日本のスパイスミックス「七味唐辛子」を自分好みに調合してみよう
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    2023.01.17

    日本のスパイスミックス「七味唐辛子」を自分好みに調合してみよう

     

    自分好みに配合した七味唐辛子

    自分好みの香り、辛さ、色合い のバランスを考えながら調合していく作業は、とても楽しいですよ。

    自分用に「マイ七味」を作ってみよう

    日本のスパイスミックスといえば、七味唐辛子。別名、薬研堀(やげんぼり)と呼ばれている七味唐辛子は、江戸時代に漢方薬をヒントに開発されました。そのため、7つのスパイスには、それぞれ薬効があります。

    今回用意した7種類のスパイス

    今回は比較的手に入りやすい、唐辛子、陳皮、山椒、黒ごま、金ごま、青のり、けしの実の7種類を用意しました。

    七味唐辛子に使われている代表的な素材は、唐辛子、山椒、麻の実、けしの実、青のり、ごま、陳皮の7種類。この7つの素材をどのような配分で調合するかによって仕上がりが大きく変わります。調合方法は、薬効をとりいれて自分の体質に合わせたものにしてみたり、自分で好きな風味にブレンドしたりすることができます。ここでは、自分好みの辛味と風味に調合してみたいと思います。

    【七味唐辛子のレシピ】

    今回使用した材料

    今回使用した材料です。

    【材料】おすすめの割合 ※使用する唐辛子の辛さを確認して割合は調整してください。

    • 唐辛子 5
    • 山椒 3
    • けしの実 1
    • 陳皮(みかんの皮) 1
    • 青のり 1
    • 黒ごま 2
    • 金ごま 2

    <下準備>

    • 唐辛子や山椒、陳皮など粉砕が必要なものは事前に準備しておきます。
    • 黒ごま、金ごま、けしの実はそれぞれ乾煎りすると香り、風味が格段によくなります。
    • 7種類の材料は、調合しやすいように容器に移しておきます。

    <作り方>

    (1)まずは、唐辛子、山椒、陳皮、青のりを調合します。

    7つの素材を順に調合

    唐辛子と山椒の辛みの割合と香り系の素材の割合は、それぞれ同じ分量から始めると失敗なく調合がすすめられます。

    (2)金ごま、黒ごま、けしの実以外の材料で一旦、擦り混ぜます。ここで一度、味をみて調整します。

    金ごま、黒ごまを入れやさしく擦り混ぜる

    金ごま、黒ごまは力を入れて擦りすぎると油が出てきます。香りが立つ程度の加減にしましょう。

    (3)金ごま、黒ごまを入れ、やさしく擦り混ぜたら、最後にけしの実を加えればできあがりです。

    完成した七味唐辛子

    保存は瓶または缶、ジッパー付きの袋に入れて冷暗所で保存しましょう。

    七味唐辛子に使用した素材について

    1.唐辛子〜辛み

    唐辛子を粉砕する

    自家栽培の唐辛子を粉砕して粉唐辛子にしました。

    七味唐辛子のベース、辛みとなるのが唐辛子です。辛み成分のカプサイシンには、食欲増進、血行促進、発汗作用があるといわれています。
    唐辛子は1種類でもおいしくできますが、唐辛子を焙煎して粗めに粉砕したものを調合すると、さらに奥深い味に仕上がります。唐辛子は焙煎することで辛みがまろやかになります。

    2.山椒〜辛み、香り

    山椒の粉

    今回は、市販の山椒粉を使用しました。メーカーによって味、香りにかなり違いがあります。

    ピリリとした山椒の独特な辛みと香り。山椒には、胃腸の機能を高める効果や冷え性改善効果があるといわれています。山椒の実を粉砕するとより辛味、香りともに引き立ちます。

    3.金ごま〜香り、風味
    ごまの中でも香り高く、濃厚な旨みが感じられるのが金ごまです。ごまの栄養価は基本的にはあまり違いはありませんが、金ごまは、ほかのごまと比べてタンパク質、脂質が多いようです。
    ごまを食べると、生活習慣病の予防に効果が期待できるといわれています。

    4.黒ごま〜香り、風味
    香りが強く、味にコクがあります。ごまの栄養価は基本的にはあまり違いはありませんが、黒ごまは、ほかのごまよりもカルシウムが多いようです。
    金ごま同様、黒ごまを食べることで生活習慣病の予防に効果が期待できるといわれています。

    5.けしの実〜食感、香ばしさ

    けしの実を乾煎りしている様子

    作る直前に乾煎りすることでさらに香ばしさが引き立ちます。

    けしの実は、香ばしさ、食感が楽しめます。けしの実には、整腸作用やリラックス効果があるといわれています。

    6.青のり〜香り
    青のりは磯の香り、風味が楽しめます。カリウム、カルシウム、マグネシウムなどが豊富で骨粗鬆症の予防におすすめです。

    7.陳皮〜香り

    みかんの皮を天日干しにして陳皮に

    無農薬のみかんが手に入ったので、みかんの皮を天日に干して乾燥させたものを使いました。

    陳皮には、毛細血管を強化して血流を改善する効果があるといわれています。ほか、整腸作用、風邪予防などにも。食べ終えたみかんの皮は天日に干して、ネットなどに包んで湯舟に入れてみましょう。カラダが芯から温まります。

    その他、七味唐辛子におすすめの素材

    • ゆずなどの柑橘類
    • しょうが(粉末)
    • 青シソ(粉末)
    • 麻の実 
    • 黒こしょう など

    七味唐辛子の奥深さ

    七味唐辛子のおいしさは辛味と香り、そして色合い。この絶妙なバランスを表現するのがとても難しく、七味唐辛子の奥深さを改めて感じました。

    自分好みに仕上げた七味唐辛子

    できあがりの色合いも大切にします。

    「次回は山椒は実から粉砕してみよう」「香りのよい食材は少し粗めにしてみようかな」「唐辛子は焙煎したものも足してみよう」など、納得のいくマイ七味への探求はまだまだ続きそうです。市販の七味唐辛子に好きな薬味やスパイスを調合するだけでも、即席のマイ七味が作れます。「ちょっと風邪っぽいから陳皮を足してみよう」「胃腸の調子がよくないから山椒を少し入れてみよう」などと、日々の体調に合わせて七味唐辛子を調合してみるのもいいですね。

    私が書きました!
    料理研究家
    小牧由美
    名古屋市在住の料理研究家。東京を拠点に食に携わる仕事で20年以上活動。その間、銀座のヴィーガンカフェでは立ち上げから店長を務め、レシピ・商品開発から体調改善に特化したメニューを考案し、カウンセリングにも従事。現在は、旬の素材を使った料理やローフード、プラントベースのレシピ提供、商品開発などを行っている。http://yamabon.jp/

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