鹿児島県のシンボルとして知られている活火山の桜島。
初めて鹿児島を訪れた方は、鹿児島市街地から見える桜島に、「こんなに近くに活発に噴火をする桜島があるんだ〜」とお話される方もいらっしゃいます。 鹿児島で生まれ育つと桜島の噴火も日常に感じ、噴火がないと「最近、桜島は元気がないな〜」と会話の話題に出たりします。いつも見守っていてくれているように感じる桜島です。
先日、爆発的噴火があり、歴史上初めての警戒レベル5が発表されました。 現在(2022/7/27)は警戒レベル3へ引き下げられています。 ここ数年、桜島の噴火は少なく、心配していましたが鹿児島に住まれている方は、 桜島が元気を取り戻したように感じる方も少なくはないはずです。
今回は桜島の麓で火山の影響を受ける豊かな海、錦江湾(鹿児島湾)の話をお送りします。
桜島の目の前に広がる錦江湾で潜水の準備中に、青空なのにゴロゴロ~と雷の音が 聞こえる事があります。見上げると桜島の山頂から噴煙が上がり、噴煙に伴う火山雷でした。
潜水前に噴火を見ると、「火山灰が降ってくる前に早く潜ろう」という気持ちに なります。なぜなら降灰により火山灰が目に入ったり、頭皮がザラザラするからです。
降灰の中、潜水すると火山灰は海底にゆっくり蓄積します。 火山灰が積もる海底にはネジリンボウという魚が住んでいます。
頭は黄色で体は黒、白のネジネジ模様が可愛いです。 火山灰が海底に多く蓄積した後に見られるネジリンボウは、 海底の色に擬態しているのでしょうか。茶色になる個体が見られます。
体の白い部分が茶色くなり、日焼けをしたかのように「ガングロネジリンボウ」と 呼んでしまいそうな体色です。
桜島は今から108年前、大正噴火という大きな噴火で大隅半島と繋がりました。 その時、流れ出た溶岩が海底にまで続いています。
海に流れ出た溶岩は特異な環境を形成し、海中でも活火山を感じることができます。 その一つとして、海中温泉が湧き出る場所があります。
思わず、手を出してみたくなり、触ると人肌より温かいです。 桜島の雄大な活力を感じます。 温かな所もあれば、通年20度C程と一定の温度の場所もあります。 警戒レベルを引き下げられた桜島ですが、噴火への不安の中、過ごされている方も いらっしゃるかもしれません。 これまで桜島と共に生活されてきた方々は日常として暮らしていらっしゃるので す。