北欧ガールが伝授!遭難した時に役立つ即席シェルターの作り方
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    2020.05.17

    北欧ガールが伝授!遭難した時に役立つ即席シェルターの作り方

    私が書きました!
    スウェーデンのアウトドアガール
    ヤンニ・オルソン
    北欧スウェーデン出身のトリリンガルタレント、レポーター、アウトドアコラムニスト。いつも赤ズボンを履いて登山やハイキングに出かけることから、ついたニックネームは「赤ズボンのヤンニ」。英語・日本語・スウェーデン語を自由自在に操るトリリンガル。自然やアウトドアをこよなく愛し、日本各地を旅するレポーターとしてタレント活動をする傍ら、アウトドアや北欧の暮らしに関するコラムを執筆する。日本の温泉が大好きで、現在は温泉ソムリエの資格取得のため勉強中。

    シェルターの素材を収集中。「ヨシ」という植物は大量に集めることができ、地面からの冷えを防ぐ防寒材料としても優秀。

    時に母なる自然は厳しい。風、雨や寒さという悪天候によって低体温症を引き起こし、最悪の場合死亡事故を起こしてしまう危険性も・・・。寒さだけではなく、人間というのは酷暑にも弱い。そこで重要になってくるのが、厳しい自然から身を守る「シェルター(避難場所)」。

    どのようなシェルターを作ればいいのか?

    もちろん、テントやタープなどを持っていれば一番シェルターとしては理想的。でも残念ながら、ピンチに限って、そういった道具を持っていないかもしれない。そういった時、自分の身の回りにある枯れ木や葉っぱなど、自然の素材を使ってシェルターを作ることができたら、悪天候でも野宿することができるし、とても便利です。ということで、今回は道具を持っていなくても簡単に作れるナチュラルシェルターを紹介したいと思います。

    昨年、デンマークで72時間のサバイバルコースに参加した時に作ったシェルター。これは、タープ、オールウェザーブランケットや自然素材などを複数の道具や材料をミックスして作った2人用シェルター。

    避けたほうが良い場所とは?

    シェルターを作り始める前に、まずは場所を決めよう。気をつけた方が良い点はいくつかあります。

    ・水に近い川辺や沼地にはシェルターを作らないように。増水による危険性があるので、できれば高地でシェルターを作りましょう。
    ・風が強い場所も避けましょう。
    ・獣道(野生動物が通る道)から離れましょう。鹿が通ったら問題ないかもしれないですが、クマが追ってきたら困りますね。
    ・上を見ましょう! 倒れてきそうな枝や木の下は避けよう!(落石にも注意)
    ・同じく、多くの木が倒れている場所がある場合は、その場所が低地である可能性があります。風が吹くと、木が倒れてくる危険性があるので避けましょう。

    差し掛け式シェルター(Lean-to shelter)

    デンマークの72時間サバイバルコースで実際に参加者が作った差掛け式シェルター。ぐっすり眠れそうですね(笑)

    まず、2本の木を使った、差掛け式シェルターを紹介したいと思います。

    ① 2本の生きている木の間に、1本の棟木を渡し、2本のY字の形をしている枝で支える。

    棟木を支えているY字の形の枝。

    ② 地面から約45度の角度で、枝をぎっしりと差掛け(枝の隙間に雨や風ができるだけ通らないように)、その上に小枝、葉っぱやコケなどを使い、シェルターを断熱仕様にする(泥や雪の時も使えます)。

    ③ 壁だけではなく、地面も断熱しないと、温度を保つのにあまり効果が出ない。それを防ぐために、地面には小枝、乾燥している葉っぱやスプルースの枝などをいっぱい起きましょう。

    注意! 始める前に、風向きに注意して、作りましょう。風がシェルターの背中に当たるよう作りましょう。

    Aフレームシェルター(A frame shelter)

    Bushcraft DenmarkのインストラクターJesper Hedeが自然素材で作られたAフレームシェルター(デブリハット)の作り方を紹介してくれた。

    Aフレームシェルターは、差掛け式シェルターより、手間がかかりますが、風雨から身をしっかり守ることができます。

    ①まず棟木(1本)とY字の形をしている枝(2本)を集める。

    ②2本のY形の枝を合わせて、枝のフラットな部分を地面に置ける。

    ③Y字の形をしている枝に、棟木を置いて、後ろの部分を地面に置く。

    ④壁として、上記の3本で作られた間に枝をぎっしりと並べていき、その上に葉っぱなどを載せる。(葉っぱが風で飛ばされないように、最後は葉っぱの上に小枝などを起きましょう)

    ⑤体温を保つために、地面の冷気を防ぐ必要がある。乾燥している葉っぱなどをいっぱい置く。

    # 入口に大枝で壁を作ると(リフレクターという)、焚き火を焚いたときにその輻射熱を利用することができ、さらに中が暖かくなる。(焚き火が作れなくても、風よけになるので、作って損はない)

    赤い丸の中には、Y字の形の枝に置いている棟木が見える。青い丸の中には輻射熱のリフレクターの一部が見える。

    衣服もシェルターの一部

    緊急時に着ている衣服がシェルターになるかもしれません。

    実は、着ている衣服もシェルターの一種。テントやタープもなく、シェルターを作れない時には、自然から身を守る唯一のシェルターとなるかもしれません。アウトドアに行く時には、どういう環境に行くのかをよく考えた上で、予備の衣装を持って行きましょう。予備の靴下、手袋、帽子、マフラーやポンチョなどを持っていくと良いでしょう。

    ※撮影/Anton Engblom https://www.facebook.com/antonengblomphotography/
    Joe Price https://www.instagram.com/joe_price_l2l/
    ※協力/Bushcraft Denmark https://www.instagram.com/bushcraftdanmark/
    Joe Price https://www.instagram.com/joe_price_l2l/
    ※衣装/Fjallraven http://fjallraven.jp/

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