1400km移動でメキシコのカボ・サンルーカスへ!2つの素敵な出会いがあったヨット旅 | 海外の旅 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル
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    2023.06.01

    1400km移動でメキシコのカボ・サンルーカスへ!2つの素敵な出会いがあったヨット旅

    みなさん、こんにちは。セーリングヨットSANTANAで世界一周に挑戦中、前田家の麻裕です。

    ハリケーンから逃げろ!目的地は1400km先のカボ・サンルーカス

    セドロス島に後ろ髪を引かれつつも、メキシコ太平洋沿岸には本格的なハリケーンシーズンが近づいてきており、のんびりとはしていられない状況に。安全な場所を求めて、バハ・カリフォルニア半島を南へ進みます。

    旅を始める以前は、好きなときに好きなところで漂っていられるなんてヨットは気楽でいいな~と思っていたものですが、それはどうやら大きな間違いで、クルージングの大原則は「安全な時期に安全な場所で」というもの。

    メキシコやカリブ海では、ハリケーンが頻発する6月から11月のクルージングは基本的にオフシーズンとなります。

    逆にオンシーズンは北米の冬と重なります。そのため、冬場を暖かいメキシコでクルージングしながら過ごす目的で、多くのクルーザーが北米から押し寄せてくるのです。

    陸からも大挙してやってくるこのような人々は、暖かい地域で越冬する渡り鳥に例えられ、スノーバードと呼ばれているらしいのですが、何とも優雅な二拠点生活。羨ましい限りです。

    メキシコはアメリカと比べるとまだまだ物価がかなり安いので、生活費を抑えながらバカンスを楽しめる、最適かつ合理的な冬の過ごし方と言えるかもしれません。

    とは言え、私達のようなフルタイムクルーザーには、オンオフは存在しないため、ハリケーンが近づいてきた場合には、マリーナかハリケーンホールと呼ばれる安全な場所に停泊している必要があります。

    エンセナダを後にし、バハ・カリフォルニア半島の先端に位置するカボ・サンルーカスへ。1400kmの道のりの間には、陸の孤島とでも言えるような非常にリモートな場所に点在する街があるのみで、主要な街はありません。

    そんな中、クルーザーの間で有名な場所が2つあります。

    1つは、タートルベイ、もう1つはマグダレナベイ、通称マグ・ベイです。

    この2つは、天然の良港で、クルーザーにとって安全に船を停泊できる場所として知られています。

    タートルベイでの衝撃的な出会い

    すでにハリケーンシーズンに足を突っ込んでいるこの時期、大半のボートはアメリカ・カナダへ向けて北を目指す中、ハリケーン頻発地帯へと南下していく無謀なボートは私たちだけかと心細く思っていたのですが……。

    カナダ人セーラーとの出会いが刺激的すぎた

    先に立ち寄ったタートルベイで、この後しばらくクルージング生活を共にすることとなる、カナダ人セーラーのSさんに出会いました。

    Sさんの愛艇、台湾製の木製ボート。

    このSさん、私達の想像の遥か斜め上を行く、とんでもセーラーということが、徐々に明らかになっていきました。

    まずは、Sさんは一人で旅をしているシングルハンドセーラーなのですが、ボートのサイズは驚きの16m以上、おそらく数十人は乗れるであろう超デラックス級で、デッキの上は子ども達が徒競走できそうなほど広い。

    一人でその大きさはどう考えても必要ない気もしますが……、男のロマンにリミットはないということでしょうか。

    ぶっ壊れたヨットで突き進むSさん

    さらに、Sさんの船は2本マストのスクーナーというタイプなのですが、よく見たらメインのマストがないではありませんか!これは本当に仰天でした。

    車で言うと、タイヤが2本外れているくらいの深刻な事態(走行不可)ですが、このコンディションですでに私たちよりも長い距離を進んできていて、これから修理のためにさらに500km以上の距離を進む予定とのことで、これは無謀!?勇敢!?とんでもないチャレンジであることは間違いありません。

    私達のボートも大小の故障は常にありますが、Sさんに出会ってからは、どれもかすり傷レベルで大した問題ではない気がしてきました(笑)。

    Sさんおすすめのレストラン、名付けてアンテナカフェ。

    Sさんおすすめのレストランで食事をしたのですが、巨大なアンテナの下という印象的なロケーション、さらにカフェのママは昼間からド派手メイクのドラァグクイーン。

    Sさん(本業は歌手、元ボディビルダー)の太平洋横断チャレンジの話など、いろんな意味でインパクトがありすぎて、食事の味はよく覚えていません。

    逆光で怖くなってしまいましたが、優しくて面倒見の良いマダム。

    激しく壊れた瓦礫の中で一際大きく書かれた、謎の落書き「花子」。

    続いてはマグ・ベイへ!

    タートルベイで食料補給をして、いざマグ・ベイへ。

    マグ・ベイは、全長50kmにも及ぶ巨大な湾。その中にある小さな漁村、プエルト・マグダレナに停泊しました。

    山々の麓にひっそりと佇む、長閑で美しい漁村。

    村が一望できる、丘からの眺めは絶景と呼べるのでは。

    ホエールウォッチングの名所

    マグ・ベイは、冬季にコククジラが出産のために回遊してくるため、ホエールウォッチングの名所となっています。残念ながら私達が訪れた際はシーズンではありませんでした。観光の際は、クジラの親子と触れ合える冬場が断然おすすめです。

    無造作にビーチに置かれた巨大なクジラの骨。本物がぜひ見てみたいものです。

    村の電気を賄う大型の発電機。水だけでなく、電気も貴重品。

    お世話になった村で唯一の商店。お隣の街、サンカルロスから船で定期的に生鮮品が届けられる。リトル・マーメイドTシャツがキュートな店番のお姉さん。

    水の貴重さを実感する旅

    運悪くこのタイミングでウォーターメーカーが故障していたので、村の人から水を分けてもらいました。

    この水は軍の船が定期的に村に届けているもの。こちらも超貴重品と言えます。

    蛇口をひねれば水が出てくる、というのはインフラが整備された限られた地域の話。

    世界的に見ると、生活に十分な水を確保することは多くの人にとって(もちろんヨットで生活する私達にとっても)未だに大きな課題であることを肌で感じる、バハ・カリフォルニア半島の旅です。

    小型の低気圧でしばらく足止め

    平和なマグ・ベイで時間の感覚を忘れてのんびりとしかけていたところ、小型の低気圧に捕まってしまいました。

    幸い直撃は免れたため、投錨地でも問題なく過ごせましたが、海が穏やかになるまでしばらく足止めとなってしまいました。

    しかし、プエルト・マグダレナは小さな村ながら、ハイキングコースあり、散策が楽しいマングローブありと、水の心配を除いては、私たちにとってパラダイスのような場所でした。あっという間に時間は過ぎ去ってしまいました。

    大都会からやってきたモニカちゃんとの出会い

    この村では、モニカちゃんという女の子との出会いがありました。彼女は、メキシコシティ近郊から、お父さんの建築関係の仕事を手伝って村に滞在中なのだそう。

    親切にしてくれたモニカちゃんとその家族。うちの子どもたちは中々まともな写真を撮らせてくれない……。

    大都会からやってきて不便もあるのでは?と思いましたが、村での暮らしをとても気に入っているそう。何より、安全面の心配が全くないことが一番なのだとか。

    メキシコと聞くと、麻薬を巡るギャング闘争の話など、「ああ、あの危険な国?」と想像する方もいるかもしれません。正直なところ、実は私もこの旅でメキシコを訪れるまでは、少なからず怖いイメージを抱いていました。

    しかし、私たちが実際に触れたメキシコの印象は全く違うもので、比較的大きな街を除いては治安の心配を感じることは全くありませんでした。

    ただ、メキシコシティなどの大都市では、日本では考えられないほど治安が悪い地域があることも事実。モニカちゃんファミリーが元々暮らしていた場所は、治安が最悪というような場所ではないそうですが、それでも大都会の一部です。

    犯罪に遭うかもしれない、と常に注意しながら生活することによるストレスは、想像に難くありません。この村でのストレスフリーな生活は、家族に心の安らぎを与えてくれているようでした。

    素敵な家族との出会いもあり、マグ・ベイに親しみが湧いてきたところでしたが、いよいよ出発のとき。仲良くなったらすぐにお別れがくるのは、旅の辛いところです。

    約300kmの道のり!いよいよカボ・サンルーカスへ

    さて、マグ・ベイからカボ・サンルーカスまでは約300km。途中安全に停泊できる場所がないため、一息で南下する必要があります。

    心配していた天候は穏やかすぎるほどで、約2日という一番の長旅ではありましたが、特にイベントもなく目的地に到着しました。

    海の上に数日間漂っているなんて、以前の私にとっては考えられないことでしたが、「案ずるよりも産むが易し」は、この旅を通して常に感じることです。

    カボ・サンルーカス名物の波に削り取られたアーチ型の寄岩、その隣には、白い砂浜が美しく、ネーミングがロマンチックなラバーズ・ビーチ。

    まるでタイムスリップした気分になった300kmの旅

    カボ・サンルーカスは、お隣の街サンホセデルカボと合わせてバハ・カリフォルニア半島最南端に位置する一大高級リゾート地となっており、有名ブランドショップやハードロックカフェが立ち並ぶ港周辺は、まるでアメリカに逆戻りしたかのような賑やかさ。

    数日前まで昭和の面影を残す漁村で過ごしていた私達は、まるでタイムスリップしたような錯覚に陥りました。

    スポーツフィッシングの聖地としての顔

    また、カボ・サンルーカスには、もう一つの顔が。太平洋とコルテス海が交わる豊かな周辺海域に集まる大型の魚を狙った、スポーツフィッシングの聖地として知られています。

    特にカジキ釣りが有名で、ザ・マーリン・キャピタルの異名を持つほど。マカジキ、クロカジキ、シロカジキ、バショウカジキなどカジキオールスターに加え、シイラ、マグロなどモンスター級の大物を求めて、世界中から釣り師が集まります。

    ボートで移動している身としては、こんな巨大魚が高速で移動している上を航行していると思うとちょっと怖いのですが(笑)。

    マグ・ベイと比べると、もはや別世界。ホテルが立ち並ぶカボ・サンルーカスのビーチフロント。

    別次元の大きさ。超大型観光用カタマランヨット。

    数十年で様変わりしたカボ・サンルーカス

    セーラー向けのガイドブックに掲載されていたほんの数十年前の、どこにでもありそうな静かな港街の写真と、現在の様変わりした街を見比べると、景色までも一新してしまうアメリカ資本の凄まじさを感じずにはいられませんでした。

    多くのクルーザーにとって地理的に立ち寄り必須のカボ・サンルーカスですが、マリーナやムアリングに停泊できるボートの数は限られており、停泊料はアメリカ以上に高額ということで、庶民派セーラーには少々不便な場所でもあります。

    太平洋の荒々しい波からあまり守られていない投錨地は、セーリング中と同じくらい揺れる上に、日中は縦横無尽に行き交うジェットスキーや観光船が忙しく、さらに夜はホテルから音楽が爆音で流れ、中々休まるときがありません。

    ただ、好きでお邪魔しているわけなので、文句は一切言えません。

    こんなとき、ボートの良いところは、ここは違うなと思ったら、すぐにすい~と次の場所に移動できるところだと思います。

    しばらく休息、食料を補給。久々の陸ランチを楽しんで、先を急ぐことにしました。

    一旦陸に上がれば、レストランやバーの選択肢には事欠かず、周辺のクルージングも楽しく、さすがメキシコを代表する世界的な観光地!といった雰囲気のカボ・サンルーカスですが、この街を訪れるには、陸路でホテル滞在の方に軍配が上がりそうです。

    それでは、また次回。

    バハ・カリフォルニア半島をぐるりと内側に回り、いよいよクルーザー憧れのセーリンググラウンド、コルテス海へ向かいます。

    私が書きました!
    旅する一家
    前田家

    4歳の娘と6歳の息子を連れて、セーリングヨットSANTANAで放浪中の4人家族。2022年3月、カリフォルニアを出航。寄り道をしながらゆっくりと世界一周を目指します。海の上でサステナブルな暮らしを模索中。
    Instagram:@svsantanajp
    YouTube:https://www.youtube.com/@sailingsantana

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