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キャンプ場を見回すと、どのサイトにも赤や白などカラフルな箱が鎮座しています。そう、クーラーボックス。今回はお櫃(ひつ)のようなナチュラルで上品な「木箱クーラーボックス」の作り方を紹介します。こんなウッディな木箱クーラーがあれば、お隣さんとはひと味違うかっこいいキャンプスタイルに。ちょっとしたキャンプテーブルにもなり、家で家具のように使ってもしっくりきますよ!
木箱クーラーボックス作りの道具

切り出しのこぎり、塗料、クルミ油(箱内の材に塗る)、カッター、家具用のゴム系速乾接着剤、竹串、仮止め用くぎ、ラジオペンチ、金槌、精密木工用のこ、サンドペーパー(3種)、電動ドリル、金属パーツと留めネジ(ウォールフック2つ、鎖、取り付け台座用木片、補強用三方金具4つ、取っ手&蝶番各2つ)。
木箱クーラーボックスの材料

【左】発泡スチロールボックス(クーラーボックスとして売られていたもの。¥3,000前後)幅647×奥行き472×高さ431㎜。【右】1820×500㎜のキリの集成材3枚。厚みは13㎜。
くぎ使いで細部までこだわる

上段右から、断面が四角い角くぎ。ヨーロッパのアンティークくぎだが、日本在来のくぎももとはすべて角だった。カラーくぎ、一般的な鉄丸くぎ、緑色のプラスチック部分が頭代わりになり抜きやすい仮留め用くぎ。下段右から、角くぎ、真鍮丸くぎ&銅丸くぎ、どちらも飾りくぎと呼ばれ、打つ素材と合わせて装飾用に使われる。竹くぎは竹串を使って自作。
木箱クーラーボックスの作り方
木材を切り出す

外部の展開図

そのほかの部材の組み立て前。キリの板は中に入れる発泡スチロールの寸法に合わせてカットする。ただし、それぞれの板を張り合わせる部分の厚みを考慮しないと、内箱が収まらなくなってしまうので注意。
発泡スチロール箱を成型する

発泡スチロールの箱は、収まりをよくするために、余分な出っ張りや角を落として、全体の凹凸をなくしておく。
木材を組み立てる

木材を組み立てるときは、まず接着剤を塗って固定する。水や衝撃に強いゴム系の速乾性接着剤を使うこと。

接着剤が固まるまで、仮留め用のくぎを打って固定。なるべく狭い間隔(今回は5㎝間隔)で打つといい。

竹くぎを作る。竹串を3等分し、尖っている先端部と同様、3等分したうちの2本も先を削って尖らせる。

接着剤が半乾きになったら、仮留めくぎを抜き、その部分にガイド穴(竹串より若干細く)をあける。

竹串を金槌で打つ。強すぎると折れたり潰れたりするので慎重に。入るところまで打ち込むこと。

飛び出した部分はのこぎりで切り落とす。そのあと、粗めのサンドペーパーから順にかけて(箱全体も)磨く。
塗る

塗装する。防腐、防水効果のある塗料がおすすめ。塗って乾かしてを繰り返し、3度ほど重ね塗りするといい。
金具をつける

運搬などのさいにぶつけやすい角は、三方金具で補強する。黒塗装された鉄製のものを使用。さびたら交換も可。

箱の内側には開放時のストッパーとして、ウォールフックと鎖を設置。木片を添え木にし、長ねじで外箱に固定。

蓋と本体は蝶番と木ネジで連結し、両サイドには持ち手を取り付ける。三方金具と合わせて黒塗りタイプに。
保冷剤置き場を作る

蓋の内側の縦幅に合わせて切り出した材をはめ込み、両サイドから竹くぎで打ち付けて固定する。

ここが保冷剤の定位置。冷たい空気は上から下に流れていくので、上部に設置すると効率よく冷やせる。
仕切りを付ける

内側はT字の仕切り板を作り、竹くぎで固定。上側には取り外し可能な自作トレーをセットできるように。
完成!

ジュース類、野菜類、肉類は分別収納。におい移りが防げる。取り出しやすい上段には子ども用のデザートなどを。
教えてくれた人
ネイチャークラフト作家
長野修平さん
自然木や流木などを使った物作りを得意とするネイチャークラフト作家クーラーボックスは以前から作りたかった物のひとつ。料理人としてイベントに出ることも多いので、食材がたっぷり入る大容量タイプを製作。