船外機が壊れるピンチ発生!?メキシコ・セドロス島民の温かさに触れたヨット旅でのできごと | 海外の旅 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル
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    2023.04.08

    船外機が壊れるピンチ発生!?メキシコ・セドロス島民の温かさに触れたヨット旅でのできごと

    みなさんこんにちは。セーリングヨットSANTANAで世界一周に挑戦中、前田家の麻裕です。

    \前回の記事はこちら/
    ヨットで国境越え!人気の港町メキシコ・エンセナダを目指す海の旅

    初めての悪天候で目的地を変更!

    メキシコ・エンセナダを後にして、いくつかの投錨(とうびょう)地に停泊しながら、南へと船を進めていたところ、二度目のナイトセーリングで、初めての悪天候を経験しました。

    停泊をしたメキシコ・セドロス島とは?

    強風を告げるアラームが夜通し鳴り響き、最終的には高波でエンジンルームに海水が入ってしまい、点検のため目的地を変更。セドロス島に停泊することに決めました。

    1万年以上前に、すでに人類が到達していたとされるセドロス島。

    現在では、塩ビジネス、スポーツフィッシング、ロブスターやアワビの漁業が主な産業になっています。

    島の人口は南に集中しています。したがって最初に錨を下ろした、北側の投錨地付近に定住しているのはアシカなどの野生動物のみ。アシカの鳴き声には、以前訪れた南カリフォルニアでの苦い経験があります。

    アシカのコロニー……ということは今夜も安眠できない!?一抹の不安が過ぎる。

    遠巻きにアシカのコロニーを観察。その昔には、海獣を狙ったハンター達が定住していたこともあるそうですが、今は平和そのもの。

    ディンギーの船外機が壊れるトラブル発生!?

    エンジンルームの点検をして先を急ぐ予定でしたが、なんとこのタイミングで以前から調子が怪しかったディンギー(移動のための小舟)の船外機が完全に動かなくなってしまいました。

    親切な島民達との出会い

    オールで漕ぎ出そうとすると、偶然通りかかった漁師さんがディンギーを船まで牽引してくれた上に、釣り上げたばかりのお魚を分けてくれました。

    さらに島内最大の街、プエルト・セドロスに腕の良いメカニックがいるから修理をしていくといいよと教えてもらい、翌日は街へ向かうことになりました。

    リモートな場所では、人の親切がより一層身に沁みます。

    助けてくれた漁師さんたちが釣り上げた、立派なヒラマサ。釣り天国のセドロス島。

    ミッ◯ーマウスサボテン!?サボテン天国でもある。

    アシカの鳴き声を子守唄に、満天の星の下で一夜を過ごした後、プエルト・セドロスを目指して島の南側へ移動しました。

    パンガと呼ばれる、カラフルな小型の漁船が風景に映える。

    背の高いコンクリートドックに停泊するSANTANA。

    港の責任者に挨拶をしてから、ビーチの方へ向かってみると、そこには霧に包まれた幻想的な景色が広がっていました。

    後方の霧がたなびく山々と、ひなびたパラソルが立ち並ぶビーチとのコントラストが、ノスタルジックな雰囲気。

    ミニチュアの世界のようで可愛らしいビーチフロント。

    港にある絶景写真が撮影できるスポット(子ども2人とベストショットを撮るのは至難のわざ)。

    霧がかかった不思議なビーチを見てから、個人的にこの島を「マジカルアイランド」と呼ぶことにしました。さらさらの白砂が広がるビーチという類ではありませんが、このビーチフロントが醸し出す哀愁漂う雰囲気には何だか心惹かれるものがありました。

    肝心の船外機の修理ですが、メカニックの方に来てもらうと、ディンギーから船外機を外すための鍵が壊れているため、船外機が取り外せないことが分かりました。

    ヨット関係の盗難で一番多いのは、ダントツで船外機なので、外せない船外機というのはある意味安全ではあるけれど、修理の際は大問題です。

    船の甲板で修理ショーがスタート

    メカニックの方は、当然困った様子でしたが、前方に停泊していた漁船の船長と何やら相談して、なんと船の甲板で修理をすることになりました。

    小さな船外機の修理に、中型の漁船を巻き込んだありえない展開に驚きましたが、ここはメキシコ。

    船員の方々に加え、島民のみなさんも続々と集まり、ちょっとしたお祭りのような雰囲気の中、船外機修理ショーがスタートしました。

    取り外しできないHONDA製の船外機。

    甲板を修理スペースとして開放してくれた漁船。

    2時間ほどかかり無事に修理が済むと、クレーンでディンギーを海に戻し、すべて終了。

    残念ながら交換部品が足りず、応急処置のみで完全復活とはいきませんでしたが、エンジンはひとまず動く状態になり一安心。

    何よりも困っている人を助けようと、次々に現れる島民のみなさんの気持ちが嬉しかったです。もしかしたらただの野次馬だったのかもしれませんが……(笑)。

    快く協力してくれた漁船の船長達。お礼に、日本酒をプレゼント。

    トラブルと思いがけない出会いは旅の醍醐味

    ヨット旅に船の修理はつきもののようで、主人は日々メンテナンスに追われていますが、こんな思いがけない出会いがあるときは、これも旅の醍醐味と思えます。

    次回は、カラフルなプエルト・セドロスの街散策にご案内します。

    私が書きました!
    旅する一家
    前田家

    4歳の娘と6歳の息子を連れて、セーリングヨットSANTANAで放浪中の4人家族。2022年3月、カリフォルニアを出航。寄り道をしながらゆっくりと世界一周を目指します。海の上でサステナブルな暮らしを模索中。
    Instagram:@svsantanajp
    YouTube:https://www.youtube.com/@sailingsantana

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