かつての難所が有名観光地に変貌!箱根キャンピングカー旅で発見
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    2022.11.28

    かつての難所が有名観光地に変貌!箱根キャンピングカー旅で発見

    箱根の紅葉

    東海道随一の難所「箱根」

    東海道キャンピングカーひとり旅、日本橋から数えて10カ所目の宿場「箱根」にやってきました。言わずと知れた観光名所で、関東在住の方にとっては身近な行楽地かと思いますが、私は初めて。

    険しい山道や、人の出入りを監視する関所があったことから、江戸時代には東海道随一の難所だったそう。見どころは芦ノ湖を中心に、広い範囲に点在しています。

    クルマで周遊する選択肢もありますが、休日には渋滞も起こると聞きます。キャンピングカーは拠点に駐車して、公共交通機関で巡るのがよさそうです。

    5種類の乗り物を体験できる

    箱根湯本駅

    クルマ好きには、乗り物全般が好きという人も多いと思います。ここ箱根では5種類の乗り物を簡単に乗り継げるのだそう!箱根湯本駅を拠点にし、公共交通機関でぐるっと一周することに決めました。

    まずは「箱根登山電車」で宮ノ下へ向かいました。日本一の急勾配を走る鉄道で、進行方向を切り替えながらジグザグに上っていくスイッチバックが有名。

    箱根登山鉄道

    しかし紅葉シーズンの登山電車は都会の通勤電車並に混雑しており、着席も写真撮影も不可能。じっと耐え忍ぶ時間となりました。これは誤算です。

    スイッチバックは合計3回あり、もし窓の外を眺める余裕があれば運転士さんと車掌さんの移動が見られるそうですよ。

    箱根登山バス

    続いて「箱根登山バス」に乗り換えました。実は箱根湯本駅のバスターミナルも相当混雑していたので戦々恐々としていたのですが、宮ノ下まで来るとだいぶ分散されるようで、車内には余裕がありました。

    カーブが連続する山道ですが、運転手さんは慣れたもの。ぐんぐん進んでいきます。あっという間に「元箱根港」に着きました。

    芦ノ湖

    「港」というネーミングからわかるように、ここには芦ノ湖と観光船の乗り場があります。箱根の観光PR写真を見ると、必ず登場するあの海賊船!

    私はクルマと同じくらい海や船が好きで、コロナ流行以前には客船にもよく乗っていたので楽しみにしていました。とくに湖や内海のクルーズは波がなく揺れないので、船酔いしやすい私にも快適。

    ところが。

    芦ノ湖

    湖岸では目を疑うような光景が。水しぶきを上げながらザッバーン、ザッバーンと打ち寄せる波。「本当に湖!?」と思うような荒れ具合です。

    この日、空は秋晴れで澄みきっているのですが、木々がゆさゆさと音を立てて揺れるような強風なのでした。船も運休になるのでは……と心配になってきました。

    芦ノ湖の飲食店

    出航時間まではまだ間があったためランチにします。湖畔のおしゃれなお店はどこも混雑&敷居が高く、ちょっとひるんでしまったのですが、テイクアウトとイートインのハム・ソーセージ専門店「腸詰屋」を発見。

    パンとソーセージ

    後から知ったのですが、観光ガイドブックにも登場する有名店!ドイツ風のジューシーなジャンボソーセージは食べ応え抜群で美味でした。

    箱根海賊船

    どうやら船は予定通り出航するようです。乗り場に続々と人が集まってきました。安心半分、船酔いの心配が半分。

    芦ノ湖の観光遊覧船

    船内は本当に18世紀の海賊船風!アンティーク調の銃が飾ってあるなどクラシカルな内装になっています。箱根の雰囲気に合わせた和船バージョンがあったらさらに人気が出るような気がするのですがどうでしょう?

    芦ノ湖の観光遊覧船

    湖の中央に出ると波もほとんどなくなり、快適なクルージングになりました。秋の太陽が水面にキラキラと反射して、湖全体が輝いているようです。身体に感じるような揺れもまったくありません。

    芦ノ湖

    遠く富士山も見えました!風が冷たく、外デッキに出る勇気はありませんでしたが広い窓から絶景が望めます。およそ25分で芦ノ湖の南端から北端まで一気に縦断しました。

    箱根ロープウェイ

    次なる乗り物はロープウェイ。桃源台から大涌谷を経由して早雲山駅へ向かいます。

    しかし、先ほど芦ノ湖で強風が吹いていたということは、山にも同じく吹いているということ。「これ以上、風が強くなったら運行を中止します」と不穏なアナウンスが流れます。帰れなくなったら大変と、景色を見るのもそこそこに先を急ぎました。

    箱根ロープウェイ

    2本の大きく開いたアームでロープをしっかりつかむ「箱根ロープウェイ」は安定性が高く、風の強い箱根の気象に適しているのだそう。地上に広がる一面の紅葉がきれいです。

    大涌谷の風景

    とはいえ、換気のためわずかに窓を開け、高所に吊り下げられたゴンドラには「ヒュオォォォォッ!」と、この世の終わりかと思うような風切音が響きます。

    心なしか、風を受けてわずかにゴンドラが揺れているような気も……。平常心を装ってはいましたが、もし落下したら……と想像しなかったと言えば嘘になります。無事に地上に戻れてよかった。

    運休などいざというときに自力で移動できないのが公共交通機関の難点。しかし、ふと眼下の山道に視線を落とすとクルマの長い列が見えたので、やはり今回のルートが正解でしょう。

    髪が逆立つほどの強風なのに、わずかしか揺れを感じないというのもよく考えると高い技術の証左です。

    箱根登山ケーブルカー

    最後に乗ったのは早雲山駅からの「箱根登山ケーブルカー」。駅も地面も車両も、すべてが斜めの急斜面を降りてきました。でも乗っている本人は傾斜を感じないのが不思議。

    箱根強羅公園を歩いたり、再び箱根登山電車に乗り換えたりして箱根湯本駅へ帰りました。どの交通機関もデイタイムは本数が多く、接続が容易です。

    箱根登山ケーブルカーの駅

    以上、箱根登山電車、箱根登山バス、箱根海賊船、箱根ロープウェイ、箱根登山ケーブルカーの5種でした。お得なフリー切符も販売されています。

    どれも元々は箱根の険しい地形や高低差を克服するための乗り物だったのでしょうが、それがアトラクションのようなワクワク感やスリルを生み、乗っているだけで楽しいものばかりでした。

    復元された江戸時代の関所

    箱根関所

    あくる日、今度はクルマで「箱根関所・箱根関所資料館」に行ってみました。

    東海道を通る旅人の身分を検分し、通行を許可したり、取り締まったりしたところ。江戸時代に全国に置かれていた50カ所あまりの関所のうち、当時の姿を唯一、完全復元しているのが箱根なのだそう。

    とくに女性の出入りには厳しく、大名の妻子が身分を隠して通行しようとしていないか取り調べたとか。現代を生きる私のように、どこにでも自由に行き来する旅はできなかったということですね。

    箱根関所

    役人たちの詰め所だった上番休息所や足軽番所、拘置所の役割となる獄屋、芦ノ湖を高台から見張る遠見番所などが復元されています。すっかりリゾート地の趣の箱根ですが、ここだけは江戸時代の風が流れていました。

    箱根関所から見た芦ノ湖

    クルマで走ると、箱根の道は急カーブとアップダウンの連続であることを改めて実感します。

    ふと、ブレーキが加熱して効かなくなるフェード現象のことが頭に浮かびます。東海地方では、すべてのドライバーは決してクルマの性能を過信してはいけないと再確認する事故もありました。

    オートマ車に乗るようになりギアチェンジはクルマ任せになりがちでしたが、箱根では初めて意識してエンジンブレーキを使いました。山道は本当に気をつけなければ。

    箱根湯本キャンピングカー専用駐車場

    見どころ満載の箱根、とても1日では見きれませんが、キャンピングカーはどこに停めたらいいでしょうか。

    ひとつは、湯YOUパークとして登録されている「箱根園」を利用する方法。1泊1台3000円(税別・入浴料別)で、芦ノ湖畔の好立地にあります。

    箱根湯本キャンピングカー専用駐車場

    もうひとつは、「タイムズのB」が提供する「箱根湯本キャンピングカー専用駐車場」を利用する方法。

    駐車場予約サービス・タイムズのBでは、近年キャンピングカー向け駐車場の登録を進めています。なかには電源が使える駐車場もあるそう。私も今回初めて利用してみました。

    箱根湯本駅

    場所は箱根湯本駅から川を渡って徒歩10分ほどのところ。観光地は店じまいが早いので、食事や入浴や買い出しなどは駅周辺で済ませておくのがお勧めです。

    箱根湯本キャンピングカー駐車場

    RVパークとは異なり、タイムズのBではトイレや水道などの設備は約束されていません。今回の「箱根湯本キャンピングカー専用駐車場」も駐車区画があるだけで、トイレは近隣の公衆トイレを利用します。そのぶん料金は1泊1500円と格安で、日中から利用できました。

    予約や支払いがすべてオンラインで完結するのも便利で、誰とも顔を合わせる必要がありません。自分の都合のいい時間に自由に入出庫できるのがよかったです。

    駅前の繁華街からは少し離れ、コンビニエンスストアなどの商店もないエリア。少し寂しい感じがしますが大変に静かでした。寝るだけと割りきるのならば必要十分です。

    施設詳細

    私が書きました!
    フリーライター
    SAYA
    グルメ、トラベル、車中泊、クルーズなどの記事を執筆しているフリーライターです。バンコンタイプのキャンピングカーで全国を巡っています。太陽も昆虫も苦手なインドア派ですが、車中泊×観光の組み合わせに無限の可能性を体感中。車を拠点にした遊びの話題をお届けします。

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