ワルナスビ、ヒヨドリジョウゴ…絶対に食べないで!毒があるナス科の雑草とその見分け方 | 自然観察・昆虫 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル

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2025.09.27

ワルナスビ、ヒヨドリジョウゴ…絶対に食べないで!毒があるナス科の雑草とその見分け方

ワルナスビ、ヒヨドリジョウゴ…絶対に食べないで!毒があるナス科の雑草とその見分け方
最近、書店の本棚を見ると雑草の食べ方を紹介した本を見かけることがあります。きっと、雑草を食べてみたいという人が多いのだと思いますが、雑草の中には毒を持つものがあります。

小さな雑草であっても、最悪の場合、死に至ることもあり、知識の無いままに食べることはとても危険です。特に、ナス科の雑草には毒を持つものが多いことから、今回はナス科に絞って危険な雑草を紹介します。

知識が命を守る!ナス科雑草の危険性を理解する

ナス科というと、野菜のナスを思い浮かべるかもしれませんが、実はナス以外にもよく食べられている野菜があります。もちろん、ナス科の野菜に毒はありません。

ナス科の「野菜」

ナス
トマト

雑草の話の前に、ナス科の野菜を紹介したいと思います。ナスの他に、トマト、ジャガイモ、ピーマン、トウガラシやシシトウがあります。

スーパーなどで販売されているものは、どれも安全ですが、ジャガイモの芽にはソラニンという有毒な物質が含まれているため、ジャガイモの芽が生えている場合は調理の際に必ず取り除いてください。農林水産省のホームページには、じゃがいもによる食中毒の予防方法が詳しく解説されています。

また、じゃがいもだけでなく未熟で青いトマトにはトマチンという毒が含まれているので、食べないようにしてください。

ナス科の雑草とは?基本情報と特徴

ナス科の雑草は特に珍しい訳ではなく、街中の空き地、道路の脇などに生えています。葉や茎を触ると青臭いような独特の臭いがしたり、トゲがある場合もあります。

また、ナスやトマトほど大きくはありませんが、赤や黒い色の実を付けるのでナス科の雑草を探す際の目印となります。

ナス科雑草の一般的な見分け方

ナスの花

残念ながら決定的な見分け方はありませんが、ナスやトマトの葉のかたちや花をよく覚えておくと、ナス科の雑草を探す際に役立ちます。同じナス科の仲間なので、よく似ています。

ナス科雑草に含まれる有毒成分

ナス科の雑草には、ジャガイモの芽と同じソラニンと呼ばれる神経毒が含まれています。摂取すると吐気、おう吐、腹痛、下痢、頭痛を引き起こします。

覚えておこう!毒性のあるナス科の雑草

普段、見ることができるナス科の雑草をいくつか紹介します。

ワルナスビ

ワルナスビ(葉の裏や茎にトゲがあります)
ワルナスビの花
ワルナスビの実

ワルナスビは悪茄子と表記されるように、毒だけでなく茎や葉の裏側にトゲがあります。このため、素手では触らないようにしてください。

ワルナスビは、種子だけでなく地下茎でも増えます。このため、土を耕しても土の中に地下茎が残っているとそこから再生するという厄介な雑草です。明治時代に牧草に混ざって侵入し、今では日本中に分布しています。

道路の脇や空き地など街中でも普通に生えており、6から10月頃にナスの花と似た薄い紫や白色の花を咲かせます。その後、ミニトマトのようなかわいらしい実を付けますが、食べられません。

アメリカイヌホオズキ

アメリカイヌホオズキ

アメリカイヌホオズキは春先に発生し、道端やコンクリートの隙間など街中でもよく見かける雑草です。7から9月頃に開花し、実は熟すと黒くなります。

見た目の似ているイヌホオズキやテリミノイヌホオズキもあるので、正確に見分けるのは大変ですが、全てに毒があります。

また、イヌホオズキの花言葉は「嘘つき」ですが、実を食べられそうで食べられないところから名付けられたのかもしれません。

ヒヨドリジョウゴ

ヒヨドリジョウゴ
ヒヨドリジョウゴの実
ヒヨドリ

ヒヨドリが実を好んで食べることからヒヨドリジョウゴと名付けられたという説がありますが、実際はそれほど食べないようです。

ヒヨドリジョウゴはアサガオのようにつるを伸ばして育つので、よくフェンスや木に絡んでいます。イクラのような実がたくさん付きますが、10から12月になると真っ赤に熟すので遠くからでもよく目立ちます。

クロホオズキ

クロホオズキ

元々は観賞用だったものが雑草化したものなので、野外で見かける機会はあまり多くないかもしれません。7月頃に青紫色の花を咲かせた後に、ホオズキと似た実を付けますが、表面が黒色なのですぐに見分けることができます。

チョウセンアサガオの仲間

キダチチョウセンアサガオ(エンジェルトランペット)
チョウセンアサガオの実

アサガオという名前が付いていますが、ヒルガオ科のアサガオとは別物です。

誤って食べてしまうと意識障害を引き起こす猛毒の雑草ですが、江戸時代の医師・花岡青洲(はなおか・せいしゅう)が乳がん手術を行った際に使用した麻酔にチョウセンアサガオが使われていました。まさに、毒と薬は紙一重で、厚生労働省のホームページでも注意喚起されています。

2006年にはチョウセンアサガオを接ぎ木したナスの実を食べた人が、ふらつきや、ろれつが回らないなどの症状を呈したことがありました。この原因は、チョウセンアサガオの根で合成された有毒成分がナスに移行したためでした。

チョウセンアサガオの仲間には大きな花を咲かせることから園芸品種として栽培されているキダチチョウセンアサガオ(エンジェルトランペット)という植物もありますが、こちらも有毒です。

ナス科雑草の駆除と関わり方

身近に生えているナス科の雑草ですが、実や葉を食べたりしなければ特に大きな問題にはなりません。

効果的な駆除手段とその実践

駆除方法は、他の雑草と同じように、種子を付ける前に刈り取ってしまうことで翌年以降の発生を防ぐことができます。ワルナスビのようにトゲのある雑草が生えている場合は、分厚い手袋を用意してから草刈りしてください。

ナス科雑草の使い道

ナス科の雑草は食べることができませんが、かわいらしい実を付けるので、ドライフラワーにしてみてはどうでしょうか?ちなみに、野菜のトマトも当初は観賞用植物でした。

また、小さな雑草でも、誤って食べてしまうと最悪の場合死に至ることがあるので、名前の分からない雑草は決して食べないようにしてください。

阿部拓也さん

雑草博士

博士(農学)。雑草の活用から管理まで、研究してきました。現在は、「雑草をより面白く!」をテーマに、雑草計画(zaso.jp)というサイトを運営したり、農業の課題をサポートする合同会社マチビト(matibito.com)を立ち上げて活動しています。

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