- Text
【越後釣り道中】新潟県糸魚川市の海川へ
新潟県糸魚川市を流れる海川は、全国各地の名川と称される鮎釣り河川に比べると小規模な川ながら、天然遡上の鮎がよく釣れる知る人ぞ知る穴場河川です。海川は隣接する同規模の河川である早川と姫川と遊漁券が共通なので、状況を見つつ釣りをする河川を吟味することができます。
まずは下見から!

鮎釣りは、縄張りに侵入してくる他の鮎に体当たりするという鮎の習性を利用し、オトリ鮎(以下オトリ)を操作して野鮎(野生の鮎)を挑発して、体当たりさせることで針に掛ける釣りです。川底の石に鮎のエサとなるアカ(苔)がついていることが縄張りの条件になるのですが、この日は前日の雨で増水していたようで、石についたアカがほとんど流されてしまっている状況でした。(アカが飛ぶという)
そのため、まずは石にアカが残っている場所を吟味するために川の下見を行いました。しかし、目星を付けていた数カ所のポイントは完全にアカが飛んでいる状態で、全く釣れる雰囲気を感じることができません。海川だけでなく、クルマを2時間近く走らせつつ隣接する姫川や早川の鮎釣りポイント数箇所も見に行ったのですが、どこも同じ状況のようでした。
半ば諦めモードで釣りを開始

結局、いくらか状況的にマシかもという直感を頼りに海川に戻ってきました。前日の増水を引きずって濁りもあるなか、川から見下ろした石のひとつかふたつにようやく食み跡(鮎がアカを食んだ跡)を見つけ、釣りを始めることにしました。とはいえ、鮎がそこにいたかもしれないという痕跡を確認したのがその石だけだったため、釣果はほぼ期待できないと半ば諦めモードです。1時間ほどやって1匹も釣れなければやめて帰ろうとも思いつつ、オトリに専用の仕掛けを取り付けて川に放ってみると……。
あれ? 釣れる!?

なんと間髪入れずに綺麗な野鮎が掛かりました! しかも、強烈な手応えで、しっかり縄張りを持っていてオトリを追って掛かったと思われる釣れ方でした。川を見下ろした際にはアカがほとんど無く、実際に川を歩いても石はザラっとした感触だったため(アカがついた石はヌルヌルと滑る)、縄張りを持った良い鮎が釣れたことに心底驚きました。
オトリは元気な方が野鮎を挑発しやすいため、釣れた元気な鮎を次のオトリに入れ替えていく循環が鮎釣りでは大事になります。川の状況の悪さから、数が居るわけではなくポイントを1匹で占領しているヌシのような鮎が釣れただけでは? という疑念を持ちつつ、釣れた鮎をオトリにして同じ流れに放ってみると……。
次々に鮎が掛かる!

勝手な心配をよそに、縄張りを持っているであろうキレイで引きの強い鮎がまた釣れました。とはいえ、1~2匹釣ると沈黙してしまい、同じスポットで10匹も釣れることもある海川を鑑みると、やはり絶好調という雰囲気ではないようです。そんな中でも、立ち位置を変えることでオトリが泳いでいくコースを僅かに変える、といった工夫をすることで違うスポットに縄張りを持つ鮎が反応してくれるので、拾い釣り(1、2匹釣るごとにポイント移動を繰り返すこと)することで数を着実に伸ばすことができそうです。
平日ということもあってか周囲に他の釣り人も見えないため、最初に川に降りた場所から500mほど下流にある橋まで、速いテンポで拾い釣りをしていくことにしました。
心配とは裏腹に好釣果に恵まれる

ひたすら足で稼ぐような釣り続け、納竿時刻である17時半を迎えると、当初の心配とは裏腹に50匹を越える好釣果に恵まれていました。前日の増水でアカがほぼ飛んだと思われる状況でしたが、石の裏側など増水時の強い水流を受けない箇所にはわずかにアカが残っていて、1箇所あたりの数は少ないものの縄張り鮎がしっかり居てくれたようです。
また、釣りをしている最中にリアルタイムでアカの繁茂が進み、どこからともなく次々に鮎が沸いてきたのかもしれません。一見悪い状況であっても、実際に釣りをしてみないと分からないという良い経験になりました。
そろそろ終わりを感じる2026年の鮎釣り
記事を執筆している現在、朝と晩は寒さを感じるほど季節は進みました。あと数えるほどしか鮎釣りに行けないと思いますが、残す僅かなシーズンを楽しみたいと思います!




