知っておくと便利!登山用ロープの種類と使い分けを徹底解説! | 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル

知っておくと便利!登山用ロープの種類と使い分けを徹底解説!

2021.05.30

登山用のロープは、色々な種類のロープがあり、実際に使用する場面や状況によって、選択すべきロープは異なってきます。今回はロープの種類や、その使い分けについて紹介していきます。

ダイナミックロープとスタティックロープ

セミスタティックロープ(左)とダイナミックロープ(右)。

ロープは「ダイナミックロープ」と「スタティックロープ」の2種類に大別されます。この2つのロープの違いは伸び率です。登山やクライミングなどでは常にぶら下がる前提ではなく、落ちた時に止める命綱の役割もあります。
この場合は伸縮率の高いダイナミックロープが適しています。ダイナミックロープの伸縮率は、おおよそ10%前後~35%前後。この伸縮率によって、万が一墜落した際の身体への負担を軽減してくれます。

一方、スタティックロープは伸縮率はほとんどなく、セミスタティックロープでも伸縮率は5%以下になります。もし、スタティックロープで登山やクライミングをして墜落した場合、衝撃が身体に直接かかり大ケガに繋がります。スタティックロープは前提として、ロープに荷重を常にかけた状態で使う高所作業やツリークライミングなどに適しています(実際このような場面で使われるのは、セミスタティックロープがほとんどです)。

今回は登山を目的とした、ダイナミックロープの紹介をいたします。

登山用(ダイナミックロープ)の種類

登山用のロープには「シングルロープ」「ダブルロープ」「ツインロープ」の3種類のロープがあります。ただし、現在よく使われているのは、シングルロープとダブルロープの2種類がほとんどです。ツインロープとして売られているものもありますが、補助ロープとして使われることがほとんどです。

シングルロープ

シングルロープには「1」と表記。

クライミングシーンで、一般的に使われているのがシングルロープです。ロープの径は8.9mm~10.5mm程度のものが使われます。比較的直線的なルートで使われることが多く、1本のロープに命を預けることになります。

使用用途:フリークライミング、アルパインクライミングの直線的なルート

ダブルロープ

ダブルロープには「1/2」の表記。

ダブルロープは、アルパインクライミングなどで使われる場合が多いです。ダブルロープは2本のロープを同時に使いますが、中間支点(登りながら取っていく支点)に1本ずつ通すことにより、屈曲したルートでも直線的なロープの流れになり登りやすくできるのが利点です。ロープの径は、8.0mm~8.9mmのものが一般的に使われます。

使用用途:アルパインクライミング全般、バリエーションルート、沢登りなど

ツインロープ

ツインロープは、ダブルロープと同様に2本のロープを同時に使いますが、使い方は異なります。2本のロープを1本のロープと見立てて、中間支点にも2本のロープを同時に掛けて登ります。使い方としてはシングルロープと同じなので、直線的なルートで使います。ルートが直線的になる、アイスクライミング(氷瀑などを登るクライミング)などに適しています。

使用用途:アイスクライミング、補助ロープ

ロープの選び方

登山用やクライミングで使うロープには、必ず規格に適合したロープを使う必要があります。アウトドアショップなどで切り売りしているような、アクセサリーロープは規格に適合していないものが多く、登山やクライミングなどで、使うことは絶対にしてはいけません。

規格の適合マークについて

ロープの末端には適合規格が表記されている。

UIAA安全規格

UIAAとは、「国際山岳連盟」という組織のことで、道具やギアなどに安全規格を設けて、これに適合するギアに適合マークを与えています。

EN規格、CE規格(ヨーロッパ規格)

ヨーロッパ欧州連合内で安全のため、製品規格を定めたものとなります。ヨーロッパで販売されるロープはこれらの基準に適合する必要があります。

登山やクライミングなどで使用する場合は、すべての規格を取得している必要はありませんが、必ず上記のいずれかの規格を取得しているか、確認することが重要です。

ロープの性能

登山用のロープには下記の数値があり、この数値でロープの性能が分かります。

1.ロープ径

ロープの末端にはロープ径も表記され、こちらは8.2mm。

細いロープは重量が軽かったり、嵩張らなかったりと多くの利点もあります。しかし、その反面ロープ径が細いことによって、物理的な破断リスクが高くなったり、ビレー(登っている人を確保すること)などで制動が弱くなったりと、デメリットもあります。初心者の方には、ある程度ロープ径の太いロープをオススメします。

2.耐墜落回数

ロープの規格適合試験の際の墜落の回数です。この回数は多ければ多いほど、ロープの耐久性が高いと言えます。ロープを購入する際は、この値が大きいものを選びましょう。また、ロープ選びに迷った場合、この項目は非常に優先順位が高いと言えます。

3.最大衝撃荷重

墜落した際に、身体にかかる衝撃の値になります。この値は数値が低いほど、身体にかかる負担が少なくなります。そのため、この数値は低い方がロープの性能が高くなります。

4.伸び率

静荷重や動荷重で荷重が掛かった場合の、ロープの伸びる率を表しています。例えば、50mロープで伸び率10%の場合、5m伸びる計算となります。

5.重量(1mあたり)

単純なロープの重量の事です。持ち運びを考えた場合、重量が軽い方が楽になります。ロープ径が細くても、メーカーやモデルによって重たくなる場合もありますし、逆も然りです。重量も比較したうえで、ロープを選ぶことが大切です。

6.防水加工

防水加工が施されていると、水を吸収しないので濡れても重たくなりにくいです。また、防水加工がされていることによって、汚れも付きにくくなります。なおロープは濡れたり、汚れたりした場合、ロープの強度が低下するのでしっかり覚えておきましょう。

ロープの長さについて

ロープの長さも色々な種類があります。一番オーソドックスな長さは、50mロープで汎用性がとても高いロープと言えます。ちなみにジムなどの室内がメインであれば、30mロープで問題ありません。また、フリークライミングやアルパインクライミングのルートによっては、60mロープを使わなければ届かない場所もあります。

中には100mや200mといった、特殊なロープもありますが一般的に使う場面はほとんどないと思います。

まとめ

ロープの種類はたくさんありますが、使用用途が決まれば選択するロープも自ずと決まっていきます。それぞれのロープは、一長一短でなかなか併用することは難しいと思います。まずはどんな場面で使うのかを想定して、購入すべきロープを選びましょう。

私が書きました!
山岳指導員(アルパインクライミング)
ミツル
山と自然に囲まれた長野県在住。登山では日本体育協会公認・山岳指導員(アルパインクライミング)の資格を持つ本格派。登山、バックカントリー、フリークライミング、アルパインクライミング、沢登りと山に関する遊びが生きがい。2児の父親をしながら、アウトドア系のフリーライターとして活躍中。
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