英語か身近になったこのごろ。ただ、登山/ハイキング関連の用語、じつはその他の外来語もかなり使われていて、英語は意外と知られていないようです。
みなさんは次の3問の正解、おわかりになりますか?(正解が複数の問題もあります)
第1問:日本語で「背嚢」と呼ばれる登山で背負うあの袋。英語でなんという?
a)リュックサック
b)ナップサック
c)バックパック
d)サンドバッグ
【第1問の正解は……】
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「b)ナップサック(knapsack)」と「c)バックパック(backpack)」です!
「ふつうにリュックサックでしょ~」と思われた方も多いかもしれません。日本でよく「リュック」とか「リュックサック」と呼ばれているものは、アメリカ英語で「バックパック」、イギリス英語で「ナップサック」と言います。
「リュックサック(rucksack)」はそもそもドイツ語で、英語でもつかわれていますが、発音は「ラックサック」という感じになります。
ちなみに日本語で「バックパック」というと数泊の縦走登山者やバックパッカーが背負うような容量70リットルレベルの「超大型リュック」をイメージする人もいますが、英語ではそういう意味はありません。小さなサイズでも「バックパック」です。
同様に「ナップサック」にも「小型のもの」という意味はありません。あえて小型のものを指したい場合には「デイパック(day pack)」という言い方はします。「1日分(日帰り分)を詰められる」くらいの意味ですね。
ちなみに「サンドバッグ」は日本だとボクシングジムなどにある「練習用の標的バッグ」という意味が主ですが、英語では登山道の修繕などにも使う「土嚢」のことです。
第2問:山小屋を英語でなんという?
a)マウンテンロッジ
b)マウンテンハット
c)ヒュッテ
d)シャレー
【第2問の正解は……】
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「a)マウンテンロッジ(mountain lodge)」と「b)マウンテンハット(mountain hut)」です!
「ヒュッテ」と名づけられた山小屋も多いので、これもちょっとむずかしかったかもしれません。「ヒュッテ」はドイツ語、「シャレー」はフランス語で山小屋のことです。
「ハット(hut)」はもともと「小屋」という意味なので、どちらかというと小さめで設備も整っていない感じの山小屋。「マウンテンロッジ(mountain lodge)」は大きめで、その分設備も充実している感じ。他に「マウンテンシェルター(mountain shelter)」「マウンテンレヒュージ(mountain refuge)」という呼び方もあるようです。
第3問:登山中のトラブルで「緊急避難的に野宿すること」を英語でなんという?
a)ビバーク
b)ナイティー
c)ナイター
d)ビブアク
【第3問の正解は……】
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「ビブアク(bivouac)」です!
日本語では「ビバーク」が一般的ですね。これはもともとドイツ語の「biwak」から来ている言葉なのですが、その発音は「ビーバク」で、日本語とは音を伸ばす位置が違うようです。
ちなみに「ナイティー(nighty)」は「(主に女性用の)寝間着」のこと。「ナイター」は日本では「夜に行われる野球の試合」を指しますが、じつこれ和製英語。英語だと「ナイトゲーム」になります。
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以上、登山用語イングリッシュの初級編でした。「初級編」というわりには……ちょっとむずかしかったかもしれません。
次回もお楽しみに!
オーストラリア在住ライター(海外書き人クラブ)
柳沢有紀夫