
約5.1kmをスルーハイクするスペシャルなハイクイベント
鳥取、兵庫、京都の3府県にまたがる総延長230kmの山陰海岸ジオパークトレイル。
そのハイライトエリアとされる鳥取県岩美町の浦富(うらどめ)海岸約5.1kmをスルーハイクするハイクイベントが、8月31日に開催された。
ハイクのスタート地点までの交通手段は、バスでもなく、列車でもなく、なんと日本海に浮かぶ島々を縫うように進む遊覧船!

鳥取県岩美郡岩美町大谷の「浦富海岸 島めぐり遊覧船乗り場」から出港し、浦富海岸に浮かぶ島々を縫うようにクルージングし、田後(たじり)港に上陸。海上から愛でた海岸線のトレイルを歩いて帰ってくる総延長5.1kmのデイハイクだ。
約30分の船旅からスタート!

条件が良ければ水深25mの透明度を誇る浦富海岸。その青さから「岩美ブルー」とも呼ばれ、国内はもとより、外国人観光客からも熱い視線を浴びる風光明媚な観光スポットだ。

浦富海岸を知り尽くした船長のガイダンスで、複雑に入り組んだリアス海岸を巡る。ダイナミックな地形が参加者のハイク欲を高めた。

田後港に上陸し、いよいよハイクがスタート

田後は鳥取県東部を代表する漁港のひとつで、瓦屋根の家々がひしめきあう歴史ある漁村だ。昨今は、水泳アニメ『Free!』の舞台としてファンが訪れる聖地となっている。

石垣を積んだ狭い路地へ入ると、漁民の生活をサポートする田後簡易郵便局がひっそりと佇む。車でアクセスできない郵便局は全国的に見ても珍しい。

田後港から城原(しらわら)海岸駐車場までは、しばしアスファルトの車道を歩く。海抜からやや高いところを歩くので風が通って、眺めもいい。
ユニークな地形の城原海岸

ワニの背のように柱状節理が海面から飛び出すユニークな地形が特徴的な城原海岸。足元には大きな丸い石が転がり、足首を捻らないように注意しながら歩いた。

左の白浜がトレイル上の鴨ヶ磯で、右の山の頂きが今コースの最高地点、網代埼灯台。標高差90mをこれから登る現実を突きつけられた参加者から弱音が漏れる。「えー? まじで〜!?」
徒歩で鴨ヶ磯へ

海水浴客、SUPやカヤックを楽しむパドラーが集う鴨ヶ磯。徒歩か海上からしかアクセスできない別天地を歩く。
網代埼灯台でひと休み

今コースの最高地点、網代埼灯台にて休憩。イベント当日は、最高気温35℃の猛暑日。「みなさん、暑さに負けず、よく頑張りました!」とガイドの長谷部雅一さん。

瓦屋根の民家が肩を寄せ合って密集する網代港を望む。右の頂きは山陰海岸ジオパークトレイルが通る駟馳(しち)山だ。その下にゴールの蒲生川河口が見えた。

松の木が1本逞しく生える奥の岩島が、千貫松島。外国人ハイカーの姿もたびたび見かけた。
100年以上の歴史を持つ網代ずい道

岩に囲まれた網代と岩美の町とを繋ぐかつての生活道だ。攻撃的な太陽光から解放されたハイカーの明るい声が響いた。「涼し〜!」
遊覧船乗り場でゴール!

約3時間のハイクを終え、スタート地点の遊覧船乗り場にゴール!

終了後、参加費に含まれている「港カフェ」のお好みのバーガーを選ぶランチセットを、ハイクを振り返りながら楽しんだ。写真はホタルイカバーガー(左)、アジフライバーガー(右)。

ユネスコ世界ジオパークであり、国立公園でもある山陰海岸を海から、陸から楽しむスペシャルな半日ハイクは、こうして無事に幕を閉じた。
海と陸2つの視点から山陰海岸に接することで、山陰海岸ジオパークの知見がさらに深まったことだろう。
今回紹介した山陰海岸ジオパークトレイル 遊覧船&ハイクツアーは、今秋および2026年にも開催を検討中とのことなので、興味のある人は「山陰松島遊覧」ホームページで要チェックだ!
山陰松島遊覧:https://yourun1000.com
山陰海岸ジオパークトレイルの今回のハイクコースの詳細はこちらから
https://sanin-geo.jp/geotrail08/
https://sanin-geo.jp/geotrail09/