節約にこだわらず、アルコール量を多めにすれば失敗なし
風の強い屋外では25mlより多めで
「自動炊飯シリンダー」は、同封の説明書によると、20~25mlのアルコールで一合の米を炊ける。たしかにその通りなのだが、気温が低く風の強い屋外だとごはんがまだ硬いことがある(説明書にも「気温や風量などの環境により必要な燃料の量は変わる」とちゃんと書いてある)。こうなると、アルコールを足して再び炊かなくてはならない。
ふと思ったのだが、確実に「自動炊飯」することを優先するなら、思いきってアルコール量を多くすればいいのではないだろうか。また、幸いにして、このシリンダーは弱火→強火→弱火に変化するから、黒焦げにはならないのではないだろうか。
倍の50lだと、ちょっと焦げるけど、おいしいお焦げ
25mlで硬くもなく焦げもしない環境であることを確かめてから、倍の50mlで試してみた(クッカーは丸型のアルミ製)。25mlのときと同じく、最初はシリンダーだけから炎が出て(弱火)、やがてバーナー全体からの炎となり(強火)、最後にシリンダーだけの炎に戻る(弱火)。ただし、強火の時間が倍くらい長く(約15分)、全体の燃焼時間も長い(約35分)。
蓋を開けて米をほぐしてみると、底のほうはやっぱり焦げていた。が、食べられないほどではない。焦げが好きな人にはむしろちょうどよいくらいだろう。気温が低く、風も強い冬は、アルコールの節約を追求せずに量をけちらずに炊いたほうがよさそうだ。
10mlでも6mlでもちょうどよい目玉焼き
炊飯で試したとおり、このシリンダーの利点は、焦げまでの閾値(いきち)が大きい(バッファーが大きい)ことだといえそうだ。さっそく目玉焼きでも試してみた。より閾値が大きくなるように、熱がゆっくり伝わる鋳鉄のスキレットを使用した(木蓋もした)。10mlで試したところ、多少焦げたが、パリパリとした食感が心地よい。やはり、「燃料多めで自動炊飯(焼き)」で失敗がないといえる。
では、燃料を少なくするとどうなるか。最初3mlで試したところ、シリンダー上部の上澄みのアルコールだけが一瞬燃えたものの、炎はすぐ消えてしまった。シリンダーに染み込んだアルコールをちゃんと燃焼させるには、最少5mlくらいは必要のようだ。というわけで6mlで作った。6mlだと炎はアルコールストーブ全体まで広がらず、シリンダーからの細い炎が続く。
「電子レンジに入れっぱなし」な人におすすめ
家で電子レンジに料理を入れっぱなしにしたり、ガスやIHの火をつけっぱなしにしたりすることが多い人は、ぜひこのシリンダーの「自動炊飯(焼き)」の能力の助けを借りてみてはいかがだろうか。
※この商品は[通販サイト]「小学館百貨店」から購入できます。
チタンアルコールストーブ 自動炊飯シリンダーセット/イムコ 5,800円(税込み)