「いつもと違う今年の夏」水辺で安全に遊ぶには? | 海・川・カヌー・釣り 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル
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  • 「いつもと違う今年の夏」水辺で安全に遊ぶには?

    2020.08.08

    水泳の授業や海水浴場の開設が見送られるこの夏。活動自粛による運動不足に加えて、管理者不在……そんななか、安全に水と触れあう術をリバーレスキューのプロとライフセーバーにたずねました。

    海水浴客の安全を守るライフセーバー。今年は全国的にライフセーバーが少なくなることが予想される。Photo by JLA

     

    身近な遊び場である河川、その危険はあちこちに(川編)

    川の上流・中流部は、急に深く流れが強くなるなど、変化が激しい。どんな危険が潜んでいるかを知っておくことが重要であり、それらの危険のない場所で遊ぶことが大切。かかとのある靴を履き、適宜、PFDを着用する。子供を連れていく場合、絶対に目を離さないこと。

    川で注意すべきポイント

    濡れた岩場・護岸
    上流に戻る反転流
    強い巻き返しの流れがある堰堤
    流れの速い本流
    足が挟まりやすい岩場
    浅瀬
    流水にある倒木

    「川で遊ぶときは下見を、とくに下流に堰えん堤ていなど危険箇所がないかを確認を!」
    川での救助指導を行なう本間靖雄さんはそう話す。本間さんは「リバーセーフティー・ジャパン」を主宰する、河川救難救助の第一人者だ。
    「急に深くなったり、流れの水圧が高くなったり。その変化が見えにくいので、慎重な行動が必要です」

    また、海に比べて水温が低いために疲労が蓄積されやすく、イメージどおりに体が動かないことも……
    「さらに、渓谷では携帯電話が入らないこともあるので、事前に確認が必要です」
    意外な危険が潜むのは堰堤などの人工物。仮に流された場合、コンクリート護岸は上陸しにくく、流れを吸いこむ消波ブロックに挟まると、大事故につながる。
    「起こりうる危険を頭において、行動してください」

    浅瀬に潜む危険

    岩場などに足を取られて動けなくなったところに水圧を受け、脱出困難になることも。流れの速い浅瀬では、不用意に歩かないように。

    もし川で流されたら…

    流された場合は足を下流に向け水面近くにあげ、仰向けに浮かぶラッコ姿勢をキープ。前方に岩が現れたら、蹴ってよける。

    川遊びの鉄則

    ・遊ぶ前に必ず下見を(とくに下流をチェック)
    ・天気予報を確認(上流部を含む)。特に雨量
    ・足のサイズの合うシューズを着用する
    ・ひとりで行かない。子供、仲間から目を離さない
    ・深い場所、流れの強い場所ではPFDを(的確な着用を)

    穏やかな海に潜む危険、風や潮などが大きく影響する(海編)

    海に着いたら、いきなり水に入らず、全体を見渡す。離岸流の有無を確認し(沖に突き出す堤防などにそって離岸流が生まれることも)、風向き、いざというときの退避ルートを確認。離岸流や沖への風で浮き輪などが流されたとしても、決して追いかけない。飲酒後は入水厳禁!

    海で注意すべきポイント

    1 滑りやすい岩場
    2 陸から海へ吹く風
    3 離岸流
    4 砂地のくぼみ
    5 干満で位置が変わる波打ち際
    6 波が一気に崩れるダンパー

    一方、監視員のいない海を安全に楽しむ術を、ライフセービング歴26年で日本ライフセービング協会で教育本部長を務める松本貴行さんにたずねた。「遊泳前に干満のライン、風向きなどを、自身がライフセーバーになったつもりで、確認してください」とのこと。水難事故の自然要因のうち、約50%を占めるのが、離岸流だという。
    「打ち寄せた波が一定の場所に集まり、沖への強い反流を生み出す。この流れにパニックや体力の消耗が重なると事故につながります」
    ここで強調するのは離岸流からの逃げ方ではなく、いかにそんな状況を防ぐか。

    「そうしたリスクがあることを知り、それを避ける行動をとることが大切です」知識を支えるのは経験。松本さんは、四季を通じて海に親しんでほしいという。
    「そのうえでKeep Watch。お子さんからは絶対に目を離さないでください」

    溺れている人がいたら…CASE1

    溺れている人を見つけたら、まずは落ち着かせるよう声をかける。長い棒などで助けるときは、腹ばいになって。決して飛び込んで助けない。

    溺れている人がいたら…CASE2

    大きなペットボトルや釣り用のクーラーボックスなどは浮力体になるので、投げ入れる。受け取ったら仰向けでお腹に抱え、救助を待つ。

    海遊びの鉄則

    ・事前に気象や風、波の情報を入手する
    ・遊ぶ前に海岸全体を見渡す(波、離岸流、風向き)
    ・遊泳は足のつく範囲で。適宜PFDを着用する
    ・遊泳中は岸に目印を決め流されていないか確認
    ・ひとりで行かない。子供、仲間から目を離さない

    離岸流からの脱出

    写真中央、波打ち際から沖に向かった流れが生まれ、波が崩れなていない。これが離岸流だ。また、波が崩れた後に泡やゴミが沖へ流れているところも離岸流。もし流されたら、可能なら1で、または離岸流の勢いが途絶えた地点から岸へ向かう2で戻ろう。沖への流れに逆らって戻ることは禁物だ。Photo by SLSA

    川でも海でもPDFを活用しよう!

    「パーソナル・フローティング・デバイス」と呼ばれる救命胴衣で、足のつかない場所、流れの強い場所で重宝。子供に着させる場合、サイズが合っていることがとても重要。股を通すベルトがあると、はずれにくい。

    モンベル/
    フリーダム Kid’s 125-155
    ¥5,600
    問モンベル・カスタマー・サービス
    電話06(6536)5740

     

    最後に…川でも海でも「飲んだら、泳がない。」

    ライフセーバーが活動した全国 約 200 箇所の海水浴場統計によると、2019 年は、溺水事故の人的要因のう ち飲酒によるものは全体の「14%」で、泳力不足の次に多く報告されているという。 過去7年間を見ても、「遊泳中に溺れて心肺停止」となった方のうち、「約 3 割」が、飲酒をしていた。もちろん、海だけではない。川も同じ。お酒を飲んだら、水には入らない! 

     

    構成/麻生弘毅 イラスト/近常奈央 取材協力/リバーセーフティー・ジャパン、日本ライフセービング協会

    ※この記事は2020年ビーパル9月号の記事を再編集したものです。

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