明け方5時。四隅が暗くなる特徴をもつ12㎜レンズを活かし、朝日を背負った奇岩のシルエットを浮かびあがらせた。
串本から大島にかけてのおよそ850mにわたって大小40余りの岩がそそり立つ。かつて弘法大師が天の邪鬼と賭けをし、一夜でここに橋を渡そうとしたが、天の邪鬼に騙されて作業を中断してしまったため、橋の杭だけが残ったという伝説のある地だ。
本州最南端の町である串本では、橋杭岩、海金剛のほか、本州最南端岬に広がる約10万㎡の「望楼の芝」や、ふたつの島の間に沈む夕陽が見られる「双島」など、海沿いの景勝地が有名。透明度の高い海でダイビングやシーカヤックといったマリンスポーツを楽しむこともできる。町内の移動は車がオススメ!
221㎜レンズの開放で撮影した夜明け前の星空。夏であれば、天の河を狙うこともできる。
月がちょうど岩の間に顔を覗かせたのは、19時前のほんの十分ほど。手前の海面に、幻想的な"月の道"が現われた。
串本の楽しみ方
【あそぶ】
海金剛
橋杭岩より車で約15分。ピラミッドのような形をした「魔女の髪梳き岩」をはじめ、海から突き出た大小さまざまな岩石に波が打ち付ける様は圧巻。クライミングルートも開拓されている。
JR紀勢本線
空港近くのJR白浜駅からJR串本駅まで紀伊本線で一本。JR新大阪駅からJR白浜駅までは特急がある。どちらも本数が少ないので注意。JR串本駅付近でレンタカーも借りられる。
【食べる】
天然魚料理 くしもと
JR串本駅より徒歩約5分の場所にある、鮮魚店の営むお食事処。トビウオをはじめ、新鮮な地の魚を使った料理が楽しめる。店のイチオシは刺身の盛り合わせ定食。問0735(62)1212
【泊まる】
民宿 はし杭
橋杭岩のまさに目と鼻の先で、じっくり撮影したい人には絶好の宿。1階では、手打ちのうどん・そばも食べられる。宿泊は素泊まりのみで。問0735(62)1163
【アクセス】
南紀白浜空港より、車で約2時間(駐車場あり)。JR紀勢本線串本駅より徒歩約20分、タクシー約5分。10月末ごろにはライトアップも。問串本町観光協会0735(62)3171
◎文=臺代裕夢 撮影=柏倉陽介