自分用に「マイ七味」を作ってみよう
日本のスパイスミックスといえば、七味唐辛子。別名、薬研堀(やげんぼり)と呼ばれている七味唐辛子は、江戸時代に漢方薬をヒントに開発されました。そのため、7つのスパイスには、それぞれ薬効があります。
七味唐辛子に使われている代表的な素材は、唐辛子、山椒、麻の実、けしの実、青のり、ごま、陳皮の7種類。この7つの素材をどのような配分で調合するかによって仕上がりが大きく変わります。調合方法は、薬効をとりいれて自分の体質に合わせたものにしてみたり、自分で好きな風味にブレンドしたりすることができます。ここでは、自分好みの辛味と風味に調合してみたいと思います。
【七味唐辛子のレシピ】
【材料】おすすめの割合 ※使用する唐辛子の辛さを確認して割合は調整してください。
- 唐辛子 5
- 山椒 3
- けしの実 1
- 陳皮(みかんの皮) 1
- 青のり 1
- 黒ごま 2
- 金ごま 2
<下準備>
- 唐辛子や山椒、陳皮など粉砕が必要なものは事前に準備しておきます。
- 黒ごま、金ごま、けしの実はそれぞれ乾煎りすると香り、風味が格段によくなります。
- 7種類の材料は、調合しやすいように容器に移しておきます。
<作り方>
(1)まずは、唐辛子、山椒、陳皮、青のりを調合します。
(2)金ごま、黒ごま、けしの実以外の材料で一旦、擦り混ぜます。ここで一度、味をみて調整します。
(3)金ごま、黒ごまを入れ、やさしく擦り混ぜたら、最後にけしの実を加えればできあがりです。
七味唐辛子に使用した素材について
1.唐辛子〜辛み
七味唐辛子のベース、辛みとなるのが唐辛子です。辛み成分のカプサイシンには、食欲増進、血行促進、発汗作用があるといわれています。
唐辛子は1種類でもおいしくできますが、唐辛子を焙煎して粗めに粉砕したものを調合すると、さらに奥深い味に仕上がります。唐辛子は焙煎することで辛みがまろやかになります。
2.山椒〜辛み、香り
ピリリとした山椒の独特な辛みと香り。山椒には、胃腸の機能を高める効果や冷え性改善効果があるといわれています。山椒の実を粉砕するとより辛味、香りともに引き立ちます。
3.金ごま〜香り、風味
ごまの中でも香り高く、濃厚な旨みが感じられるのが金ごまです。ごまの栄養価は基本的にはあまり違いはありませんが、金ごまは、ほかのごまと比べてタンパク質、脂質が多いようです。
ごまを食べると、生活習慣病の予防に効果が期待できるといわれています。
4.黒ごま〜香り、風味
香りが強く、味にコクがあります。ごまの栄養価は基本的にはあまり違いはありませんが、黒ごまは、ほかのごまよりもカルシウムが多いようです。
金ごま同様、黒ごまを食べることで生活習慣病の予防に効果が期待できるといわれています。
5.けしの実〜食感、香ばしさ
けしの実は、香ばしさ、食感が楽しめます。けしの実には、整腸作用やリラックス効果があるといわれています。
6.青のり〜香り
青のりは磯の香り、風味が楽しめます。カリウム、カルシウム、マグネシウムなどが豊富で骨粗鬆症の予防におすすめです。
7.陳皮〜香り
陳皮には、毛細血管を強化して血流を改善する効果があるといわれています。ほか、整腸作用、風邪予防などにも。食べ終えたみかんの皮は天日に干して、ネットなどに包んで湯舟に入れてみましょう。カラダが芯から温まります。
その他、七味唐辛子におすすめの素材
- ゆずなどの柑橘類
- しょうが(粉末)
- 青シソ(粉末)
- 麻の実
- 黒こしょう など
七味唐辛子の奥深さ
七味唐辛子のおいしさは辛味と香り、そして色合い。この絶妙なバランスを表現するのがとても難しく、七味唐辛子の奥深さを改めて感じました。
「次回は山椒は実から粉砕してみよう」「香りのよい食材は少し粗めにしてみようかな」「唐辛子は焙煎したものも足してみよう」など、納得のいくマイ七味への探求はまだまだ続きそうです。市販の七味唐辛子に好きな薬味やスパイスを調合するだけでも、即席のマイ七味が作れます。「ちょっと風邪っぽいから陳皮を足してみよう」「胃腸の調子がよくないから山椒を少し入れてみよう」などと、日々の体調に合わせて七味唐辛子を調合してみるのもいいですね。