
キャンピングカーの達人、伴 隆之のニューモデルレビュー
2023年より日本に導入が開始されたキューバーシリーズ

今回紹介する「THE CUEBER アドベンチャー」はドイツのワンオフトレーラーメーカーであるNI-KO GmbH社が製造するキャンピングトレーラーシリーズ。ドイツ南部に拠点を置く同社では、とてもユニークなトレーラーを製造していて、ドイツ国内でも急速に人気が高まっています。
一般的な欧州のキャンピングトレーラーとは異なり、キューバーシリーズはリアゲートが開閉でき、オートバイやバギー、スノーボートやサーフボート、自転車や車イスなどが簡単に出し入れできる設計。アメリカンキャンピングトレーラーでは「トイホーラー」と呼ばれる、これと似たトレーラーのジャンルが存在しますが、欧州では珍しい存在と言えるでしょう。
国内ではトーザイアテオが正規販売店となっており、今回紹介するアドベンチャーのほか、アドベンチャーオフロードの2モデルをラインナップしています。
最新モデルは手にしやすい価格も魅力
まずは外装から見ていきましょう。AL-KO製のシャシーに粉体塗装を施した鋼板のボディを採用し、驚くほど四角いデザイン。日本の環境に合わせた左エントランス仕様で、リアにも上開きのリアゲートを備え、2方向から出入りができようになっています。

車両重量は1099kgなのでけん引免許は必要なのですが、ボディサイズは欧州モデルのなかでもコンパクトかつスクエアなため、サイズも掴みやすくけん引もしやすい印象。また、シャシー許容限度が1500kgもあり、大型オートバイなどの重量物でも積載できるのも魅力となっています(オプションのラダーが必要)。
また、ボディには鋼板を使うことで堅牢な作りになっており、ボディ内側の断熱材も40mm厚のものを採用。スタビライザーや自動調整ブレーキといった安全装備も標準装備されています。
今年のモデルからマイナーチェンジが行われ、ウインドウやエントランスの見直しによりアクリルウインドウが後部と左壁に装着され、エントランスは形状が変更されました。ほかにも車両を押したり引いたりする際に利用するリヤハンドルが大型化され、力が入れやすくなっています。価格も以前は約580万円でしたが、新型では500万円を切る495万円を実現しているのも見逃せないポイントです。
自分好みにカスタムしやすいシンプルなインテリア

左前方にあるエントランスから室内に入ると、外観からの印象そのままに直線的な作りが印象的。前方にはキッチンを中心に奥にはマルチルームを配置。エントランス右手にはカウンターとしても使えるキャビネット、マルチルーム横に収納棚があり、後部がリビングというレイアウト。
前後に移動できるテーブルと両タイヤハウスの上にはソファを装備しており、向き合ってゆったりとくつろぐことができます。また、就寝時は天井部分に電動プルダウン式ベッドが備わっており、スイッチひとつでベッドが降りてくるため、面倒なベッドの展開も不要です。





さらに、左右の壁とフロアにはエアラインレールも標準装備されているので、自転車やバイクなどの固定も楽に行えます。ほかにもガスダンパー付きの上開き式大型リアゲートを開けた開口部には網戸が全面に引き出せるため、開放的な気分も存分に味わえるのもポイント。
装備については取材車のように家庭用エアコンの搭載ができるほか、エクストラベッドやルーフレールなども用意しており、ニーズに応じて快適性や就寝人数などもアップが可能。




カクカクしたエクステリアデザインが個性的でインテリアはとてもシンプルなため、あれこれと自分でカスタムしたくなる作り。旅や仕事、遊びや趣味の基地など、自分なりにカスタムできる要素もたっぷりな自由自在に使える1台。積載性を求めている人にはお薦めのキャンピングトレーラーです。
問)トーザイアテオ