見どころ凝縮の1月4日、2022年は本気で見る「しぶんぎ座流星群」 | 自然観察 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル

見どころ凝縮の1月4日、2022年は本気で見る「しぶんぎ座流星群」

2022.01.02

月のない夜、朝までたっぷり「しぶんぎ座流星群」

1月4日の4時ごろの北東の空。放射点は、うしかい座の頭のあたり。(ステラナビゲータ/アストロアーツ)

2022年は天文ファンにとって、先のいいスタートを切れそうです。新年恒例のしぶんぎ座流星群が、月のない夜に見られるからです。ペルセウス座流星群、ふたご座流星群とならぶ三大流星群でありながら、いまひとつパッとしないしぶんぎ座流星群ですが、今年はパッとします。

極大は14日の朝6時。月は3日が新月で、4日は月齢1なので、ないも同然です。

しぶんぎ座流星群はピーク時間が短いことが特徴です。ペルセウス流星群もふたご座流星群も極大の前後数日はある程度流れ星の出現が期待できますが、しぶんぎ座流星群は極大をはさんで前後数時間がピーク。サッと来てサッと去ります。 

薄明が始まる前、午前4時ごろが見頃でしょう。極大時刻を考慮すると、3日の深夜から粘り続けるよりは、睡眠をとって未明からの数時間にかける方がよさそうです。十分に暗い場所なら1時間で2030個くらい見えると予想されます。街明かりがあると半分以下になってしまいます。月のない今年は、夜中の4時くらいから夜明けまで、ガッツリ流星群観察をするのにおすすめです。もちろん冷える時間帯ですから、防寒対策はしっかり整えてください。

ところで、放射点のある「しぶんぎ座」の位置はというと、実はしぶんぎ座という星座はありません。昨年の本コラムでもご紹介しましたが、しぶんぎは「四分儀」と書き、天文観測に使われる大きな分度器のような器具のことで、近代になってつくられた星座です。しかしその後、1920年代に星座の領域について議論された国際天文学連合の会議で、しぶんぎ座が星座として残ることはできませんでした。そういうわけで、しぶんぎ座流星群の放射点は、今、うしかい座の頭の上にあります。

かつてのしぶんぎ座の星図。1928年に星座としては消滅した。(ステラナビゲータ/アストロアーツ)

 ひとつの空にベガとカペラがいる瞬間

夜中に流星観察しながらも冬の星座から春の星座へと移り変わっていくのが楽しめます。天頂におおぐま座の北斗七星が昇り、南の空を春の星座のしし座、おとめ座、うしかい座などが横切っていきます。冬の澄んだ空に見る春の星座は、心なしかキリッと見えて、ひと味違った趣があります。

未明まで起きていたら、この季節ならではの1等星の共演が見られます。冬の星座ぎょしゃ座の1等星カペラと、夏の星座こと座の1等星ベガです。西に沈み行くカペラと、東から昇ってくるベガが、短い時間ですが同じ空で光っています。1等星のなかでもっとも北に位置するのがカペラで、その次がベガです。北東から昇り、北西へ沈むので滞空時間が長く、こうした光景が見られるのです。

さらに、14日の朝は、さそり座の1等星アンタレスの近くに火星がいます。どちらが赤く見えるでしょうか?

 水星を見るなら1月?4日は夕方も注目

1月4日の夕方の西の空。水星、土星、木星が。近くに細い月も。(ステラナビゲータ/アストロアーツ)

14日は夕方の西の空にも注目です。

水星が西の夕空にいます。太陽から一番遠くに位置する(「東方最大離角」といいます)が17日なので、この前後が見頃です。水星は一年を通じて夕方と朝方に出たり入ったりしますが、冬のこの時期は空気が澄んでいるので、高度が低くてもきれいに見えます。私も印象に残っている水星は1月が多いですね。

水星の東側に、土星、木星と並びます。今年は惑星たちが入れ替わり立ち替わり、接近を繰り返す、見どころの多い1年ですが、年初からさっそく西の空に集まって楽しそうです。

さらに、よく見ると月もあります。夜中のしぶんぎ座流星群に見えなかった有り難い月が、夕方に見られるというわけです。しかも月齢2の細い月です。

年末まで見られた宵の明星・金星は太陽に近づいてしまって見るのが難しいですが、残された木星たち夕空の惑星たちの行進が続きます。月もだんだん太っていきます。今年は14日の未明からたっぷりお楽しみください。

構成/佐藤恵菜

 

私がガイドしました!
星空案内人
廣瀬匠
星空案内人 天文系ライター。株式会社アストロアーツで天文ニュースの編集などに携わる。天文学の歴史も研究していて、パリ第7大学で古代インドの天文学を 扱った論文で博士号を取得。星のソムリエ®の資格を持つ案内人でもある。アストロアーツより、2022年の天文現象の見どころと観察方法をまとめた『アストロガイド 星空年鑑2022』が好評発売中。
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