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オリンピック宿舎の歴史を継承する生きた文化遺産としてのパークカフェ
歴史的なイベントの施設が終わったあとの遺物の活用は様々。現在の代々木公園内にあった1964年の東京オリンピックの宿舎もオランダ選手の宿舎として使われた建屋のみが「オリンピック記念宿舎」として残されていたものの、長年活用されないまま風化していっていました。
東京都は2024年3月に改定したパークマネジメントマスタープランにおいて、個々の公園が持つ特性を活かしつつ、誰もが使いやすく楽しめるようリニューアルを行う「都立公園リフレッシュプロジェクト」を発表。都民の財産である都立公園のポテンシャルをさらに引き出し、都市が抱える様々な課題の解決にも寄与することを目指し、「2040年代の都立公園の目指す姿」を目標として設定。個々の公園が持つ特性を活かしつつ、誰もが使いやすく楽しめるようリニューアルを推進中です。
代々木公園では、オリンピック記念宿舎エリア一帯について、多くの人がくつろぎ、集う空間とするため、2025年1月よりリニューアル工事を開始。2月からは再建後の建物を飲食店舗にすることで多くの人がくつろぎ、集う空間を創出するための拠点とすべく事業者を募集しました。その後、審査を経て、事業者にはドトールコーヒーが選ばれ、今回の出店が実現しました。

宿舎の廃材も再利用 3店舗目の「ドトール パークカフェ」はレガシーを伝え防災備蓄機能も
「ドトール パークカフェ YOYOGI」は、千葉県柏市の柏の葉公園店、東京都江戸川区の江戸川区新左近川親水公園店に続く3店舗めのドトール パークカフェ。続いて2026年4月23日に茨城県水戸市の千波公園内にできた好文テラスに4店舗めも出店しています。
今回特筆すべき点は、店舗のデザインに歴史を引き継いでいるところ。老朽化で取り壊しになった建物ですが、昔の様子を伝える写真の額縁には窓に使われていたミントグリーンにペイントされた木材を再利用。新たに設置されたテイクアウトカウンターや看板などの付属物も、遠景ではかつての姿と重なるような雰囲気を維持するデザインになっています。





こちらの建物はカフェとしてだけでなく、公園立地の設備として防災備蓄機能も備えています。万が一の災害発生時に帰宅困難者の休息場所などに使えるように、客席の椅子などはすべて可動式。防災用品や非常用トイレ、ソーラー発電などを備蓄し、状況に応じて供出できる体制を整えています。
日本の素材や様式美、技術をふんだんに盛り込んだ店舗デザイン
外観のベースはオリンピック宿舎のものですが、内部は独自のデザインに。日本発祥のコーヒーショップであるドトールとして、オリンピック記念宿舎とのコラボレーションを念頭に日本の素材や様式、技術を採用しています。
入り口のサインや店内の壁面には庵治石(あじいし)を使用。これは香川県高松市の五剣山で採掘される石で、世界最高品質を誇ることから「花崗岩のダイヤモンド」とも称されているもの。店内の壁は日本のお城の石垣のように美しく組み合わせられていて、自然の賜物とそれを仕上げる日本の技術者の匠の技を間近に見られます。



代々木公園にはドッグランがあり、ペットを連れている人も多いですが、店内に一緒に入ることはできません。その代わり、店舗左側にはテイクアウト専用カウンターを設け、ペットを連れたままでもオーダーできるようになっています。また、テラス席は店内よりも多い44席あり、近くにはベンチなど座れるスペースも多く、公園内で作り立てのドリンクやフードメニューを購入できる場所として重宝されそうです。

パスタやドリアなど食事メニューが充実 ドトール パークカフェ YOYOGI限定メニューも
「ドトール パークカフェ」ブランドでは、通常のドトールコーヒーショップでは提供していないパスタやドリアなどの食事メニューも揃えています。
さらに、「ドトール パークカフェ YOYOGI」限定メニューとして「苺抹茶ラテ~福岡県産あまおう苺使用~」、「YOYOGIドック~北海道4種のチーズソース」、「お団子パフェ 桜餅」など、ここでのみのメニューも充実。





営業時間は朝7時から夜7時までと、日暮れ後も営業しています。日が落ちる様をテラス席から眺めながらゆったり過ごすなど、これまでとは違う楽しみ方ができそうですね。





