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    2020.01.21

    商品は全て植物性。「ヴィーガン生活」を気軽に快適にするコンビニ&レストラン『VEGAN STORE』

    私が書きました!
    編集者・ライター
    ニイミユカ
    兵庫県出身、浅草在住。よく食べよく動く、編集者・ライター。衣食住など生活にまつわる地に足のついた企画をメインに、雑誌や書籍、WEBメディアなどで編集・執筆しています。instagram @yuknote

    日々のご褒美で飲みたいジュース類やクッキー、マフィンなど甘いものも、安心安全にこだわり取り揃える『VEGAN STORE』。

    自然と人と動物が、ちょうどいい塩梅で共存できる“エシカル”な物事をご紹介する連載『今日からできるエシカル生活』。今回は、東京・浅草に2019年12月3日にオープンした、“ヴィーガン(絶対菜食主義者)”対応のコンビニ&レストラン『VEGAN STORE』にお邪魔しました。お話ししてくださるのは、主宰の鈴木翔子さんです。

    第6回:世界中の人たちが安心して菜食ライフを楽しめる、便利なスポット。

    好み・体質・疾患・ダイエット・宗教上の理由など。さまざまな理由で、私たちは日々食べるものを選びます。家庭で料理するぶんには、必要なものをスーパーなどで買えばいい。でも、外食となると、難しいことも。とりわけ、体質や疾患、宗教上の理由などで制約のある人なら、なおさらです。

    今回訪れた『VEGAN STORE』は、まさにそんな制約のある人たちにとって嬉しいスポット。扱う商品やメニューは全て植物性という、コンビニ&レストランなのです。

    東京メトロ銀座線・田原町駅や、つくばエクスプレス・浅草駅からほど近い場所に店を構える。

    『VEGAN STORE』が掲げる“ヴィーガン”というキーワード。それは、肉と魚を口にしない「ベジタリアン(菜食主義者)」に加え、卵や乳製品なども口にしない「ヴィーガン(絶対菜食主義者)」のこと。欧米やインドなど、海外ではメジャーな食生活ですが、日本ではまだあまり知られていないのだとか。でも、世界的に見れば、その人口は年々増え、専門店や対応している飲食店も合わせて増加中です。

    ドアを開けると目に飛び込んでくる、選りすぐりの野菜は時価。2Fのレストランや、弁当などの惣菜にも使われている。

    ーー早速ですが、日本では「ヴィーガン」という言葉自体、知らない方がまだまだ多いそうですね。

    「はい。私自身もヴィーガンですが、スーパーやコンビニで植物性のみの商品を選ぶのが大変で。原材料表示を確認しないと、買える・買えないの判断ができなくて、不便なんです。外食でも、ヴィーガン対応をお願いしてもスムーズに話が通じなかったり、時には面倒な顔をされることも……」

    ーー日々の楽しみでもある食に、制約を感じるのはちょっと寂しいですね。なぜ、浅草にお店を構えたのですか?

    「ベジタリアンやヴィーガンの方が多い外国人観光客も集まる街ですが、実は、浅草になったのは偶然。そもそも、店をともに立ち上げた仲間たちとは、以前から『ヴィーガンのコンビニをつくりたいね』って話していました。そんな時、浅草にちょうどいい物件が見つかって。2019年の春から準備を始めて、同年の12月3日にオープンしました」

    今後、日本語・英語に加え、中国語・アラビア語を併記予定。

    ーーコンビニという形態にしたのは、どうしてですか?

    「本当は、大型スーパーとして展開したいんです。ただ、
    まずは小規模からでもスタートすることが大事だと考えました。でも、小型スーパーではなく、コンビニの持つ便利さも提供したかったんです」

    ーー便利さ。

    「はい。日本国内でも、健康や環境問題などの意識が高まって、ベジタリアンやヴィーガンが増えつつあります。でも、まだまだ知られていない。知られるには、もっとヴィーガン向けの商品やサービスが身近になる必要性を感じています。

    それには、安心して気軽に購入できる環境が増えることが大事。入りやすくて、毎日使いたいサービスがあって、便利で。そういう意味でも、コンビニなんです」

    ーーなるほど。コンビニならではの使いやすさってありますよね。

    『VEGAN STORE』でいうと、営業時間は6:00〜23:00と、小型スーパーより長め。ほかにも外貨両替機を設置したり、搾りたてのナッツミルクを月額定額で楽しめる会員制を導入予定だったり、持ち帰りで楽しめるホットミールや弁当、惣菜なども充実させたり。

    ベジタリアンやヴィーガンの方はもちろん、外国人観光客から健康志向の方、そして地元の方まで、さまざまな方にご利用いただきやすいサービスを考えています」

    レジ横にはコンビニならではの、ホットスナックコーナー。店内のキッチンで調理している。

    ーーともすると、「全て植物性」「こだわりの商品」といった響きは、ナチュラル志向ならではの敷居の高さみたいなものを感じさせる場合もあるんですが……。『VEGAN STORE』はコンビニだから、いい意味で垣根が高すぎない。ベジタリアンやヴィーガンじゃなくても「行ってみよう」と思える印象があります。

    「そうなれば、世間のヴィーガンに対する認知も高まるはずですよね。並べる商品やメニューに関してはしっかりこだわっているけれど、便利に気軽に使ってもらえることも、これからの社会では大切だと思うんです」

    ここから始まる。これから始まる。

    2Fでは、野菜たっぷりのメニューをいただくことができる。使っている食材は日によって変わるので、スタッフにお尋ねを。

    ーーしかしオープンまで1年ほどと、駆け足のように感じます。苦労もあったのでは?

    「いえいえ。スタッフは、ヴィーガンまたはほぼそれに近い食生活をしているメンバーなのでむしろ商品選びやメニューを考えることは楽しくて! みんなで楽しみながら進めています。

    詳しかったり、普段切ない想いをしているからこそ、工夫した点もあるんですよ。ヴィーガンということだけでなく、たとえばアレルギー対応、宗教的食の制限への対応など。食生活を始め、多様な生き方をしている方が増えているので、なるべくさまざまな方に寄り添えるようなサービスを考えているんです。2020年の東京オリンピックも間近に控え、ハラール専門とかグルテンフリーは対応など、パーツパーツで対応しているお店は増えていますが、複合的にいろいろな食の個性を受け入れているスポットは、日本ではまだ少ないので。

    現在準備中ですが、コンビニ商品の商品ラベルには、添加物・グルテン・五葷の有無が分かるようにマークを付けます。また、言語も、日本語・英語・中国語・アラビア語を併記予定です」

    これから販路を拡大・開拓したい生産者や業者とも手を結んでいきたいと、鈴木さんはいう。

    ーーほかに、ラインナップでこだわっている点はありますか?

    なるべくたくさんの生産者さん、業者さんから仕入れるようにしています。

    『VEGAN STORE』のコンセプトとして、良いものをつくっている方々のチャレンジの場として使って欲しい、ということが大きいんです。単純に、ものを仕入れて売ります、ということではなく、生産者や業者の方々を応援しながら、ともにヴィーガン業界を盛りあげていけたら

    人気の『DAUGHTER BOUTIQUE』のタルト(450円)。一日に数回入荷するが、たちまち売り切れてしまうメニューもあるほど。

     
    ーー利用する方々はもちろん、つくる人も売る人も、みんなが嬉しい。そんな場所ですね。

    「はい。ヴィーガンやベジタリアンの方も、そうでない方も。老若男女、国籍も信条も関係なく、いろんな方が気軽に楽しく集える場所。そして、便利で、生活の一部、旅の一部として当たり前に利用していただける。そんな場所にしていきたいです」

    ボリュームのある揚げ物の弁当もあり(700円〜)。


    ーーそうなれば素敵ですね。最後に、今後予定していることや、思い描いていることを聞かせてください。

    「まずは、毎日絞りたてのナッツミルクや玄米・雑穀米を提供する月額会員サービスの開始。それから、ヴィーガン商品を扱うネットモールの開店を予定しています。また、2021年4月20日から1週間ほど、アメリカのNYでポップアップストアを開くことが決まっています」

    ーーデイリーに使っていただける方々や、NYで知ったという方の受け皿にもなりそうですね。これからがますます楽しみです。

    * * *

    ライフスタイルが多様化し、世界中を誰でも気軽に行き来することが可能になりつつある現代。新しい何かをはじめる時、さまざまな利用者を受け入れる間口の広さは、大きな意味をもつはず。それこそ、本当の意味でのバリアフリーであり、これからの社会に必須な条件となりそうです。

    <『VEGAN STORE』概要>
    住所:東京都台東区西浅草2-25-9
    TEL:なし
    営業時間:6:00~23:00(レストランL.O.22:30)
    定休日:無休(年末年始休業あり)

    WEB:https://www.veganstore.jp/


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