新緑の季節に見る、海と陸の命の躍動を写真でお届け! | 海・川・カヌー 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル

海・川・カヌー

2026.04.19

新緑の季節に見る、海と陸の命の躍動を写真でお届け!

新緑の季節に見る、海と陸の命の躍動を写真でお届け!
ふと山並みに目を向ければ、やわらかな新緑が広がり、その美しさに今年も季節の巡りを感じます。
気温も次第に上がり、過ごしやすい気候になり、心が自然と弾む風景も見られます。

産卵に訪れるアオリイカを捕食する生き物とは

桜島と新緑に包まれる鹿児島市街地。

その頃、海の中でも水温がゆっくりと上がり、生き物たちの動きが活発になります。

鹿児島県・錦江湾では、アマモの草原が広がります。
海底から高いものでは2メートルほどまで成長し、見上げると、まるで海の中の森に迷い込んだかのような感覚に包まれます。

その美しい景色の中で、ふと目に入ったのは、海底に転がるひとつのプラスチック容器。
本来そこにあるはずのないものに違和感を覚えながらも、よく観察してみると、

そこにはイロミノウミウシが2匹寄り添い、白い卵を産みつけていました。

人が捨てたものが、思いがけず新たな命のゆりかごとなる。
海草の森の中で繰り広げられるその光景に、春という季節の力強さと、生き物たちのしたたかさ、そして自然の奥深さを改めて感じさせられます。

海藻の森にてプラスチック容器に卵を産むイロミノウミウシ。

初夏になると、アオリイカの産卵が見られます。

木を束ねて作る「イカシバ」を、漁師さんと協力して海底へ沈め、産卵場所を整えます。

数日もすると、そこには白色のアオリイカの卵が確認できるようになります。

海底でじっと息を潜めていると、やがて遠くから、アオリイカたちが次々に姿を現します。

産卵はペアで行われ、メスはオスに守られながら、イカシバへ潜り込み、白い卵を産みつけます。

多い時には、50杯ほどのアオリイカがこの場所に集まります。
透き通るような美しい姿のイカたちが重なり合い、舞い踊るかのような光景は、まるで海の中の舞踏会のよう。思わず息をのむほどの美しさと迫力に包まれます。

しかし、産卵に訪れるアオリイカを捕食しようと、卵の奥にひっそりと身を潜める生き物がいます。

アオリイカの卵に潜むウツボ。

それは、ウツボです。

ウツボは、イカシバにメスのイカが体を突っ込んで産卵する、その一瞬を狙って捕食するのです。
なんとも賢く、したたかな生き方です。

美しく見える“命の舞踏会”の裏側では、こうした緊張感のある駆け引きが静かに繰り広げられています。

そんなウツボも、夏になると繁殖期を迎えます。

大きなウツボのペア(手前がオスで奥がメス)。南さつま市笠沙・水深13m地点。

鋭い歯を持ち、「海のギャング」と怖がられる存在ですが、観察していると実は臆病な性格のように見えます。

求愛のときには、お互いを気遣うような穏やかで優しい姿が見られます。

その様子はどこか人間のようで、好きな相手に向ける表情が、ふとやわらかくなる瞬間に似ているようにも感じます。見ているこちらまで心がほどけるような、愛おしい時間です。

これから水温がさらに上がり、海の中はますます賑やかになっていきます。
今年も生き物たちのどんな恋模様に出会えるのか、今から楽しみでなりません。

陸編

初夏、葉も生き物もいきいきと息づくこの季節。
私にとって特別に好きな時期で、ふるさとの風景がより一層やさしく感じられます。

水田に水が張り、水面に空が映り込む、のどかで心癒される風景。南九州市知覧にて。

田んぼに水が張ると、水面に映り込む景色に魅了され、気づけば何か生き物がいないかと目を凝らしています。

水面からそっと顔を出すアカハライモリ。

初夏、水辺にはアカハライモリの姿も見られます。
この時期、アカハライモリを観察していると、2〜3匹で追いかけ合うような様子が見られることもあり、とても興味深い光景です。

シュレーゲルアオガエルの告白タイム!?

この時期、カエルの声に心から癒されます。
玄関を出ると、その鳴き声に引き寄せられるように、気づけば田んぼの脇道へ。

ひときわ大きく響く声のする方へ行き、足元をそっと覗き込むと、まるで告白の瞬間のような、胸が温かくなる素敵なシーンに出合いました。

シュレーゲルアオガエルの卵。
ニホンアカガエルの卵。


これからさらに生き物たちの活動が活発になり、躍動感あふれる季節がやってきます。

命はめぐり、生き物たちにもそれぞれの想いがあり、懸命に生き、闘い、そして恋をする時間が流れています。

そんな姿に出会えるこれからの季節は、生き物観察がより一層楽しくなります。
ぜひ外に出て、そのひとときを感じてみてください。

射手園 芽さん

水中ガイド・自然フォトグラファー

鹿児島県南九州市知覧出身。
水中ガイド
地元、鹿児島拠点に海中の魅力を日々発信中。
身近な自然、生き物の写真撮影をライフワークにしてます。
海中生物の繁殖行動の観察を積み重ねている。

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