

浅瀬で貝を集めてカレーの具に!

世界各国の楽しげな料理の再現や野生食材の採集・調理などを実践して表現する文筆家。「紹介した料理の詳細は『趣味の製麺BOOKS』に収録。みんなも通販で買おう」
「楽しくて美味しくて野外向きの料理といえばチャパティ!」
そう話すのは国内外の料理の再現をライフワークにするライターの玉置標本さん。現地出身の人に習うだけでは飽き足らず、最近は本場まで味とつくりかたを確かめに行くほどだとか。
「それでは、まずはカレーをつくりましょうか」
といって向かったのは海。浅瀬で貝を集めてカレーの具にするという。付け合わせは、来る途中に自分の畑から抜いたスベリヒユ。夏の雑草ではこれがいちばん美味しい、と玉置さん。
カレーをつくれば残るはチャパティ。粉を練ってのばして炭火に置くと、蒸気の力で生地がぷっくりと膨張! 熱いうちにカレーを挟んで口に運ぶと……美味しい! スパイスの鮮烈な辛みが食欲を刺激する。
「カレーを家でつくっておけば、現地では湯煎してチャパティを焼くだけでOK。仲間とカレーを持ち寄って食べ比べる、なんて遊び方も楽しいですよね!」
夏の磯は食材のワンダーランドだ!

合法の貝を狙え!
漁業権の対象外の雑貝を採集。ふと目が合ったのはマガキガイ。「え! めっちゃ見てきますね。こんなに見られると食べづらい!」※漁業権の対象は地域によって異なるので必ずご確認ください。


◦スガイ
「タマ」と総称される貝のひとつ。味はサザエ風味。
◦マガキガイ
暖かい海に生息。温暖化で分布域が北上している。
◦イシダタミ
潮だまりや磯の日陰に群れる。小さい。サザエ風味。
◦マツバガイ
波のかかる岩に住む。ドライバーなどで剥がして採る。
◦カメノテ
波飛沫がかかる岩場に群生。こう見えて甲殻類の一種。
貝と野菜のカレー
インド風ごはん鉄の掟。「スパイスをいっぱい入れると、スパイシーになる!」

材料
カレーリーフ、赤唐辛子、青唐辛子、タマネギ、ミニトマト、貝類、サラダ油、クミン、マスタードシード、カレー粉、塩、ショウガ、ニンニク
つくり方
❶サラダ油で赤唐辛子、クミン、マスタードシード、カレーリーフを炒めて香りを出し、刻んだタマネギを追加。

❷タマネギに火が通ったらトマト、青唐辛子を入れてショウガ、ニンニク、カレー粉を追加。

❸塩水で下茹でした貝を剥いて身だけを加えて煮込み、仕上げに塩で調味する。「どんな食材をも包容するのがカレーの偉大さ。しかし市販のルーだと食材の味がルーに負ける。SBの赤缶にホールのスパイスを加えるくらいにすると食材が生きる」

ムング豆のダール
材料
ムング豆、ギー、ミニトマト、クミン、ターメリック、塩

つくり方
❶ムング豆(緑豆)の半割りになったものをひたひたの水で柔らかくなるまで煮込み、硬さがとれたらカットしたミニトマトを加える。

❷ギー(バターを精製した乳脂肪)でクミンとターメリックを加熱して香りを出し、①と合わせ、塩で調味。「余談だけどダールは『豆カレー』ですが、豆類のことでもあります。『ごはん』が食事であり白米のことでもあるのに似てますね」

スベリヒユのマスタードオイル和え
材料
スベリヒユ、マスタードオイル、塩、ショウガ、ニンニク

つくり方
スベリヒユを沸騰したお湯でさっと茹でて食べやすいサイズにカット。マスタードオイル、ショウガ、ニンニク、塩で和える。「決め手はマスタードオイル。マスタード味の辛みと香りがスベリヒユの酸味とぬめりを引き立てる」

マサラチャイ
材料
紅茶の茶葉、シナモン、カルダモン、牛乳、砂糖

つくり方
カルダモン、シナモンを煮出し、香りが立ったら茶葉も投入。茶葉から味が出たらお湯と同量の牛乳を加えて煮出す。「好みでクローブを入れてもいい。砂糖の量はお好みで。でも、甘めが本式です。安い茶葉も濃く甘くすれば美味い!」

外で焼いて楽しい! チャパティ講座

フライパンでも焼けるよ!

タワ(チャパティパン)。チャパティ用の平たいフライパン。
焼き網。「普通の網でも代用できるが、あると気分が上がる」

アタ粉。チャパティに使われる全粒粉。インド食材店で買える。
つくり方
❶粉の銘柄によって最適な加水率は異なる。粉に合った水(60〜80%)を加えて練り、20分ほど寝かせる。
❷ピンポン玉大にきれいに(➡重要)丸める。
❸打ち粉を多めに使い(➡重要)均一に薄く延ばす。
❹タワに載せて軽く焦げ目がついたらひっくり返す。
❺焼き色が両面についたら返しつつ網へ。
❻炭火の熱気に当てると蒸気でぷっくり膨らむ。

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チャパティは炭火の熱気に全体を当てると一気に膨らむ。「現地では直に炭の上に置いて膨らませることもある」

プロっぽい
※ムング豆のダールほか、レシピは玉置さんが編集・執筆する『作ろう! 南インドの定食ミールス』に詳しい。レシピ及び玉置さんの活動は「趣味の製麺」で検索!
※構成/藤原祥弘 撮影/矢島慎一
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