荷物を背負って運べる背負子は、主に釣りや登山で活躍する定番アイテムです。上手に活用すれば、アウトドアシーンでの利便性をより高められます。背負子の選び方や正しい使い方を解説し、タイプ別のおすすめ商品を紹介しましょう。
背負子とは?
便利なアウトドアアイテムとして知られる背負子とは、具体的にどのような道具なのでしょうか。特徴や魅力など、背負子の基礎知識を確認しましょう。
荷物を背負うためのアイテム
背負子(しょいこ)とは、荷物をくくりつけて背負い、運搬するためのアイテムです。大量の荷物を一度に運べる上、移動中は両手を自由に使えます。
袋状のリュックやザックと違い、背負子は荷物の形状やサイズを問いません。複雑な形の荷物や大きめのサイズの荷物など、さまざまなものを運べる点がメリットです。
商品化されている背負子の多くは、軽量かつ丈夫なアルミニウムで作られています。キャスターが付いている背負子なら、キャリーカートとしても使えるため便利です。
アウトドアシーンをはじめ、日常生活における買い物や仕事の現場でも活用できます。使いやすいように自作することも可能です。
釣りや登山でも人気
多くの荷物を歩いて運ばなければならない場面では、背負子が活躍します。荷物がかさばりやすい釣りや登山で、便利に活用できるアイテムです。
駐車場から目的地まで距離がある場合、何度も往復するとそれだけで疲れてしまいます。悪路や坂道では、キャリーカートも使いにくいでしょう。
背負子で荷物を運べば両手がフリーになるため、バランスがとりやすく安全性も高まります。万が一転んだ際にも、手をついて身を守れる点もポイントです。
すべりやすい岩場や険しい斜面など、手を使わなければ行けない場所へ荷物を運ぶ際にも、背負子が役立ちます。
背負子の選び方
背負子はさまざまな種類の商品が販売されています。選び方のポイントを押さえておけば、自分に合った背負子を探しやすくなります。
フレームの素材と形状
背負子として販売されている商品には、竹や木などさまざまな素材が使われています。重量が軽いアルミニウム素材を選べば、体への負担を軽減できます。
ただし、軽さだけを重視すると耐久性が損なわれがちです。運びたい荷物の重さも考慮し、総合的な視点から選ぶ必要があります。
背負いやすさに影響するのが、フレームの形状です。背中に向かって緩やかにカーブしている形状の背負子なら、フィット感が増し背負いやすくなります。
特に、長時間背負う場合や悪路を歩くケースでは、フィット感が悪いと背中・肩・腰を痛める原因にもなりかねません。できるだけ自分の体にフィットする商品を選びましょう。
使い方によって変わる耐荷重
商品を比較する際は、耐荷重の確認も大事です。耐荷重とは、使用時に積める荷物の最大重量を意味します。
耐荷重を超えた重量の荷物を運ぶと、背負子が破損しかねません。頻繁に使うシーンをイメージし、荷物の総重量をカバーできる商品を選ぶ必要があります。
日常の買い物や軽装備でのアウトドア活動で使うなら、耐荷重20kg程度でも問題ないでしょう。キャンプで使うテントなど重い荷物を運びたい場合は、50kg程度の耐荷重が求められます。
商品によっては、『静荷重』と表記されているケースもあります。静荷重とは、荷物を積んだままの状態でも耐えられる重量です。耐荷重の方を重視しましょう。
キャスター付きなどの機能面
背負子にキャスターが付いていれば、状況に応じて使い分けられます。釣った魚を入れて重くなったクーラーボックスは、引いて運べば楽です。
自立スタンドが備わっている商品なら、手を離した状態でも倒れる心配がありません。平地での利用が多くなりそうなら、自立スタンドの有無も確認しましょう。
ただしキャスター付きの背負子は、キャスターの分だけ重くなります。キャスターなしの商品を購入し、必要に応じて自分で後付けするのも一つの方法です。
機能面を重視するなら、荷物を固定するためのベルトやフックが付いた商品がおすすめです。小物をまとめておける収納スペースを備えた背負子もあります。
おすすめ背負子「キャスター付き」3選
キャリーカートとしても使える背負子なら、足元の状況に合わせて運搬方法を変えられます。キャスター付き商品のおすすめをチェックしておきましょう。
エクセル「アルミキャリーカート」
オーソドックスなキャスター付き背負子で、本体のフレームに軽量なアルミニウム素材を採用し、総重量を約2475gに抑えています。
キャンプや釣りなどのアウトドアシーンで、重い荷物を一度に運ぶ際に重宝します。坂道や階段では背負って運べるため、使い分けながら荷物を運搬したいシーンで便利です。
荷台部分には固定用のベルトが縦に2本付いています。荷物を固定するためのひもやベルトを、別途用意する必要がありません。
使用しない際は平たく折りたためます。車での運搬時や自宅での収納時にスペースを取らないのも魅力です。
- 商品名:エクセル「アルミキャリーカート」
- Amazon:商品ページ
浜田商会「プロマリン 3in1カート」
背負子とキャリーカートに加え、チェアーとしても使える3Wayアイテムです。釣り場で荷物を運び終えた後、釣り用のチェアに活用できるため、別途チェアを用意する必要がありません。
背負子やキャリーカートとして使う場合の耐荷重は約15kg、チェアにした際の耐荷重は約70kgです。釣った魚を入れたクーラーボックスは、引いて運べば楽に移動できます。
折りたたみ式になっているため、使わないときの収納でも場所を取りません。デイキャンプやピクニックなど、軽装備のアウトドア活動にも適した商品です。
- 商品名:浜田商会「プロマリン 3in1カート」
- Amazon:商品ページ
浜田商会「プロマリン アルミ三輪キャリー」
左右に3輪式のキャスターが付いているため、階段など段差がある場所でもスムーズに移動できます。背負子とキャリーカートの2通りで使えるアウトドアグッズです。
耐荷重は約30kgで、ある程度の重量がある荷物も運べます。釣りで使用するクーラーボックスやバッカンがきれいに収まる設計です。固定用のベルトが付いているため、固定する手間もかかりません。
コンパクトに折りたためば、持ち運びにも便利です。登山やキャンプなど、さまざまなアウトドアシーンで活用できます。
- 商品名:浜田商会「プロマリン アルミ三輪キャリー」
- Amazon:商品ページ
おすすめ背負子「キャスターなし」3選
背負った形でのみ使用するタイプの背負子は、軽量かつ丈夫なアルミ製のアイテムがおすすめです。さまざまなアウトドアシーンで活用できる商品を紹介します。
エバニュー「キャリーボーン」
エバニューの背負子を代表するヘビーデューティモデル。
φ25mmの太いアルミニウムフレームと大きな荷台、接合部分はフル溶接で強度を出しています。
荷台や背面長の高さ調節機能はついていませんが、その分シンプルなつくりに。サイズは大・中・小の3展開。
上部の左右4箇所に荷造り用フックが付いています。ショルダーベルトは身体のラインに合った立体構造です。
- 商品名:エバニュー「キャリーボーン」
- Amazon:商品ページ
エバニュー「グレーボーン」
本体のフレームにアルミニウム合金を使用し、総重量約1300gと軽量な背負子です。
ショルダーパッドにさまざまな工夫を凝らしているのが特徴で、加重の強い肩回りは約3cmの極厚仕様に設計されています。
厚みを持たせる必要がない部分は薄くしているため、腕の動きを妨げません。パッドの中央部分には、いろいろな小物をはさめるゴムバンドが付いています。
固定用のベルト類は付属していないため、自分で用意する必要があるものの、軽量化にこだわった商品を探している人におすすめです。
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商品名:エバニュー「グレーボーン」
- Amazon:商品ページ
エクセル「アルミフレームパックDX」
耐荷重約30kgの強度を実現しており、重い荷物を背負って運ぶ際に役立ちます。フレームにアルミを採用し、背負子自体の重量が約890gと軽量な点も魅力です。
荷物を固定させるためのベルトも付属しています。釣りでの磯歩きの際や登山時に、高い安定性を発揮してくれるアイテムです。
釣りや登山以外のアウトドアシーンでも有効活用できます。軽量で扱いやすいため、防災用グッズとして常備しておくのもよいでしょう。
- 商品名:エクセル「アルミフレームパックDX」
- 楽天:商品ページ
アレンスポーツ「ハンティングパックフレーム」
ショルダーストラップに加えてウエストベルトも付いているため、体への負担を大幅に軽減できます。背面部分のサポートパネルにはメッシュが使われており、移動時に快適さを保てる点もポイントです。
軽量かつ頑丈なアルミ製フレームには、ベルトを通す金具が数か所に備わっています。フレームは高さの調節ができるため、荷物をある程度上の方まで積み上げることも可能です。
荷物の底面を支えるシェルフは折りたためます。収納スペースをとらないため、楽に持ち運べるでしょう。できるだけ疲労をためずに荷物を運びたい人におすすめです。
- 商品名:アレンスポーツ「ハンティングパックフレーム」
- Amazon:商品ページ
背負子は自作もできる?
DIYにチャレンジすれば、自分好みの背負子を作ることが可能です。必要な道具や材料、大まかな作り方を紹介します。市販品をアレンジする方法もおすすめです。
必要な道具と材料
背負子を自作する場合、枠組みの材料は加工しやすい木材がおすすめです。自分の体や用途に合わせて、大きさや形状を自由に決められます。
ホームセンターで好きな長さに切断してもらえるなら、アルミ材でのDIYにチャレンジするのもよいでしょう。木材に比べ、より丈夫な背負子を作れます。
肩にかけるベルトやひもの準備も必要です。長さを調節できるパーツを取り付ければ、体へのフィット感をより高められます。
背負子の製作には、のこぎりやナイフなどの工具類も用意しなければなりません。材料や道具は自宅にあるものでも十分使えますが、ないものがあればホームセンターや100円ショップなどで購入しましょう。
背負子の作り方
背負子を自作する大まかな流れを紹介します。市販品を参考に、自分でアレンジを加えながら製作するのがおすすめです。
- 背負子の枠組みを作成する
- 荷物が背中に当たらないための仕切りを取り付ける
- 荷物を置く底部分を作成する
- 背負うためのベルトやひもを取り付ける
- ベルトに金具を付けて調節可能な状態にする
- 使用感を確かめて微調整する
実際に使っていると、改良を加えたくなる部分も出てくるでしょう。自分の好きなようにマイナーチェンジを繰り返せる点も、自作の背負子のメリットです。
市販品に一手間加える方法も
枠組みから作るのが難しそうに感じるなら、市販品をアレンジするのも一つの方法です。一手間加えるだけで、自分好みの背負子を作れます。
キャリーカートにショルダーベルトを取り付ければ、キャスター付き背負子の完成です。市販品の背負子が重く感じるなら、キャスターを取り除くことで軽量化を実現できます。
より多くの荷物を運びたい場合は、底面の下につり下げる方法も有効です。フックなどを取り付ければ、積み上げるだけでなく下にも荷物を増やせる仕組みを構築できます。
アレンジの際に使う材料は、不要になったリュックなどのパーツを再利用するのがおすすめです。
背負子の使い方と注意点
何も考えずに荷物を積んでしまうと、疲れやすくなったり体を痛めたりする原因にもなりかねません。背負子の正しい使い方や注意点を解説します。
重いものから積んでいく
背負子に荷物を積む際は、重いものを下に積むのがポイントです。上部が重くなると重心が不安定になり、全体が揺れて運びにくくなります。
荷物を積み上げる前にそれぞれの重さを確認し、重いものから順に積んでいきましょう。大きさのバランスが合わない場合は、下が重くなるように工夫して組み合わせる必要があります。
荷物をしっかりと固定することも重要です。固定が緩いと移動中に荷崩れしやすくなる上、荷物が動くたびに体へ余計な負荷がかかりやすくなります。
ショルダーストラップやウエストベルトが体に合っていない場合も、歩行中に荷物の重さを感じやすくなるため注意が必要です。
耐荷重だけで選ばない
より重い荷物を運ぼうとするなら、耐荷重の大きい商品を選ぶ必要があります。しかし、背負子が重さに耐えられても、自分の体が耐えられないリスクを考慮しなければなりません。
厚生労働省の『職場における腰痛予防対策指針』では、体に負担を与えない重さの目安が分かります。18歳以上の男性なら体重の約40%以下、18歳以上の女性はさらにその60%以下が目安です。
平地と悪路でも歩行時の体感重量が変わります。耐荷重だけを確認して商品を選ぶのではなく、自分が運べる重さの限界値をきちんと把握しておくことが大事です。
まとめ
背負子は荷物を背負って運べるアイテムです。キャリーカートが使えない場所でも荷物を運搬できるため、悪路や坂道が多い釣りや登山で役立ちます。
商品を購入する際は、フレームの素材や形状に加え、耐荷重や機能面をチェックすることがポイントです。自分に合った背負子を選び、さまざまなアウトドアシーンで活用しましょう。