セイコーウォッチを「ツナ缶」と呼ぶ理由
セイコーの一部のモデルは、『ツナ缶』と呼ばれています。「時計なのにツナ缶?」と不思議に思う人もいるでしょう。まずは、ツナ缶と呼ばれるモデルについて解説します。
セイコーダイバーズウォッチの愛称
ツナ缶とは、もちろん料理に使われる缶詰のことではなく、セイコーダイバーズウォッチの一部モデルのことを指します。
この愛称はダイバーを中心に広く浸透しているため、ダイバーズウォッチに詳しい人なら、ツナ缶と聞けばすぐにこのシリーズが頭に浮かぶのではないでしょうか。
約50年前から、海外でツナ缶モデルが注目を浴びるようになりました。現在でも、『TUNA CAN』や『TUNA』の愛称で親しまれています。
その外観から「ツナ缶」と呼ばれる
ツナ缶と呼ばれる理由は、その見た目によるものです。ツナ缶モデルは、時計本体を衝撃から守るための、『外胴プロテクター』に覆われています。
この外胴プロテクターは、円筒をぶつ切りしたような形状をしていて、その姿がどことなくツナ缶に似ているのです。
2017年にはセイコーウォッチ株式会社が、『腹が減っては、ダイブできぬ!』のキャッチコピーのもと、本物のツナの缶詰を搭載したモデルを発表しました。
エイプリルフールのジョークではありますが、もはやツナ缶は公式も認める愛称になったのです。
世界を魅了するセイコー「ツナ缶」の魅力
セイコーのツナ缶は、世界中のダイバーや冒険家から愛されています。注目を集めるその魅力について、詳しく見ていきましょう。
圧倒的な存在感を放つ外胴プロテクター
ツナ缶をひと目見た印象は、「大きい」のひと言に尽きます。強堅な外胴プロテクターによって本体がひと回り大きく見え、まさにベルトの上にツナ缶がドンと乗っているような、強烈な存在感があります。
メンズウォッチのケースサイズは、大きくても約42~45mmです。しかし、ツナ缶のケースサイズは50mm前後あるため、着けているとかなり目立ちます。賛否両論はありますが、ゴツめの時計が好きな人にはたまらないデザインでしょう。
なお、ツナ缶には、ひと回り小さい『ベビーツナ』と呼ばれるモデルもあります。ケースサイズがネックになっている人は、こちらのモデルをチェックするとよいかもしれません。
ダイバーの心を惹きつける開発史
セイコーのダイバーズウォッチの歴史は1965年に始まり、この年に初めての国産ダイバーズウォッチを開発しました。しかし、この製品はダイバーが求める機能に追い付いていなかったのです。
ダイバーから寄せられた一通の手紙をきっかけに、セイコーは本格的なダイビングに耐える防水ダイバーズウォッチの開発に乗り出しました。
満を持して登場したのが、1975年に登場した『深海の黒い顔』を称するツナ缶の初代モデルです。深海での使用に適した設計となっており、ダイバーたちの心をわしづかみにしました。
このモデルには最新の技術が集約されており、セイコーの技術力と革新性を象徴しています。こうした歴史がツナ缶のブランド価値を高め、現在でも多くのファンに支持される要因となっています。
所有欲が満たされる
セイコーのツナ缶は1975年の発売以来、約50年も変わらない人気を誇るロングセラーとして売れ続けています。時計業界における知名度と信頼性は、トップレベルです。
セイコーの名が知れ渡っているのは、業界やダイバーの間だけではありません。国内はもちろん海外にも多くのファンが存在し、ツナ缶を所有していること自体が一種のステータスとなります。
時計を身に付けているだけで、周囲の目を引くでしょう。時計にこだわりがある人にとって、セイコーのダイバーズウォッチを所有することは、大きな満足感をもたらすのです。
過酷な環境に耐えられるスペック
セイコーのツナ缶はその名に恥じない、非常に高い耐久性能を誇っています。時計のコア部分を外胴プロテクターで覆うことで、世界最高峰の耐久性能を実現しているのです。
また、高い防水性能・ダイヤシールド・自動巻き機能など、厳しい海中環境でも確実に機能するためのスペックが充実しています。
深海に潜るダイバーはもちろん、過酷な大自然にチャレンジし続ける人々にとって、頼れるパートナーとなります。ときに命をかけることもある環境で、頼りがいのある時計といえるでしょう。
セイコー「ツナ缶」3種
セイコーのプロスペックスシリーズにおいて、最高峰の性能を持つのが『マリンマスター プロフェッショナル』です。2024年7月現在、公式に掲載されているツナ缶の中から、マリンマスター プロフェッショナルのツナ缶を3種類紹介します。
クールなステンレス製「SBBN049」
SBBN049は、ツナ缶モデルでは珍しいステンレス製ケースを採用した、クールな外観が魅力です。一見してダイバーズウォッチに見えないため、スーツに合わせても違和感がありません。
身に付けたときの重みも、「よい時計を着けている」という実感が湧くでしょう。見かけだけではなく、機能も文句なしのハイエンドモデルの一つです。
電池式のクォーツムーブメントを使用しており、手軽に高精度な時間管理が行えます。約300mの飽和潜水用防水機能も備わっているため、ダイビングを楽しむ人にとって安心です。
SBBN049は、日常生活から本格的なダイビングまで対応できる、汎用性の高い時計といえるでしょう。
- 商品名:セイコー「SBBN049」
- 公式サイト:商品はこちら
初期モデルを思わせる「SBBN047」
SBBN047は、初期のマリンマスターモデルを思わせる、クラシックなデザインが特徴です。チタン製のケースは軽量ながらも堅牢で、針やインデックスには暗闇で発光するルミブライトが塗布されています。
約1,000mの飽和潜水用防水機能を持ち、深海での活動にも対応可能です。プロダイバーの潜水にも、十分に活用できるでしょう。
外胴プロテクターはマット加工が施されているため、どことなく落ち着いた印象があります。チタン製なので、金属アレルギーの人も安心して使用できるのではないでしょうか。
- 商品名:セイコー「SBBN047」
- 公式サイト:商品はこちら
重厚感のあるハイエンドモデル「SBDX038」
SBDX038は、セイコーの雫石高級時計工房で製造された機械式ムーブメント『8L35』を搭載しています。潜水中にも日差+15秒から-10秒の高精度な時間管理ができるので、信頼感抜群です。
パワーリザーブは約50時間となっているため、丸2日は動き続けます。約1,000mの飽和潜水用防水機能を持っており、温度変化による変形の心配もありません。
本格的なダイビングをするのであれば、このモデル並の機能を持つダイバーズウォッチを持っていると安心でしょう。
- 商品名:セイコー「SBDX038」
- 公式サイト:商品はこちら
まとめ
ツナ缶とは、セイコーのダイバーズウォッチのうち、筒状の外胴プロテクターに保護された一部のモデルに付けられた愛称です。外胴プロテクターが印象的な円筒形をしており、見た目がツナ缶のように見えることから名付けられました。
存在感のある独特なデザインだけではなく、深海や高山などの厳しい環境に耐えられる機能性から、世界中のダイバーや冒険家に愛されています。
現在も続々と新モデルが開発されており、ツナ缶のブランド価値は今後も高まり続けるでしょう。