夏に伸びるツル性雑草を見分けるための基礎知識
ツル性雑草は成長すると上や横に伸びていくので、すぐに見つけることができます。大きく育つと、緑のジュウタンのようになります。
夏に急成長するツル性雑草とは

1本の雑草をずっと観察している人はほとんどいないと思いますが、どんなに大きくなる雑草でも、小さな芽を出すところから始まります。それは、ツル性雑草も同じで、気温が上がり始める4から5月頃には既に発生しています。
そして、梅雨の時期の雨や夏の日差しを受けて一気に大きく育ちます。その後、花を咲かせ、種子を付けて冬には枯れてしまうので、ツル性雑草が目立つ時期は6月から10月頃になります。
ツル性雑草が生える場所
ツル性雑草は、街中にも郊外にも生えていますが、フェンスなどの人工物が多い街中ではよく目立ちます。道路や鉄道の標識、街路樹に絡まったり、他の雑草に覆いかぶさるように伸びていきます。
ツル性雑草の特徴

ツル性雑草の一番の特徴は「絡まる」ということで、身近にある人工物や他の雑草に絡まりながら上に向けて伸びていきます。ツル性雑草は上に伸びることで、成長に必要な太陽の光をたくさん浴びています。
雑草の中には、草丈が2メートルを超えるシロザやオオブタクサなどがありますが、ツル性雑草はその倍くらいの長さまで伸びます。ただ、大きくなった体を支えきれないので、身近に絡まるものが無い時は横に伸びていきます。
また、ツル性雑草が増えると、風通しが悪くなります。また、道路沿いの場合は、標識や信号が見えなくなったり道路がふさがってしまうなど交通事故の原因にもなります。
雑草写真と図鑑で確認!夏に多いツル性雑草 ワースト5
ここから、特に厄介なツル性雑草を紹介していきます。
クズ



クズは、鉄道や道路の脇、河川敷、空き地や公園など生育地は幅広く、ちょっと油断しているとクズだらけになります。また、大きくなると茎が硬くなるので、草刈り機に絡まると刃の回転が止まったり、足に絡まって転倒の原因になります。
本来は、根のデンプンがクズ粉になり、茎から取れる繊維は布の素材になるなど、とても役に立つ雑草なのですが、現代では利用するための手間がかかり過ぎるので、雑草として放置されています。クズは栄養が豊富なので江戸時代には、馬の飼料として使われていました。当時の人々は争いながら刈り集めていたほどなので、その人達がクズに頭を悩ませている現代の様子を見たらびっくりするかもしれません。
ヤブガラシ

街中では、ガードレールや街路樹、フェンスに絡まっているのをよく見かけます。4月頃に芽を出し始めて、夏になると一面に広がります。
葉はよく目立ちますが、花はとても地味なのでよく観察しないと気付かないくらいです。それでも、ハチには好まれるらしく、スズメバチやアシナガバチが花によく集まるので、草刈りの際にはハチがいないかよく確認してください。
ヒルガオ科の雑草


コヒルガオやマルバルコウは、同じヒルガオ科のアサガオの花とよく似ていて、ピンクやオレンジなどきれいな色をしています。
ただ、どちらもフェンスに絡まるので草刈りが大変です。主に道路脇や空き地に生えていますが、マルバルコウはダイズやトウモロコシ畑にも侵入します。畑に種子が散らばると、どんどん発生して作物をツルで覆ってしまうので、とても厄介な雑草になっています。
アレチウリ


アレチウリは河川敷などでよく見かけますが、他の雑草を覆うように伸びていきます。アレチウリは特定外来生物に指定されているので、生きたまま運んだり栽培することは法律で禁止されています。さすがに栽培することはないと思いますが、法律に違反すると個人では300万円以下の罰金、法人では1億円以下の罰金となるので注意が必要です。
刈り取ることは問題無いのですが、果実の周辺にトゲがあるので草刈りの際には分厚い手袋を準備してください。以前、軍手をして触ったら指に細かいトゲが刺さってしまい、取り除くのが大変でした。
カナムグラ


カナムグラは、他のツル性雑草と同じくフェンスや街路樹に絡まりながら広がっていきます。名前にある「ムグラ」という言葉は、生い茂って草むらを作る草という意味です。ビールに苦みを加える際に使われるホップ(セイヨウカラハナソウ)はカナムグラと同じアサ科なので、葉がよく似ています。
また、林の近くの草やぶにはカラハナソウという野生の植物が生えているのですが、こちらは栽培されているホップの変種と考えられています。このように、見た目が似ているものを探していくと、多くの雑草を覚えることができます。
ツル性雑草を放置するリスク
気が付けば、フェンスがツル性雑草だらけになっていたり、庭木が覆われているというくらいにツル性雑草は生育旺盛です。残念ながら、一気に減らす裏ワザはありませんが、できることをまとめてみました。
小さいうちに抜く方法と、根元・地下茎まで処理するコツ

ツル性雑草は、茎や葉を刈り取ってもすぐに再生するので、できるだけ根元から刈り取ることが大事です。大きく育ってしまうと、根元を刈るのが大変なので、雑草がまだ小さいうちに刈り取ることがコツです。
例えば、ヤブガラシであれば、4月頃に芽を出すので、この段階で刈り取ると作業が簡単です。また、ツル性雑草の多くは毎年、同じ場所から発生するので、芽が出始める春先からよく観察しておき、見つけたらすぐに刈り取ってください。その際に、根や地下茎を抜ければいいのですが、全て取り除くのは難しいので、あまり無理をせずに、伸びてきた茎や葉をこまめに刈り取る方法がおすすめです。
防草シートでツル性雑草の発生を抑える方法

ツル性雑草が生えてくる場所に防草シートを敷いてしまえば、発生を抑えることができます。その際には、シートを敷く前に雑草を全て刈り取ること、土がボコボコだと隙間ができてしまうので、平らにすること、風で飛ばされないようにシートをしっかりと固定することが大事です。
それでも、シートは数年で劣化していくので、隙間から雑草が生えてくることがあります。防草シートは、フェンスや人工物の周囲など草刈りのしにくい場所に絞った使用が効果的です。
早めの対策を!
どっちみち草刈りをするならば、雑草が大きくなる前に刈り取る方が断然楽で効果的です。夏は炎天下の作業となる上に、巨大化した雑草は茎が木のように硬くなるので作業が中々進みません。しかも、刈り取った雑草が大量のゴミになってしまいます。
そんな訳で、とても地味な方法ですが、雑草がまだ小さい春のうちに刈り取ること、茎や葉が復活してきたら再び刈るということを何回か繰り返すのが一番楽な管理方法となります。




