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ゴミの循環型利用で、アウトドアギアをメンテナンス!


清掃団・お片付け担当 柴田賢佑さん

芸能活動の傍ら、遺品整理・ゴミ屋敷片付け員としても活動。プロのお掃除人としてSNSで発信中。書籍『ごみ屋敷ワンダーランド』(白夜書房)発売中。
清掃団・料理担当 高田千尋さん

「グラビア芸人」の肩書で、お笑いからグラビアまで幅広くこなす異色の芸人。裁縫や料理を得意とし清掃団に入団。現在「本気の競輪TV」でMCも務めている。
清掃団・団長 マシンガンズ・滝沢秀一さん

すごいぞ!
芸人活動の傍らゴミ収集員としても活動。プロの目でゴミ問題を発信し続け人気に。環境省のSDGs関連の広報大使に就任。著書に『ゴミ清掃員の日常』など多数。
江戸時代から伝わる古来のメンテ法も活用だ!

高田「みんなも試してみてね」
「ゴミ」という言葉。由来は様々だが、一説には愛知や京都の方言、落ち葉「ご」を、肥料や燃料として利用し、そこから植物が育ち実をつけることを「み」として、「ゴミ」という言葉になったとか。
「これこそ清掃団が目指す無駄のないゴミの循環型利用」「ゴミ芸人だって立派な実をつけるのだ!(笑)」と、お笑い清掃団たちはあらためて一致団結。
そこで今回はゴミの循環型利用で、アウトドアギアをメンテナンスする。ポイントはゴミの特性を活かし、ギアごとに使い分けること。挑戦するのはお片付け芸人の柴田賢佑さんと、グラビア芸人の高田千尋さんだ。
「米のとぎ汁やヌカは昔ながらの洗剤。食器などのつけおき洗いに適してます」「果物や野菜の皮などの生ゴミも、クエン酸やリモネンなど洗浄に有効な成分が多く含まれているので、頑固な油汚れもキレイになるよ」
江戸時代から伝わる古来のメンテ法も活用。ダッチオーブンに付いたサビは、茶殻を煮出しメンテナンス。焚き火の灰は、最強のアルカリ性洗剤になり、バーナー周りの油汚れや、鍋のしつこい焦げつきにも有効。天然の洗剤、恐るべしですぞ。
1 お米の有効活用
米のとぎ汁やヌカに含まれているでんぷんやタンパク質などが油汚れを分解。江戸時代には掃除、洗濯、洗髪などにも活用された天然洗剤。

使いましょう!
とぎ汁をスポンジや布巾に含ませて食器を拭くだけでも有効。昔は肌のスキンケアにも使われていた。
米のとぎ汁

油汚れのひどい食器は、米のとぎ汁に浸けておくとキレイに。とぎ汁をスプレー容器に入れて洗剤にすると便利。

ヌカ

米ヌカを布巾に包んでテーブルを拭くとピカピカに。ヌカは古くから体を洗う石鹸としても活用。

2 天然洗剤、果物・野菜クズ
ミカンの皮、リンゴの芯は油汚れに(レモン、ユズなども有効)。大根の芯は水垢とり、バナナの皮は革製品などのつや出しに向く。
ミカンの皮

ミカンの皮に含まれる油分リモネンはしつこい油汚れに効果的。びっくりするぐらいよく落ちる。


ミカンの皮で、BBQグリルや鍋の油汚れを落とす。皮の表面でこすり、ときどき汁を搾りながら拭き取る。
バナナの皮

革手袋をバナナの皮の内側でこすると、皮に含まれているタンニンの効果でつやが出る。銀食器にも向く。

リンゴの芯


食べ残しのリンゴの芯でバーナーを掃除。リンゴに含まれる酸性のリンゴ酸は、油汚れを落とす効果がある。

大根のへた

ナイフを大根のへたでこするとピカピカに。大根に含まれる酵素が汚れを分解し、食器のくもりや汚れを除去。

3 テントの掃除に便利なダンボール
ダンボールは、小さく切ってテント内の隅にたまったゴミをかき集めるほうきとして使用したり、メッシュ窓の掃除に有効だ。
ダンボール

テントの掃除で、メッシュ部分の裏にダンボールを当てて掃除機で吸うと、びっくりするほど汚れが落ちる。

ヘッドより
大きめのものが◎
古来のメンテナンス法
江戸時代、焚き火の灰やお茶の出がらしはゴミではなく貴重な資源。灰は洗剤として、出がらしは鉄瓶鉄鍋の錆び取りに利用されてきた。
焚き火の灰


焚き火の灰に水を入れて放置し、できた上澄みを洗剤に。ただし、アルミの容器は溶けることもあるので使用不可。
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焚き火で使用した鍋ややかんなどの焦げた部分を、ウエスに灰洗剤をつけて、軽く拭き取るだけでキレイに。
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しつこい焦げつきもご覧のとおりピカピカ。灰洗剤は強力なアルカリ性なのでゴム手袋をして行なうこと。
お茶の出がらし

まだまだ便利

錆びたダッチオーブンは、水8分目に、お茶パックに入れた茶殻を入れ中火以下の火で30分ほど煮出し、数時間放置。
※構成/松浦裕子 撮影/茶山 浩
(BE-PAL 2025年11月号より)







