夏に巨大化する迷惑な雑草、オオブタクサ、シロザ、ヨウシュヤマゴボウの生態を徹底解説! | 自然観察・昆虫 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル

自然観察・昆虫

2025.08.11

夏に巨大化する迷惑な雑草、オオブタクサ、シロザ、ヨウシュヤマゴボウの生態を徹底解説!

夏に巨大化する迷惑な雑草、オオブタクサ、シロザ、ヨウシュヤマゴボウの生態を徹底解説!
雑草の大きさは様々で、最大でも数センチしか伸びない雑草があったり、その逆に1メートルを超える雑草も存在します。特に、夏に巨大化する雑草は人の身長を軽く超えて、まるで森のようになります。今回は、その中からオオブタクサ、シロザ、ヨウシュヤマゴボウを紹介します。

どれくらい巨大化する?

雑草を観察する場合、足元に生えている雑草を上から見下ろすイメージだと思いますが、これから紹介する雑草たちは、木のように見上げることになります。

オオブタクサ

2メートル超えのオオブタクサ
オオブタクサの種子(右側)とゴマの比較

キク科のオオブタクサは1950年代に日本にやって来た外来雑草ですが、現在では日本全国に生育しています。茎はまっすぐ伸びて、3メートル近くまで育ちます。

河川敷や荒れ地、道路の脇などに生えていますが、きれいな花を咲かせる訳ではないので、小さい時はとても地味です。種子は、突起がありゴツゴツしていますが、それほど大きい訳ではありません。

シロザ

空き地に生えるシロザ

ヒユ科(以前の分類ではアカザ科とされていました)のシロザは農地や空き地に生えており、2メートルを超える大型の雑草です。シロザの茎は木のようになるので、まだ小さいうちに草刈りをしておく必要があります。

現代では雑草扱いのシロザですが、江戸時代の頃は、野菜と同じように栽培されていました。「百姓伝記」という農業について詳しく書かれている書物には、シロザの栽培方法が紹介されています。

シロザの仲間

アカザ

見た目はシロザなのですが、葉の一部が赤色をしています。野外では、シロザよりも個体数が少ない印象ですが、1か所にまとまって生えていることが多いので、葉の赤色を目印にして探すと見つけることができます。

大きく育つと厄介な雑草ですが、小さいときのアカザは観葉植物のようにきれいです。

ヨウシュヤマゴボウ

塀から飛び出したヨウシュヤマゴボウ
ヨウシュヤマゴボウの種子(右側)とゴマの比較

ヤマゴボウ科のヨウシュヤマゴボウ(洋種山牛蒡)は2メートルを超す大型の雑草で、上だけでなく横にも広がります。北アメリカ原産で、明治時代に日本にやってきた外来種で、空き地や道路の脇など街中でもよく見かける雑草です。

ブドウのような赤紫色の果実をたくさん付けますが、毒があるので食べないようにしてください。果実の中には黒くてつやのある種子がありますが、それほど大きくはありません。

また、根にも毒があり、厚生労働省のホームページでも紹介されています。

巨大化する雑草がもたらす影響

人の身長を超すような雑草はそれほど多くありませんが、しっかりと管理をしないと大変なことになります。

社会に与える影響

ヨウシュヤマゴボウに破壊されたコンクリート枠

雑草が巨大化してしまうと交通標識が見えなくなったり、歩道をふさいでしまうなど交通支障の原因になります。

しかも、冬には枯れてしまうので、枯草が火事の原因になることがあります。以前、鉄道周辺の雑草に火が付いて、電車が止まったこともありました。

最近では街中にクマやイノシシが現れて問題となっていますが、森のようになった雑草は野生動物の隠れ家や通り道になるため、山と街や農地の境界線はしっかりと草刈りをしておく必要があります。

その他にも、巨大化した雑草がコンクリートのような頑丈な構造物を破壊することがあります。

環境に与える影響

今回ご紹介した雑草のうち、シロザは2000年以上も前に日本にやって来たと考えられています。このため、草刈りは大変ですが、既に日本に定着しているため、環境に与える影響はあまり大きくはありません。

その一方で、1950年代に日本に定着したオオブタクサは要注意外来生物と、日本の侵略的外来種ワースト100 に指定されており、日本の生態系に悪い影響をおよぼす可能性があります。

花粉症の原因

春が近くなると、毎年のようにスギ花粉の情報が流れてきますが、実は雑草も花粉症の原因になります。このため、スギの花粉の飛散が終わった時期でも花粉症の症状が治らない方は、オオブタクサが原因かもしれません。その他に、ヨモギやイネ科の雑草が原因となる場合もあります。

適切な駆除方法とは?

毎回、頭を悩ませるのが駆除の方法ですが、とにかく早めの対応が重要です。

効果的な方法

小さい頃のシロザ
小さい頃のオオブタクサ
小さい頃のヨウシュヤマゴボウ。あのように巨大化するとは想像もできない姿だ。

大型の雑草は大きくなるにつれて茎が太く、しかも硬くなるので、草刈りは木を倒すような大変な作業になってしまいます。

でも、小さいうちであれば茎が柔らかいので簡単に鎌で刈り取ることができるし、根があまり張っていないので手で抜くことができます。このため、当たり前と思うかもしれませんが、小さいうちに駆除することがとても大切です。目安としては5月から6月前半頃になります。

もし、小さなうちに駆除することができなかった場合は、遅くても種子を付ける前の9月頃までに対処してください。種子を付けた後に刈り取っても種子が周囲に拡散してしまい、翌年に大量の雑草が発生してしまいます。刈払い機がない場合は、木のように硬くなった茎を切るときに、ナタやノコギリがあると便利です。

食べる・使うという選択肢

今回ご紹介した雑草のうち、シロザは若い葉を食べることができます。調理方法としては、おひたし、天ぷら、炒め物です。

熟す前の種子も食べることができます。以前、シロザの種子をハンバーグの具に混ぜて食べたことがありましたが、特に味はなく、プチプチとした食感が特徴でした。その他に、シロザの茎は硬くて軽いので、乾燥させたものを杖として使うことができます。

またオオブタクサに毒は無いようですが独特の匂いがあるので、食用には向きません。そして、ヨウシュヤマゴボウは毒があるので、絶対に食べないでください。

巨大化する雑草との上手なつきあい方

ヨウシュヤマゴボウの鉢植え。

もしも、周囲に迷惑がかからないような土地があれば、アサガオの観察のように、巨大な雑草達がどこまで大きくなるか育ててみると面白いと思います。自由研究の素材としてもぴったりです。

育てる際には、密集していると大きくならないので、最初に5本くらい植えておき、1番丈夫そうな個体を1本残せば大きく育ちます。また、鉢植えだとすぐに根が張ってしまうので、地面に直接植えるのがコツです。

ただし、シロザ、オオブタクサ、ヨウシュヤマゴボウは人が隠れてしまうくらい巨大化するので、後始末は覚悟しておいてください。処分の際には、種子が熟す前に刈り取るようにしてください。種子が拡散してしまうと、翌年は雑草だらけになって大変なことになります。

また、シロザは刈り取った後に茎を乾燥させて杖にすれば記念に残すことができるので、上手に管理しながら、巨大な雑草達の姿を楽しんでみてください!

阿部拓也さん

雑草博士

博士(農学)。雑草の活用から管理まで、研究してきました。現在は、「雑草をより面白く!」をテーマに、雑草計画(zaso.jp)というサイトを運営したり、農業の課題をサポートする合同会社マチビト(matibito.com)を立ち上げて活動しています。

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