シェルパ斉藤、愛するラブラドールと瀬戸内海の家島諸島を旅する! | 日本の旅 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル
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    2023.05.09

    シェルパ斉藤、愛するラブラドールと瀬戸内海の家島諸島を旅する!

    ラブラドール・レトリーバーのセンポを連れて、瀬戸内海の家島諸島を旅した

     兵庫県の姫路市に属する家島諸島は、大小44もの島々から構成される。人が暮らしている島は家島本島、坊勢島、男鹿島、西島の4島だ。西島は島全体が野外活動施設の「いえしま自然体験センター」になっていて、事前に申し込み手続きを済ませる必要があるので省くとして、家島本島、坊勢島、男鹿島の3島を巡ることにした。

     犬連れで島旅をする場合、島へ渡る船に犬を乗せられなければ話にならない。姫路港から家島本島に渡る「高速いえしま」の窓口で犬の乗船を問い合わせたら「ケージに入れれば乗船できます」とのこと。ケージはクルマに積んであるけど、体重が24kgあるセンポが入ったケージを持って乗船するのは不可能に近い。それに島に到着後はケージが不要の荷物となって厄介になる。

     男鹿島経由で坊勢島へ行く高速船は別会社なので、そちらで問い合わせたら「手荷物料金を払えば乗れますよ」といわれた。その会社は坊勢島と家島本島を結ぶ便も就航しており、そちらの航路もケージなしで犬の乗船が可能だという。ならば先に男鹿島と坊勢島へ行って、そのあと坊勢島から家島本島へ渡る計画を立てた。

    センポの乗船券である手荷物券は¥300。犬の絵と手作り感がいいね。

    姫路港で次の高速船を待つ。小豆島行きのフェリーも発着していて、センポは犬好きの乗客たちにかわいがられた。

    船の揺れにも動じないセンポ

     坊勢島へ行く高速船は113便あるが、男鹿島を経由する高速船は13便しかない。次の男鹿島経由の高速船が出航するまでターミナルの外のベンチで休み、出航時刻直前に桟橋へ行き、センポとともに高速船に乗った。船室には入れないが、屋根のあるデッキのベンチにセンポといられる。高速船のエンジン音が轟いても、船体が大きく揺れてもセンポは動じず、ベンチの横に寝そべった。旅の経験を多く積んだため、センポは様々な状況でも平然といられる犬に成長している。

    家島諸島へ行く坊勢輝汽船の高速船。家島諸島行きのフェリーはなく、自家用車で行くことはできない。

    高速船の荷物置き場にあるベンチが僕らの乗船スペースだ。エンジン音が大きかったけど、センポは動じなかった。

    30分の航海で到着した男鹿島で降りた乗客は、僕ら以外に1名だけだった。船を迎える人はいないし、港周辺には店も宿もない。島民の姿は見られず、道端に猫が数匹いるだけだ。

     男鹿島は島のあちこちに採石場があり、削られた断崖絶壁があちこちで見られる。それはそれで見所ではあるんだけど、瀬戸内海の島まで来て見たい風景とはいいがたい。民家が少なく、島民の姿も見られず、島の風情や旅の面白みに少々欠ける。

     坊勢島行きの高速船は夕方までないが、姫路港行きの復路の高速船は昼過ぎに来るので、船賃はかかるけど、次の便で姫路に帰り、姫路から坊勢島行きの直行便に乗船した。

    男鹿島は少人数の集落が島の北部にあるだけで、その他はほとんど採石場になっている。採石の現場は断崖絶壁の渓谷に見える。

    島は猫のパラダイス。あちこちで寝転んでいる。センポが歩くとほとんどの猫が逃げて行ったが、ボス風の猫はセンポに威嚇した。

    男鹿島には海水浴場がある。夏は姫路から訪れる海水浴客も多いだろうが、3月は誰もいなかった。

    男鹿島の港で高速船を待つ。潮の香りを感じる日向ぼっこが心地いい。

    坊勢島の魅力を足で感じる

     坊勢島は男鹿島と違って、島民が多く、活気を感じる島だった。港の駐車場には軽自動車やスクーターがぎっしりととめられており、船から降りた島民たちはスクーターに乗って走り去った。その多くがノーヘルだ。スクーターの前と後ろに子供を乗せたおばちゃんもいて、ベトナムやタイなどの東南アジアみたいな開放的空気を感じた。

    僕とセンポは島を反時計回りに坊勢島を歩いた。漁師が多い島だ。海に面した集落の港には所狭しと漁船が停泊している。漁網などを手入れしている人も多く、センポは「賢い犬だな。盲導犬になる犬だろ」などとあちこちで声をかけられた。

    犬を連れた島外者に対して好意的な応対がうれしい。交通量が少ないから犬と歩いても安心だし、クルマが通れない狭い通路が続く集落もあって、島の魅力を足で感じる島歩きを僕らは楽しんだ。

    坊勢島の港には軽自動車やスクーターがびっしり並んでいた。ノーヘルは交通違反だけど、のどかな島では「そんなの、個人の自由でしょ」と思いたくなる。

    漁船が港に並ぶ坊勢島。漁業は安定収入であり、坊勢島の漁師たちは儲かっている、と某テレビ番組で紹介されたらしい。

    坊勢島の展望台。港から30分ほど歩けば到着する。イノシシが出没するから注意するようにと島の人にいわれた。

    展望台から家島諸島を望む。無人島も多く、漁船をチャーターして無人島キャンプも可能とのことだ。

    ゆっくり流れる島の時間をテントで堪能

     犬連れバックパッカーの宿はテントだ。海水浴場にテントを張れるのでは、と考えていたとおり、トイレやシャワー設備もある海沿いの公園があって、テント泊に最適な場所になっていた。ベンチやテーブルもあって、そこには「施設を利用される方、公園内でバーベキューをされる方も下記へ届け出をしてください。1回¥1000」と表記された案内板が立っていた。

     そこに書かれた番号に電話して「テントを張りたいんですが、どこでどう払えばいいんでしょう?」と尋ねたら、電話口の女性は「テントを張るだけならお金は結構です。気をつけてくださいね」と答え、この島に対する印象がさらに良くなった。

     そこは犬連れテント泊にぴったりの場所だった。海が望めるし、犬が走り回れるビーチもある。センポは高速船に1日で3回乗って、島も歩いて、心身ともに疲れたのだろう。テントの前室にマットを敷いたらすぐに横になって眠ってしまった。そのセンボの頭や首筋を撫でて、穏やかな瀬戸内の海を眺めた。タブレットもラジオも持っているけど、どちらも出す気が起きない。何をするわけでもなく、ゆったりと流れる島の時間を堪能した。

    トイレやシャワー設備があるシンプルな海水浴場。港から歩いて15分ほどの場所にある。

    早春の平日だから利用者は僕らしかいなかった。夕方に島民が犬の散歩にやってきた。

    犬連れバックパッキングの旅では、土間のあるアライテントのドマドームを使用している。センポと僕の寝る場所を隔てることができて便利。

    高速船に燃料を持ち込むことができないため、島でも入手できるカセットボンベを燃料とするコンパクトストーブを使用した。

    ケージいらずの高速船に感謝

     2日目は家島本島に渡った。家島本島はのどかな漁村のイメージがなく、明るくて洗練されていた。島を紹介するホームページには「急斜面にぎっしりと建つ家々を見ていると、まるでここは地中海(笑)」と書いてあったが、そう思えなくもない。

     家島諸島の中心的な島だから、島民が多くて宿も店もたくさんある。僕はセンポを連れて今回の旅の目的でもあった人物を訪ねたが、それに関してはBE-PAL6月号の『シェルパ斉藤の旅の自由型』を読んでもらいたい。その出会いのおかげで、僕は家島諸島がさらに好きになった。

    家島本島には網手港、宮港、真浦港の3つの港がある。姫路港から30分で来れるから日帰り観光客も多い。

    獲れたての魚介類を販売する女性露天商がいた。新鮮な魚が安価で買える環境がうらやましい。

    真浦港のすぐ近くに眺めのいい公園があった。「港の見える公園」という名前ではないけど、港全体が見渡せた。

    姫路港と家島本島を結ぶ「高速いえしま」はケージに入れないと犬は乗船できないから、再び坊勢島に戻って、坊勢島から姫路港行きの高速船に乗るつもりでいた。しかしそうする必要はなかった。姫路港と家島本島を結ぶ高速船は「高速いえしま」以外に「高福ライナー」があり、そちらの窓口で訊いたら「ケージがなくても乗れますよ」とのこと。おまけに手荷物料金もいらないという。

     客室に入るわけにはいかないので、僕とセンポは船の後方デッキに行き、潮風を浴びて帰路についた。

     数えられないほどの旅を経験して、年齢も重ねたセンポだけど、家島諸島の旅で一段と成長した気がした(親バカだけどね)。

    家島本島から姫路港へ帰る高速船「高福ライナー」に乗る。船室の後部デッキが僕らの指定席。室内の船室よりも快適に感じられた。

    シェルパ斉藤
    私が書きました!
    紀行作家・バックパッカー
    シェルパ斉藤
    1961年生まれ。揚子江の川旅を掲載してもらおうと編集長へ送った手紙がきっかけで『BE-PAL』誌上でデビュー。その後、1990年に東海自然歩道を踏破する紀行文を連載して人気作家に。1995年に八ヶ岳の麓に移住 し、自らの手で家を作り、火を中心とした自己完結型の田舎暮らしを楽しむ。『BE-PAL』で「シェルパ斉藤の旅の自由型」を連載中。『シェルパ斉藤の行きあたりばっ旅』ほか著書多数。歩く旅を1冊にまとめた『シェルパ斉藤の遊歩見聞録』(小学館)には、山、島、村、東海自然歩道などの旅や、犬と歩いたロングトレイルの旅を収録。

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