
超簡単!世界のピクニックスイーツに挑戦

スイーツ宴会だ!
清掃団・団長
マシンガンズ・滝沢秀一さん
芸人活動の傍らゴミ収集員としても活動。プロの目でゴミ問題を発信し続け人気に。環境省のSDGs関連の広報大使に就任。著書に『ゴミ清掃員の日常』など多数。

清掃団・ハンドメイド部
こじらせハスキー・橋爪ヨウコ
世界各地をハーレーで旅するお笑い芸人。BE PAL.NETでヒマラヤ・バイク紀行「でけぇ山を走りたい! 38歳女芸人がヒマラヤツーリングに挑戦した理由」を連載。ぐんま特使。
清掃団のピクニック宴会用に11種類制作。「手間いらずであっという間に作れますよ!」(橋爪)。

清掃団・お料理講師
ババリーナ裕子
世界中を旅し本誌で連載。世界の秘境料理や古代焚き火料理を長年研究し、雑誌などで紹介。清掃団のお料理講師も務める。
清掃団の宴会用ピクニックスイーツ作り
ゴミを出さないサステイナブルなアウトドア料理の基本は、①食べ切る分だけ作る、②材料は少なめに、③調理に時間をかけず燃料を節約、④できるだけ簡単に作れるメニュー、の4つ。
とはいえ、それがスイーツ作りとなると、レシピが難しそうだし時間がかかりそう……と、気後れする人も多いのでは?
「問題なし。世界に目を向ければ、超簡単な省エネスイーツがたくさんありますよ」とは、めんどくさいことが大っ嫌いで、世界中の手抜き料理を研究してきた清掃団お料理講師、ババリーナ裕子。
その超手抜きスイーツを伝授されたのは、秘境バイク旅好きお笑い芸人、橋爪ヨウコ。今回作るのは清掃団の宴会用ピクニックスイーツ。湿気った菓子、固くなったパンやコーヒー、賞味期限切れ品を使い、9か国11種類のスイーツを作る。
「5~10分でできちゃう簡単メニューだけど、コレが激ウマ! 食べてびっくりよ~」
最低限、用意するもの

計量カップ、計量スプーン、秤、ホイッパー(泡立て器)。スイーツ作りは甘さの加減がキモ。レシピを参考に好みの甘さに調整しよう。
※材料は2〜3人分の分量です。
【日本】
日本の伝統甘味、麩菓子。きなこを水飴で固めた、げんこつ飴(ハチミツで代用)。豆腐を練り小豆を混ぜた、鹿子豆腐(ココアで代用)のアレンジを紹介。
きなこ飴

材料
きなこ…80g
豆乳…大さじ6
ハチミツ…大さじ2

きなこにハチミツと豆乳を入れて練り、丸くすれば完成。写真上は湿気った煎餅を崩しまぶしたもの。冷やすとほどよい固さになり美味。
麩ドーナツ

材料
車麩…適量
グラニュー糖…適量

麩を油で揚げてグラニュー糖をかけるだけ。麩は製造過程で出る残液がくず餅や線香の原料にもなるエコ食材。
豆腐ケーキ

材料
豆腐…150g
砂糖…30g
ココア…40g

豆腐をホイッパーで攪拌し、ココアと砂糖を混ぜて型(豆腐容器)に入れて、数時間冷やせば固まり完成。
フィリピン
フィリピンの名産、バナナを使ったローカルスイーツ。ひと言でいうならバナナの春巻き。熟して傷みかけのバナナも絶品スイーツに変身。
トゥロン

材料
バナナ…小2本
ミニ春巻きの皮…4枚
シナモンシュガー…適量

バナナを縦に切り、春巻きの皮で巻いて多めの油で炒め揚げる。食べる直前にシナモンシュガーを振りかければでき上がり。

春巻きの皮は適当な大きさに切って巻く。バナナにクリームチーズをのせても旨い。
【台湾】
豆乳を凝固剤で固めた「豆花(トウファ)」は、台湾の国民的スイーツ。ここでは郊外の屋台で売られている豆花を紹介。生姜風味の汁がポイント。
豆花

材料
豆乳…400㎖
砂糖(きび砂糖)…30g
ゼラチン…5g
バニラエッセンス…少々
A
ゆで小豆 …適量
生姜…20g
砂糖(黒糖が向く)…50g(好みで調整)
水…200㎖

豆乳に砂糖とゼラチン、バニラエッセンスを混ぜ数時間冷やし、Aをかける(小豆はトッピング)。余った汁は冷やしてジンジャーエールに。
【ベトナム】
材料にコンデンスミルク、カラメルソースに煮詰めたコーヒーを使うベトナムのプリン。暑い日はクラッシュアイスをトッピングして食べる。
バイン・フラン

材料
バター…少々
卵…2個
砂糖…20g
牛乳…200ml
コンデンスミルク…50g
バニラエッセンス…少々
A
砂糖…適量
水…適量
インスタントコーヒー…適量

材料を混ぜて容器に入れて蒸し(水を入れたフライパンに容器を置いて蓋をする)、煮詰めたAをかける。
【ネパール】
バルフィは牛乳と砂糖を煮詰めた濃縮乳「コア」を固めた激甘スイーツで、ネパールやインド、パキスタンなどで食べられている。甘さを抑えて紹介。
バルフィ

材料
牛乳…150ml
スキムミルク…50g
砂糖…50g
アーモンドプードル(アーモンドパウダー)…20g
カルダモン…小さじ1
カシューナッツなどのナッツ類…適量

鍋に牛乳、スキムミルク、砂糖、アーモンドプードルを入れ弱火で混ぜ煮詰め、固形状になったらクッキングシートに平らにのばし冷やす。

固まったらナッツ類をのせて切り分ければ完成。カルダモンは好みで入れる。
【ブラジル】
ブラジルは世界最大のコンデンスミルク消費国。ほとんどのスイーツにコンデンスミルクが使われている。ブリガデイロもその代表的なお菓子。
ブリガデイロ

材料
コンデンスミルク…130g
ココアパウダー…20g
バター(無塩)…大さじ1
チョコ、クッキー…適量

材料をすべて合わせ(バターは温めて溶かす)、丸く整形。冷やして固め、細かくしたチョコやクッキーをまぶせば完成。
【ロシア】
低温で発酵させるロシア製サワークリーム「スメタナ」を使ったスイーツ。スメタナはボルシチやサラダなどロシア料理に欠かせない食材だ。
スメタンニク


材料
生クリーム…200ml(脂肪分の多いもの)
プレーンヨーグルト(無糖)…大さじ3
クッキー…適量

生クリームにヨーグルトを混ぜ常温で放置。発酵後、冷やし固まったらクッキーを砕いてトッピング。ハチミツなどをかけて食べる。
【フランス】
ラングドシャは出現が17世紀ともいわれているフランスの伝統菓子。誰もが一度は食べたことがあるお菓子の味を調理時間5分で味わえます。
ラングドシャ

材料
無塩バター…30g
グラニュー糖(きび砂糖)…30g
薄力粉…30g
卵白…1個分

材料をすべて混ぜて(バターは常温にもどしておく)、ホイッパーで攪拌。フライパンを中火で熱し、生地を均等に薄くのばして両面焼けば完成。
【イギリス】
英国では、時間がたち固くなったパンを使ったレシピが多数存在。ブレッド&バタープディングもそのひとつ。約300年前の考案レシピだ。
ブレッド&バタープディング

材料
固くなったパン…60g
バター…10g
卵…1個
砂糖…小さじ2
牛乳…1/2カップ

バターを入れたフライパンに固くなったパンを並べて軽く焼く。卵、砂糖、牛乳を混ぜたソースを全体に注いで蓋をして蒸せば完成。ハチミツをかけても旨い!

調理道具には、より短時間で仕上がるスキレットがおススメ。
※構成/松浦裕子 写真/茶山 浩 協力/鶴田佳葉子
(BE-PAL 2025年6月号より)