
左から「剣型」「角型」「出刃型」。柄の輪によって工具のように吊るして保管することができる。
忍者の“アレ”がナイフになった「クナイフ」
アニメや漫画に出てくる忍者を見ていると、たいてい柄に丸い輪のついた線対称の刃物を持っている。いわゆる「苦無(くない)」である。この苦無をヒントにして、3本のミニナイフを作った。形は、「剣型」「角型」「出刃型」の3つだ。

丸い輪は単なる飾りではなく、小指や薬指を通すと力をこめやすい。
剣型
「剣型」は先端が細いので、切り込みを入れるのに向いている。カッターナイフやペーパーナイフがわりに、段ボールや手紙の開封に使いやすい。

紙がスッと切れる。
角型
「角型」は、刃幅が広いので、小さな菜切り包丁として、野菜の押し切りに向いている。

アウトドアでの簡単な調理に。
出刃型
「出刃型」は、角度の違う2つの刃が付いているので、1本でさまざまな作業ができる。根元側は広い面を削ることができる。
また、「出刃型」の先端は、繊細な作業に向いている。3本とも全長約16cmと小さいので、手の小さな子どもでも扱える。

木を削るのに最適。

鉛筆削りにも。
クナイフでアジの刺身を作ってみた
江戸時代の忍術書『万川集海』では、苦無は「登器」の欄に掲載され、用途として「投げたり、打ったり、掘ったり、岩間に打込んで支えにして登ったり」と記されている(『完本 万川集海』国書刊行会)。
また、「必要以上の(忍器の)携行は無駄である。忍びの功者は一つの忍器を多目的に使いこなすものである」と書かれている。「功者」をめざして、試しにアジをさばいてみた。

ゼイゴをとるには、刃先のカーブした「剣型」が使いやすい。

腹を裂くには、先端が尖っていて、なおかつ刃の全長が長い「出刃型」が向いている。

頭を落とすには、上から峰を押して力を込めやすい「角型」がよい。

身と骨を切り分けるのは、刃がまっすぐな「角形」がやりやすい。

皮をそぐときも、刃がまっすぐな「角型」が使える。

身を細く切っていくときは、刃が細くて柳刃包丁に似た「剣型」が向いている。

3本を使って刺身を作ることができた。
薄型のケース付きでどこにでもしまえる
ちなみに、クナイフには専用のケースが付属している。
ケースもごく薄いものにしたことで、持ち運びしやすい。アウトドア用のバッグはもちろん、キッチンやデスクの引き出しに、そっと忍ばせよう。

ケースの素材は、水濡れに強い人工皮革。
※この商品は[通販サイト]「小学館百貨店」から購入できます。
クナイフ/BE-PAL OUTDOOR PRODUCTS 各3,960円(税込み)
https://www.pal-shop.jp/item/A55310002.html