はじめての実戦的ロープワーク~降下と登攀(はん)の練習~ | BE-PAL

はじめての実戦的ロープワーク~降下と登攀(はん)の練習~

2020.10.08

私が書きました!
山小屋スタッフ
山岸周平
東京都最高峰の雲取山の山腹、標高1,103mにある温泉付きの山小屋「三条の湯」のスタッフ。前職は東京消防庁の消防士として約10年勤務。奥多摩消防署異動を機に、登山、トレッキング、クライミング、ケイビング、バックカントリー、ヒルクライム、ラフティングなどを楽しむようになる。ブログ:山ちゃんの小屋番日誌 

ロープワークで基本的な結び方や、ハーネスの作り方、そして支点の取り方のイメージがついたら、今度は支点を実際に使ってみる練習をしましょう。「降下」と「登攀(はん)」、つまりロープを使って降りたり、登ったりする動きです。

降下をする

例えば、救助する側が支点を確保して、チェストハーネスを作り、負傷者のいる場所まで降下するなどの場面で使えます。

(1)支点に繋いだロープを、斜面の降下方向へ投げます。(投げた端末には抜け落ち防止のエイトノットを忘れずに施しておきましょう)

(2)安定した足場で、チェストハーネスを作り、カラビナに「イタリアンヒッチ」(別名ムンターヒッチとも言います)を作成します。

イタリアンヒッチの作り方をお伝えします(右利きの場合)。

チェストハーネスに、安全環付きカラビナを掛けます。

左手でロープ内側にひねり、「の」の字を作ります。写真のようにカラビナを掛けます。

下側のロープを引きながら、支点からカラビナまでのロープがピンと張るまで余長を取ります。

(3)カラビナの下に垂れたロープを掴み、ブレーキを掛けながら降下します。

降下先の足場や方向を確認しながら、手は腰あたりでロープを半握りして、スピードをコントロールしながら降りていきます

ブレーキを掛けるときはロープを手で握りロックして、上方に屈曲させます。しばらく止まるとき、休むときは両手で2本のロープをしっかり握り込みましょう。

ブレーキが効くか(体重を掛けたときに右手でロープをカラビナより上に持ち上げて止まるか)、支点の強度が十分か、支点のエイトノットに緩みがないか確認してから斜面を下り始めましょう。

登攀(はん)をする

今度は、登り返す動きです。

(1)支点で止めたロープに、60cmスリングで「フレンチノット」(別名クレムハイストノット)を作成して、自分のチェストハーネスと結びます。

フレンチノットの作り方をお伝えします。

ロープにスリングを巻いていきます。スリングの繋ぎ目が下になるようにします。

どちら側からどう回しても構いませんが、とにかくグルグル回します

グルグルと4回巻きます。

下側の末端を上側の輪に通します。

穴に通したら引っ張ります。

通した末端を下に引きます。

引き出した末端の輪と、チェストハーネスに安全環付きカラビナを掛けます。

(2)フレンチノットを下から押し上げながら登り返していきます。

斜面で万が一足を滑らせても滑落を止めてくれるし、疲れたら手を離し体を預けて休むこともできます。

結びの上部を掴むと滑り落ちますので、手がかりが欲しいときはカラビナとフレンチノットの間のスリング部分を掴みましょう。

練習する際は、強固な支点を選び、スリングと樹木の間に添え木や当て布をするなど、支点にダメージを与えないよう自然にも配慮しましょう。また、慣れないうちは緩やかな傾斜地から練習しましょう。

次回は、上から下にいる負傷者や荷物などを「引き上げる」方法についてお伝えします。


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