リジェネラティブという希望のメッセージを次世代へ!大地再生にいどむ人々のドキュメンタリー映画『君の根は。』 | ナチュラルライフ 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル
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  • リジェネラティブという希望のメッセージを次世代へ!大地再生にいどむ人々のドキュメンタリー映画『君の根は。』

    2022.10.30 林ゆり

    地球が悲鳴をあげているようです。豪雨や干ばつなど、世界規模で自然災害の報告がされ、産業革命以前から平均気温が1.5度C上昇すると、私たちは、安全に過ごすことができなくなると予測されています。しかも、クライメイトクロックのカウントダウンによると、今のままでは7年以内にその日がきてしまいます。では、何をするべきか。いきなり大きなことができなくても、自分自身ができることから始めてみませんか。そんな気づきがあり、希望のメッセージをくれるのがドキュメンタリー映画『To Which We Belong(君の根は。大地再生にいどむ人びと)』です。劇場公開はせず、自主上映者を募集しながら各地で上映運動を行なうとのことで、都内の上映会に行ってきました。

    『君の根は。』日本上陸への思い

    To Which We Belong 邦題:君の根は。大地再生にいどむ人びと 制作:2021年 アメリカ上映時間:89

    『君の根は。』は、2021年にアメリカで公開されたリジェネラティブ(大地再生)という世界観と出会い、農業・漁業・牧畜を、そして生き方そのものを転換した人びとに迫るドキュメンタリー映画です。NGO団体ナマケモノ倶楽部代表の辻信一さんが、友人である日本における大地再生農業の先駆けである北海道長沼のメノビレッジ農場のレイモンド・エップさんから映画を紹介され、日本にこの映画を紹介したいという熱意に共感し、共同で翻訳や上映権を得て、日本での上映を実現しました。この映画にこだわったのは、リジェネラティブという考えを広く理解してもらうための教育ツールになると感じたからだそう。リジェネラティブは環境再生と翻訳されていますが、あえて「大地再生」と表現しています。それは、「答えはすぐ足元に」という辻さんの思いからです。

    「ぼくたちはAIとかロボットとかのハイテクにこそ食と農の未来があるかのような幻想を追い求める代わりに、足元、つまり、土にこそ目を向けるべきなのだ。そしてそれは、何も農家だけでなく、ぼくたちみんなに言えることだ」(辻さん)

    教育ツールと感じたとはいえ、映画の中の農業や漁業のやり方を、そのまま日本で実践することを推奨しているのではありません。気候も土壌も生態系も違います。大地再生は、農法の一種ではなく、大地と共生していたころの古くて新しい世界観を日本にも定着させたいとの思いから、日本での上映を行っています。

    さまざまな事例のドキュメンタリー

    陸上だけでなく海洋農業の事例も。

    映画は、アメリカ、メキシコ、アフリカでリジェネラティブ農業、牧畜、漁業に取り組む人びとのインタビュー、環境NPO「ネイチャー・コンサーバンシー」や生態学者アラン・セイボリー博士や土壌研究者ニコール・マスターズさんたちの解説で構成されています。気候危機と工業型農業の相関性を指摘し、炭素固定のメカニズムとリジェネラティブという世界観がわかりやすく紹介されています。

    映画には、アメリカの比較的小規模な家庭経営の農場や牧場の人々が登場し、どのようにして化学肥料や農薬、GMO(遺伝子組み換え)が当たり前になっていた農業から、大地の再生を最優先した農業へと転換を遂げたかが描かれています。耕作せず、しっかり大地に根を張らせる不耕起栽培を行い、なにも持ち込まずに行う農法。また、陸上ばかりが取り上げられがちですが、沿岸地域の海洋農業が取り上げられているのも興味深いポイントです。

    水中の作物である海藻は、膨大な量の炭素と窒素を吸収してくれます。これらが再生することで、衰退を続ける地域漁業を蘇らせるという試みが行われています。あまり注目されてこなかった取り組みも、この映画内で紹介されていて、環境問題に詳しくなかった人が見ても、わかりやすいのではないかと感じました。

    「君の根は。」監督のパメラ・タナー・ボルさん。

    「気候危機という恐ろしい問題に、もし解決策があるとしたらどうでしょう?今すぐ身近にあり、誰にでも使える解決策、すでに実証済みで、悪い副作用や不測の事態を招かない解決策が・・・。その解決策は、私たちの足のすぐ下、土の中にあったのです」(パメラ・タナー・ボル監督)

    悪い副作用や不測の事態を招かないということは、今は転換期で大変だけれど、安全な食を得られる未来が待っていると勇気がもらえます。
    「未来のためにいいことをしている自覚が何よりもうれしい」と、映画のワンシーンでの言葉も印象的でした。

    大地再生運動を広めよう

    今後の『君の根は。』上映予定。

    上映後には、ショートトークショーも行われました。なんと飛び入りで、推薦人としてコメントを寄せている加藤登紀子さんも登壇され、「人は、命を耕して生きるものです。農地ではなく、命をね。」と、転換期であることを受け入れることの重要性を話してくれました。
    世界中の若者たちが今の環境に危機感を持ち、評論する大人たちをシニカルに見ているという中、この映画に希望を感じるという辻さんは、話題になり多くの人に興味をもってもらいたいと、「#君の根は。」をSNSなどに投稿を呼び掛けていました。また、今後も自主上映を行うため、上映会を企画してくれる人も募集中です。まずは、自分の地域での上映会をチェックして、参加することから始めてみませんか。

    映画:To Which We Belong(君の根は。大地再生にいどむ人びと)
    https://www.yukkurido.com/towhichwebelong

    制作:2021年 アメリカ
    上映時間:89
    配給:パッション・リバー・フィルム
    日本語字幕:辻信一
    日本語版制作:メノビレッジ長沼+ナマケモノ倶楽部

    私が書きました!
    ロハスジャーナリスト。フリーアナウンサー。
    林ゆり
    関西を中心にテレビ、ラジオ、舞台などで活動後、東京に拠点を移し、執筆も始める。幼いころからオーガニックに囲まれて育ち、MYLOHASに創刊から携わる。LOHASを実践しながら、食べ物、コスメ、ファッションなど、地球にやさしく、私たちにもやさしいものについてWeb媒体やブログで発信中。

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