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森林を売るのではなく貸すフォレンタ

forenta発案者 田口房国さん

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1977年岐阜県東白川村生まれ。大学卒業後、家業(林業・製材業)を継ぐ。自身のキャッチフレーズは、田舎に住み地域社会に貢献する「カントリージェントルマン」。
キャンパー、山林所有者、地域の三者すべてにメリットが
「年間契約で自分だけの区画を借りられるので、予約なしで自由に使えるのが最大の魅力!」
「テントを張りっぱなしにしてもいいし、ギアをデポしておくこともできる」
「草刈りをして区画内を開拓したり、倒木を利用したり……。ワイルドに遊びながら自分好みの空間に育てられるんです」
「山を買うのは登記や固定資産税などがあって大変だけど、レンタルなので手軽。気に入ったら契約更新もできます」
 
などなど、ユーザーから高評価を集めている「forenta」。2020年に岐阜県東白川村から始まった森のレンタルサービスだ。翌年にはフランチャイズも始め、今年10月時点で全国で33エリアを展開している。このサービスをつくったのは、東白川村で代々林業・製材業を営んでいる田口房国さんだ。
「山を購入してキャンプをしているという動画をユーチューブで観たのがきっかけです。アウトドア人気が高まり、キャンプ場の予約が取れないといった状況の中で、キャンパーが田舎の山林に興味を持ってくださるのは、林業を営む者としてすごくありがたいと思いました。ただ同時に、たとえば飽きて売りたくなった場合など、将来的な維持管理がちゃんとできるのかなという不安も抱きました。そこで、森林を売るのではなく貸すという仕組みを閃いたんです。山林所有者はコストや手間をほとんどかけずに副業的に収入を得られますし、目立った観光資源がない中山間地域にとっても、新しい人流の呼び込みになり活性化のタネになります。キャンパー、山林所有者、地域の三者すべてにメリットのある三方よしの仕組みなんです」
 
こうした発想の根っこにあるのは、「日本の森林の価値を見直したい。山林所有者が森林に誇りを持てるようにしたい」という田口さんの思いだ。
「今まで森林は他者の侵入を拒んできたクローズドな世界でした。でも、たくさんの人とシェアしてオープンな世界にすることで、日本の森林の可能性が広がっていくと信じています」
 
当座の目標は、2027年度に全都道府県にそれぞれ1か所以上のエリアを設け、計90エリアを開設することだという。

グループキャンプ、焚き火を楽しむデイキャンプ、ブッシュクラフトの基地、隠れ家的にソロキャンプ……。使い方は十人十色。毎週利用する人もいれば、数か月に1回の人もいるという。

9月に内覧会を行なった千葉県館山市の「forenta-CHIBA」の区画。1区画の広さは約300㎡で、年間利用料は11万円(税込)。

「forenta-CHIBA」のレンタルスペースの様子。「直火禁止、簡易トイレ設置」が、各forenta共通の原則的なルール・仕様だ。
forenta : https://www.forenta.net/
※構成/鍋田吉郎
(BE-PAL 2025年11月号より)
 
		
					
							
 
									 
									 
									 
									 
									 
									 
									
 
						 
						 
						 
						 
						 
                     
                  
                   
               
               
               
               
					 
					 
					 
					 
					 
				 
				 
				 
				







 
               
               
               
               
               
               
              