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幅広く展開する世界的ブランド「コールマン」
1899年、創設者のウィリアム・コフィン・コールマンは、偶然通りかかったある店の窓に光り輝くランプを発見する。そのランプは、圧力をかけたガソリンがマントルという発光体に送り込まれて白い光を放っていた。当時主流だった、灯芯に燃料を染み込ませるランプとは比べものにならない明るさのランプにすっかり魅了された彼は、「機能しなければ代金不要」という貸しランプ業を始めた。
そして1901年、地元ウイチタに本拠を構え会社としてスタートし、米国随一の古豪アウトドアブランドが誕生した。やがてランタンの加圧構造を応用したストーブのほか、ツーバーナーやクーラーボックスなどキャンプギアメーカーとしての地位を確立。現在は、ファミリーからソロ用までラインアップしているテントやシェード、バッグ&パック、アパレル製品まで展開する世界的総合ブランドに成長している。
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アルトラ、バイオライト、コトパクシ…アウトドア大国・北米の14ブランドを一気に紹介!【A~C編】
インフレーターマットの特徴と選び方
インフレーターマットは、中にウレタンなどの芯材のある、寝袋と組み合わせて布団代わりに使うマットのこと。インフレータブルマットとも呼ばれ、快適な寝心地とコンパクトな収納を両立することができる。
収納時は、ウレタンの空気を押し出してコンパクトに圧縮。使用時には、ウレタンが元の形に戻る性能を利用して、自動(または簡易な手動)で空気を吸い込ませて膨張させる構造となっている。クッション性の高さと収納時の軽量さ・コンパクトさを兼ね備えており、1枚あるとアウトドアはもちろん、車中泊や災害時、来客用などにも使える優れものだ。
インフレーターマットの便利なポイント
寝心地がいい
インフレーターマットは、空気だけのふわふわした寝心地ではなく、安定感のある自宅のマットレスのような寝心地が得られるのが特徴だ。一度体感したら、「これじゃないと」と感じる人も多いはず。厚みは製品によってさまざまなので、自分好みの寝心地の1枚を選ぼう。
底冷えしない
アウトドアでの睡眠の質を下げる原因の一つが、地面からの底冷え。その点、インフレーターマットは断熱性が高く、地面からの冷気を感じさせないので底冷えしない。特に晩秋~春先の寒い時期のキャンプでは頼りになる1枚だ。
設営がラク
芯材であるウレタンに空気を吸い込ませて膨らませるインフレーターマットは、エアーマットのように空気を入れるだけのものよりも設営が簡単で、時間もかからない。バルブを外すだけで膨らむ自動膨張タイプなら、テントに敷いて放っておくだけだ。
比較的コンパクトに収納できる
インフレーターマットは、通常の折りたたみタイプのマットに比べてコンパクトに収納可能。登山やバイクツーリング、公共交通機関でキャンプに出かける場合など、できるだけ荷物を減らす必要がある場面で重宝する。ただし撤収には設営よりコツがいるので、事前に説明書などをチェックして、時間があれば練習しておくと安心。
インフレーターマットの選び方
サイズ
インフレーターマットには、1人用のシングルサイズと、家族やカップルで使えるダブルサイズがある。横幅はシングルサイズが60cm前後、ダブルサイズが120~130cm前後。より幅の広いワイドタイプもある。ファミリーなら幅広のダブルサイズか、家族の人数分のシングルサイズを連結して使ってもいいだろう。子連れキャンプなら、大きめのマットをテント内に敷き詰めれば自由に動き回ることもできる。
素材
エアーマットと同じく、インフレーターマットの弱点といえるのが穴。穴が開くと空気が漏れてまともに使えなくなってしまうため、耐久性が高い素材を選ぶ必要がある。素材によって重さも変わってくるのでチェックしよう。
また、スエードなど肌ざわりのいい生地を選ぶと、シーツを使わなくても心地よく眠れる。ただし、汚れたときのメンテナンスの手間を考えると、シーツを使ったほうが安心できるかもしれない。寝苦しさの気になる夏には、専用の冷感シーツもおすすめ。
厚さ
インフレーターマットの厚みは2~10cm程度までさまざま。厚みがあると地面の凹凸を感じにくいメリットがあるが、厚すぎると寝心地に安定感がないと感じる人もいる。車中泊用は、10cm程度の厚手のものが多い。
厚みがあると、収納サイズも大きくなりがち。ツーリングキャンプなど荷物を少なくしたい場合は薄めのものを選ぶなど、使用シーンに合わせて、厚さと収納サイズのバランスがいいものを選ぼう。
▼参考記事
インフレーターマット(インフレータブルマット)のおすすめと選び方
インフレータブルの定番「キャンパーインフレーターマット」
Coleman(コールマン)
キャンパーインフレーターマット/シングルⅢ
テント泊はもちろん、コテージ泊での敷布団代わりとしても重宝するキャンパーインフレーターマット。大きいため登山やバックパック旅には不向きだが、オートキャンプにはぴったり。手に入りやすい値段も大きな魅力。2枚を連結することもでき、2枚ひと組のセット商品もある。
ファミリーキャンプの定番!キャンパーインフレーターマット
インフレーターマットはアウトドアメーカー各社から発売されており、山でも使えるコンパクトなサイズから、オートキャンプ向けの大きくふかふかなモデルまでさまざま。ファミリーキャンプでクルマのラゲッジスペースに余裕があるならば、持ち運びのしやすさはそこそこに、快眠できるようなしっかりしたタイプがおすすめ。
コールマンのキャンパーインフレーターマットは、大きさ、厚さともにちょうどよいスリーピングマット。地面からの冷えを抑えつつ、適度な弾力性を持つ。2枚を連結することもできて、大人ふたりで使ってもズレずに安心だ。
使用時のサイズは約196×63×高さ4cm。収納時は直径約12cmほどに収まる。(※写真は第2世代のもので、現行品は赤色の第3世代。厚さも1cmアップしいる)
表面がダイヤモンド状の凹凸になっており、肌にまとわりつくことはない。
テント泊はもちろん、コテージ泊での敷布団代わりとしても重宝するキャンパーインフレーターマット。快眠のコツは空気をできるだけ入れること。適度なテンションができて、寝心地の良さが向上する。
▼参考記事
編集部員の愛用品!ファミキャンに最適な「キャンパーインフレーターマット」
コールマン史上もっとも厚みのある「キャンパーインフレーターマットハイピーク」
Coleman(コールマン)
キャンパーインフレーターマットハイピーク/シングル
上質な寝心地で快眠をサポートする自動膨張式マットレス。コールマン史上もっとも肉厚な10cmの厚みがある。付属の収納袋はポンプサックも兼ねており、底面の注入口を本体に接続して空気を入れることが可能。キャンプでも車中泊でも快適に過ごせる。ダブルサイズもラインナップ。
●サイズ:約198×68×H10cm
●収納時サイズ:直径約21×72cm
●重量:約2.7kg
●材質:ポリエステル、ポリウレタンフォーム
ウレタンフォームを内蔵したインフレータブルマット。最大約10cmのしっかりとした厚みで、アウトドアでも快適な寝心地だ。本体のバルブを全開にすると自動的に膨らむ仕組み。収納ケースをバルブにつなぐとポンプとして使え、外部から空気を送って膨らませることも可能。
逆止弁付きでセット&撤収も楽ちん。収納時には、付属のケースでコンパクトにまとめられる。
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Coleman (コールマン) / キャンパーインフレーターマットハイピーク/シングル
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【速報】コールマンの2020年新作は「テントの拡張性」に注目
ちょうどいいふかふか感!独自のキルティング素材「コンパクトインフレーターマット」
Coleman(コールマン)
コンパクトインフレーターマット/S
独自のキルティング構造を採用したエアタイプのマット。横幅74cmと通常のものと比べて約40%アップし、寝返りが打ちやすいように設計されている。厚みは約6cmでちょうどいいふかふか感だ。
●サイズ:約186×74×H6cm
●収納時サイズ:直径約11×26cm
●重量:約725g
●材質:75Dポリエステル(TPUコーティング)
バルブは二層式を採用。フタを開けると空気を入れることができ、ポンプを外しても中の空気が逃げることはない。収納ケースがポンプになっているので、すぐに膨らませられる。さらに封入口を開けると空気が抜ける仕組みで、瞬間に抜けるので撤収は楽チン。収納時のサイズは約11×26cm、重量は約725gと、軽量でコンパクトなのもポイントだ。
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Coleman (コールマン) / コンパクトインフレーターマット/S
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【コールマン2022年春夏】初心者でもソロキャンがもっと楽しめる「セット商品」に注目
車中泊でも使える!「キャンパーインフレーターマット/Wセットll」をキャンピングカーでレビュー
Coleman(コールマン)
キャンパーインフレーターマット/WセットⅡ
●サイズ:約63×195×5(h)cm/1枚
●重量:3.5kg
●材質:ポリエステル、ポリウレタンフォーム
グルメ、トラベル、車中泊、クルーズなどの記事を執筆しているフリーライターです。バンコンタイプのキャンピングカーで全国を巡っています。太陽も昆虫も苦手なインドア派ですが、車中泊×観光の組み合わせに無限の可能性を体感中。車を拠点にした遊びの話題をお届けします。
コンパクトに持ち運びでき、使用時には空気が入って膨らむインフレーターマット(インフレータブルマット)。就寝時の地面の凹凸を吸収し、底冷えを防いでくれるテントキャンプ定番アイテムだが、私はキャンピングカーの車内で使っている。
私が愛用しているのはコールマンの「キャンパーインフレーターマット/WセットⅡ」。広げたときのサイズは幅63cm×長さ195cm×厚さ5cm、2枚組の定番商品だ。
購入時は空気が完全に抜かれてロール状に収納されているが、その状態でも直径20cm、長さ70cmと結構な大きさがある。意外にかさばるため、もとからオートキャンプ前提と言えるだろう。
バルブを開けると自動で空気が入るセルフインフレーター式。
初回はだいぶ時間がかかったが、一度満タンにすると以降はスムーズに空気が入るようになった。膨らみが足りない場合は、収納バッグをポンプのように使うこともできる。
空気を最大まで入れるとかなりの弾力が生まれ、フカフカの寝心地。体重にもよるだろうが、女性の私の場合は身体が床につく感覚はまったくない。
使用後には丸めながら押しつぶし、収納バックに収める。キャンピングカーでは一度広げるとそのままのことが多いが、展開・収納を繰り返すのが一般的な使い方と言える。
複数枚をスナップで連結可能。1枚ならソロ用として、2枚ならファミリー用としてアレンジできる。この柔軟な仕様がキャンピングカーには欠かせない。
キャンピングカーでの活用例
バンコン(バンの内部を改造したキャンピングカー)のフロアベッドの場合、走行時はシートとして使う部分を展開してベッドにする。運転席や助手席が顕著だが、「座り心地」を追求したシートほど身体に合わせたカーブが多くなるため、リクライニングしても完全には平坦にならず、ベッドとしては使いにくい。
もとから就寝を前提に作られたキャンピングカーでも、シート同士の接合部や可動部など、多少の凹凸ができることが一般的だ。また、多くの場合、キャンピングカーのベッドは完全な長方形ではない。枕元と足元で幅が違ったり、ホイールハウスが室内に干渉しているなどいろいろな形があるはず。そこでインフレーターマットの登場だ。
2枚のマットをずらして配置できることや、少し空気を抜いて変形部分にフィットさせられることがとても大事なのだ。
同製品は長さ195cmもあり、私のクルマのベッドより大きいが、空気量を調整することで多少の凹凸は吸収してくれる。(メーカー推奨の使い方ではないため、折り曲げた部分の耐久性などに注意)
素材はツルツルのポリエステル。そのままでは滑りやすいため、滑り止めを挟むか、寝具で包み込んで固定してしまうのがおすすめ。
車中泊に最適な厚み
インフレーターマットは、厚みのある大型製品ほど快適性が増すのは明らか。クルマで使う前提なら収納時のサイズや携帯性もさほど気にしなくていいだろう。
ところが、バンコンの場合は事情が少々異なる。設計時には数センチ単位で室内高の確保に苦心するくらいなので、マットの厚みで天井が近くなっては本末転倒。とくに「室内で座って過ごす」ことの多いキャンピングカーでは、厚みは5cmが限界だろうと判断している。
いわゆる「車中泊仕様車」のように、横になったらその体勢から動かないクルマの場合は、もう少し厚いものでもいいかもしれない。
快適性は抜群。短所も要チェック
インフレーターマットは芯材のぶん収納時も一定のかさがあり、また展開・収納の手間もあるが、快適性は抜群。おかげで自宅のベッドに近い使用感になった。1か月ほどの長期旅でもホテルなどでリフレッシュする必要はなく、身体が痛くなることもなかった。
短所といえば、空気が徐々に抜けていくので定期的に補充が必要なこと。素材由来の「ガサガサ音」があること。また、空気をパンパンに入れた状態だと、かなりの「張り」があるため、普通車で使う場合は狭い車内にフィットさせるのがなかなか大変なことくらいだろうか。
インフレーターマットは、ある程度広いところで展開したり、空気を抜いて収納したり、ということができる場合におすすめ。私は臨時の寝場所を作りたいときなど、自宅で使ったりもしている。