまで、だれが、だれと、どこからどこへ行くのかという予定を書き示したものだ。

登山計画書の一例。計画書を書くことで、自分自身も計画全体を整理し確認できる。各日の行動は詳細に記入する。

 計画書は自分の予定を客観的に確認するためでもあるが、家族や所属する山岳会、そして山域を管轄する警察署などにも計画を知らせて、万一遭難してしまったときに探す手がかりにしてもらうものでもある。無事に下山したならば、計画書を提出した先に速やかに下山の報告をして登山がようやく完結する。もし、「下山の予定を過ぎても帰らない……」そうなったときに登山計画を知っている家族や仲間が通報し、捜索態勢が整えられるのだ。

 計画書に決まった形式はないが、持参する装備などを書き入れることで捜索隊はさまざまな目星をつけてくれる。いまやどこでも携帯電話がつながる時代になったが、山中は谷や尾根の影など電波の届かないエリアが無数にある。運よく電波が入り自ら助けを求められればよいが、なかなかうまくはいかない。

だからこそ、登山計画書がチカラを発揮する。いわば命綱なのだ! そして、登山計画書があることで、捜索に携わる人たちがやみくもに山中を歩かなければならない事態も回避することができる。例えば「〇〇山に行った」という少ない情報だけでは、どこから探せばいいのか見当がつかない。登山計画書は、自分自身(自分のパーティ)のためだけでなく、周囲の人たちの安全にも寄与しているともいえるだろう。

登山計画書に提出義務があるって本当?!

登山計画書を作成したら、帰りを待ってくれる家族や山岳会の仲間に写しを渡しておく。そして登山口にある登山ポストに計画書を入れる。登山ポストには登山計画書の用紙を備え付けている場合もある。どんな形にしても、山へ行くならば周囲に自らの行動予定を明らかにしておくことがなによりも大切だ。

冬の八ヶ岳・赤岳。赤岳は山梨県と長野県にまたがり、雪山登山者に人気の山だ。両県ともに登山条例を設けており、赤岳の山梨県側は冬期に登山計画書提出義務がある。

山域によっては、提出が義務化されているところもある。通常、登山計画書は任意の提出ではあるが、昨今は各地で条例を設けて提出を義務化する自治体が増えている。群馬県、富山県、岐阜県、長野県など数々の名峰を抱える県が中心だ。大半は積雪期の登山に対しての提出義務だが、なかには未提出者に罰則を設けている例もある。

山梨県では「山梨県登山の安全の確保に関する条例」が施行され、昨年から富士山・八ヶ岳・南アルプスの一部の山域で登山計画書の提出(期間指定:121日〜翌331日)が義務化された。八ヶ岳などは雪山登山をこれからはじめようという初心者が比較的多く訪れる山域でもある。

提出義務の山域は、下記の通り。

  • 富士山 3,000m以上(概ね八合目以上)
  • 南アルプス 白根三山(北岳・間ノ岳・農鳥岳)、甲斐駒ヶ岳、仙丈ヶ岳、鳳凰山、鋸岳など
  • 八ヶ岳 赤岳、権現岳、編笠山 

そして、通年でも下記の山域は提出が努力義務となっている。

  • 富士山 概ね六合目以上(一部の登山道を除く)
  • 南アルプス 白根三山(北岳・間ノ岳・農鳥岳)、甲斐駒ヶ岳、仙丈ヶ岳、鳳凰山、鋸岳など
  • 八ヶ岳 赤岳、権現岳、編笠山

山梨県・山梨県警察ではオンライン登山計画書「コンパス」(https://www.mt-compass.com/)と連動して登山計画書の提出と安全な登山を呼びかけている。

「登山やキャンプ、アウトドアの人気はますます高まりつつあると思います。山梨県内にも年間を通じて多くの登山者が訪れ、その麓や近くにはキャンプ場があったりします。キャンプ場を起点にしてふらっと周辺散策したつもりが実は山を登っていた、なんていう無意識のうちに登山ということも大いにありえます。登山に行かれる方は登山計画書の提出を、そしてキャンプに行かれる方もそこが山の中であるという意識をぜひ持っていただきたいですね」と、山梨県観光文化部で南アルプス・山岳観光を担当する村松達也さん。

登山計画書「コンパス」は、パソコンやスマホから登山計画書を作成し提出もすることができる便利なサービスだ。ユーザー登録が必要だが無料で使用できる。下山時には報告をする必要があるため、「帰りを待つ人」の役割も果たしてくれる。また近年はソロ(個人)で山登りをする人も増えていることからも、こうしたサービスは大いに活用し安全登山に努めたい。

そしてもし、あなたの家族や友人がキャンプや山へ行くときには、登山計画書や安全について今一度話をしてみよう。それがきっと山での安全な行動へとつながるはずだ。

山梨県内における登山については、山梨の登山・山岳情報ポータルをチェックしよう!

 

※構成/須藤ナオミ

 

 

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