移動式コーヒースタンド店主が教える、キャンプでおいしいコーヒーを淹れる方法とは | 料理・レシピ 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル
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    2019.12.16

    移動式コーヒースタンド店主が教える、キャンプでおいしいコーヒーを淹れる方法とは

    私が書きました!
    Old Lanterns Cafe
    岸本考司
    野外イベントやマルシェに出店してドリップコーヒーを販売する移動式コーヒースタンド「Old Lanterns Cafe」店主。 豆の仕入れから焙煎まで自ら手がけ、イベントではたまに自主企画のワークショップも開催する。年に一度、滋賀県でキャンプイベントも主催。通販サイトでオリジナルのコーヒー豆も販売中。 https://olc2013.thebase.in/

    アウトドアにコーヒースタンドを!

    アウトドアイベントでは、タープ下でこんな感じで淹れています

    はじめまして。自家焙煎珈琲「Old Lanterns Cafe」の岸本です。まずは簡単に自己紹介をさせていただきます。

    大阪在住でキャンプ歴は約30年。高校時代にアルバイトで喫茶店にて働き、18歳でカウンターに立ってお客様にコーヒーを淹れるようになりました。その頃から「いつかコーヒーショップをやりたい!」と夢見るようになってました。

    そんな僕が2013年に店舗を持たなくても出来ると始めたのが、移動式コーヒースタンドでした。そこからコールマンのタープを使い、道具一式をクルマに詰め込んで全国の野外イベントに出店し、コーヒーを淹れるようになりました。

    たかがコーヒー、されどコーヒー

    現在のお店のレイアウト。カウンターを設置してお店らしくなりました

    コーヒースタンドを初めてキャンプ場で営業させてもらったのが、当時支配人とも交流があって実現した、滋賀県高島市の「マキノ高原オートキャンプ場」でした。高原サイト入り口の斜め向かいに高原温泉「さらさ」があり、背後には林間サイトいう最高の環境でスタートした印象です。

    高原事務所のスタッフさんたちにご挨拶のコーヒーを淹れているときに、林間サイトから足早に向かって来る人がいました。そして開口一番「あー、やっと美味しいコーヒーが飲める! いい香りに誘われて来ました」と安堵の表情で言われました。「来て良かった!」と思った瞬間でした。

    大好きなヴィンテージ コールマンのランタンを採用したショップのロゴ

    しかしその反面「キャンプで飲むコーヒーは美味しいはずでは?」の思いが頭をよぎったのです。ドリップしながらその方から少しお話を聞くと、良い景色や雰囲気の中で飲むコーヒーは美味しい……けど、それは感覚的な話で味は決して美味しいコーヒーとは程遠いそうです。「意外とキャンプで美味しいコーヒーを飲めていないキャンパーさんは多いのかも……」と思いました。

    キャンプでしっかりした味わいのコーヒーの淹れ方

    コーノ式はリブの部分からコーヒーが出てくる。お湯は粉の中を通り、しっかりした味わいを形成するのが特徴

    ではここで、同店のコーヒーの淹れ方をお話します。まずコーヒーには苦味や酸味、濃度など、焙煎士や淹れ手の数だけ味に種類があります。Old Lanterns Cafeでは極力飲む方の好みに合わせたコーヒーを淹れるように心がけており、当然ドリップ方法もそれに合わせて変化させています。今からお話するのは、コーノ式ドリッパーを使用した同店の標準的な淹れ方で、わりとしっかりした味わいになる淹れ方をご紹介します(メーカー推奨の淹れ方とは異なります)。

    過去に販売した、エチオピア産の「ゲシャ・ヴィレッジ」という豆の種類

    今回は苦味のある深煎りのコーヒー豆を使用する場合、でお話します。キャンプで使う標準的なカップで150cc、マグカップで約200ccで考えたとき、1杯分の豆の量は10g=100ccで計算します。150ccのコーヒーを淹れるならコーヒーメジャーで1杯半です。

    ハンドミルで豆を挽くのですが、挽き目はとても大事です。ミルの種類によって挽き目の調整方法は異なり、ハンドルのすぐ下にある歯車形状の薄いナットか臼歯の下のダイヤル式などがあり、どちらも右に回すと細かくなり、左に回すと粗くなります。目安はグラニュー糖の粒ほどの大きさになるように調整しましょう。調整のポイントは、出来上がったコーヒーが薄いなと感じたら挽き目が粗いので、少し細かくして、苦いもしくは渋いと感じたら挽き目が細かいので、少し粗くして調整します。

    挽いた豆をドリッパーに移すのですが、ペーパーを予めお湯で濡らすか、濡らさないかで意見が分かれます。これは考え方の問題ですが、まず白いペーパーで試してみてください。濡らさないでドリップすると最初に抽出される濃いエキスがペーパーに染み上がってきます。それに対して、あらかじめ濡らしたペーパーはすでにお湯が染みているのでペーパーを染み上がっていかずにサーバーにダイレクトに落ちていきます。抽出が終わった後のペーパーの色の違いを見れば歴然です。お湯で濡らせたほうがペーパーの匂いがしないから良いと思う人、濡らさなくても匂いはしないと言う人もいて、この問題は永遠に決着することはなさそうです。その後、ドリッパーに挽いた豆を移したら、左右に揺すって豆の粉の表面を平らにします。これ、結構大事なんです。

    ドリップする際にもポイントあり!

    点滴でじっくりと粉に、お湯を染み渡らせます。そして下からペーパーにお湯が染み上がってきます

    さて、いよいよドリップ開始です。円錐型のドリッパーでは、まず中心に細〜くお湯を落とします。もしくは点滴でポタポタとゆっくり染みさせていくのもOKです。ゆっくり粉全体にお湯を染み渡らせたら、注湯を止めて約30秒蒸らします。

    ドリッパーの中心に、500円玉の大きさでドリップしていくと、最後はこんな形になります

    2投目の注湯、これもまず、中心に落として「の」の字を500円玉くらいの大きさで描くようにドリップします。2〜3周「の」の字を描いたら中心で止めます。3投目以降も同じように中心から「の」の字を描いて中心で終わります。お湯がサーバーに落ちて行くスピードに合わせて注湯する量も加減しながら、「の」の字を描いてドリップしていきます。この時、1番注意をしなければいけないことは直接ペーパーにお湯をかけないこと。

    しっかり旨味を抽出できると、「珈琲の妖精」と言われているコーヒー豆の油脂分(琥珀色の玉)が現れる

    ⑥5番目の行程を繰り返して目標の抽出量になったら、ドリッパーにお湯が残っていてもドリッパーを上げて抽出を終えます。これで美味しいコーヒーの出来上がりです。また、落とし切る前に終えるか、落とし切って終えるかも考え方次第で、落とし切ると雑味やえぐ味まで落ちてしまいますが、「それも味わいのひとつ」と考えることもできます。コーヒーに正解はありません。

    それでは、ぜひ実践してみてくださいね。

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