1月20日夕方から月とすばる(プレアデス星団)が大接近!今年は「すばる食」も見られるぞ | 自然観察・昆虫 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル
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    2024.01.19

    1月20日夕方から月とすばる(プレアデス星団)が大接近!今年は「すばる食」も見られるぞ

    月とすばる、どこまで近づく? どこまで見える?

     120日から21日未明にかけて、月とすばるが大接近します。

    下の画像は210時ごろの空です。月齢9なので、かなり明るく、すばるがどこまで肉眼で見えるのかわかりません。町中であれば、肉眼で見るのはむずかしいかもしれません。ぜひ双眼鏡で見てほしい現象です。一般的な性能の双眼鏡であれば、視野にすっぽり収まるはずです。

    1月21日0時のおうし座周辺と月とすばる。(画像:ステラナビゲータ/アストロアーツ)

    双眼鏡の視野にすっぽり入る月とすばるをキャッチしよう!(画像:ステラナビゲータ/アストロアーツ)

    21日の1時ごろが最接近ですが、すでに西側に傾き始めているので、西の方角が開けた場所で観察しましょう。

    なお、接近は20日の日が沈んだ頃から楽しめます。東京では17時頃に日が沈みますが、この時間すでにすばると月は南の空に架かっています。この時間帯の月とすばるも観察してみるとおもしろいでしょう。この後、月とすばるは徐々に距離を詰めていき、数時間後の210時になると、上の画像のような距離になります。わずか数時間でも、月とすばるの距離が変わって見えることで、月の動きの速さを実感できると思います。

    すばるは月の天の通り道、白道の近くに位置しているので、毎月、月が近くを通り過ぎていきます。しかしここまで接近することは珍しく、さらに今年は、1214日に月がすばるを隠す「すばる食」が起こります。今回の20日〜21日は食にはなりませんが、最接近のころには月の輝きがすばるを多い隠す勢いです。月の位置に注目してみると、すばる観察がさらに楽しくなるでしょう。

     オリオンに追いかけられた7人姉妹のプレアデス星団

    日本では「すばる」の名が有名ですが、一般的には「プレアデス星団」と呼ばれます。裸眼で星がいくつ見分けられるか、視力を測るにはもってこいの星団です。ある程度暗い場所であれば、目のいい人なら6つ、7つと見分けられるでしょう。住宅街でも、街明かりを避ければ、星の塊がなんとなく見えると思います。

    プレアデス星団は、父アトラスと母プレイオネと7人の娘たちによるアトラス一家でもある。(画像:ステラナビゲータ/アストロアーツ)

    このプレアデス星団、ギリシア神話の逸話によると、アトラスという神様とその7人の娘たちです。「アトラス」の名は、背中に天球を背負った人の姿で知られているかと思います。

    ちなみにアトラスはギリシア神話ではゼウスとの闘いに敗れ、天空を背負うように命じられた苦役を耐えしのぶ神様です。

    プレアデス星団の明るい星には名前がついています。その中の、マイア、タイゲタ、アステローペ、メローペ、ケライノー、アルキオーネ、エレクトラが7人の娘たちです。

    ただ、実際に明るく見える6〜7つの星には父たるアトラスと、その妻の名のプレイオネという星が入っています。つまりアトラス一家の星団なのです。

    そして、オリオン座にも注目しましょう。ギリシア神話では、狩人のオリオンが7人のプレアデス姉妹を追いかけ回したというエピソードもあります。オリオンがあまりに娘たちを追い回すので、逃げ切れなくなった娘たちが天に逃げたというエピソードです。

    そうして見ると、たしかにオリオンの差し出す左腕がプレアデス星団のほうを指しているようにも見えます。オリオンはギリシア神話においても有名人で、その死に至るエピソードはいくつかありますが、天に上げられてもプレアデスの娘たちを追っていると見えなくもありません。

    このように注目度の高いプレアデス星団は冬になると真っ先に昇ってくる天体です。プレアデス星団が東に昇ってくると冬の到来を感じます。その分、西に傾き時期も早く、1月21日の深夜には西側に傾いています。春の訪れを感じる月とプレアデス星団の大接近です。

    構成/佐藤恵菜

    私がガイドしました!
    星空案内人
    廣瀬匠
    星空案内人 天文系ライター。株式会社アストロアーツで天文ニュースの編集などに携わる。天文学の歴史も研究していて、パリ第7大学で古代インドの天文学を 扱った論文で博士号を取得。星のソムリエ®の資格を持つ案内人でもある。アストロアーツより、2024年の天文現象の見どころと楽しみ方をまとめた『アストロガイド 星空年鑑2024』が発売中。

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