磯野貴理子さんが推す、海鳥の楽園「天売島」の魅力とは | 自然観察・昆虫 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル

自然観察・昆虫

2026.07.23

磯野貴理子さんが推す、海鳥の楽園「天売島」の魅力とは

磯野貴理子さんが推す、海鳥の楽園「天売島」の魅力とは
夏がオンシーズンの天売島(てうりとう)。その魅力をたっぷり紹介します!

鳥の撮影/磯野貴理子
Text
Source

磯野貴理子の推し鳥DIARY

第11回 鳥たちの楽園 天売島

磯野貴理子

1985年、お笑いアイドルグループ「チャイルズ」の一員としてデビュー。解散後はタレント、俳優としてマルチに活動。軽やかなトークとユーモアあふれるキャラクターでお茶の間の人気者に。

image
「羽幌町の観光大使になりました」。ハット¥4,400・シャツ¥6,400・パーカ¥10,230
問い合わせ先:モンベル・カスタマー・サービス TEL:06(6536)5740

突然ですがみなさん、天売島を知っていますか? 北海道の日本海側に浮かぶ島で、鳥好きのあいだではよく知られた海鳥の楽園のようなところです。「100万羽の海鳥と250人が暮らす“小さな地球”天売島」という島のキャッチフレーズのとおり、人口250人ほどの小さな島に100万羽もの海鳥が生息しているというんですから、すごいと思いませんか。
 
私が初めて天売島を訪れたのは昨年のこと。島についた瞬間から感動の連続でした。そのときのご縁もあって、今年の5月から天売島のある羽幌町の観光大使を務めることになりまして。島の魅力を伝えることで少しでも鳥たちの未来に役立てたら、これほどうれしいことはありません。そこで今回は、私が実際に体験した天売島の魅力をお伝えしたいと思います。
 
天売島へ行くには、札幌からまず沿岸バスで3時間かけて羽幌町へ。そこから港を出て、1時間ほど船旅を楽しんだら島へ渡れます。自然豊かな島で、コンビニはありません。東側には人が暮らし、断崖絶壁が続く西側には鳥たちが住む。そんなふうに天売島では人と鳥がうまい具合に共存しています。

空を埋め尽くす圧巻のウトウ

天売島といってまず名前が挙がるのは、ウトウという海鳥です。夜、親鳥たちが海からいっせいに巣へ戻る様子を観察するナイトツアーがあって、とくに鳥好きには大人気なんですよ。
 
私が所属する野鳥の会の先輩方は天売島へ行ったことがある方ばかり。島へ行く前、女性の大先輩に、「ウトウのナイトツアーは見たほうがいいですかね」と聞いてみたんです。そうしたら「圧巻よ。せっかく天売島まで行くのに見ないでどうするの!」と強く背中を押されましたっけ(笑)。正直いうと翌日のスケジュールを考えて躊躇していたんですが、ツアーに参加したらもう大興奮。
 
地元のガイドさんの導きでウトウを観察できるスポットへ行って日が沈むのを待つんです。ああ、島の海風は格別だなあなんて思いながらね。それであたりが暗くなるにつれ、海から戻ってくるウトウの数がどんどん増えていくんですよ。やがて羽音とともに、無数のウトウが飛んできて、空がまるで全部鳥になったような迫力です。先輩のおっしゃっていたとおり、本当に圧巻の光景でした。
 
ガイドさんに聞いた話によると、親鳥たちは朝、ヒナに与えるための魚を捕りに海へ出て、クチバシに魚をくわえながら懸命に巣へ帰ってくるというんです。眉毛みたいな飾り羽を持つ顔立ちで魚をくわえている姿は、ユーモラスでワイルド。何匹もの魚をくわえているウトウもいるんだけど、一匹とったあと次の魚をどうくわえるんだろうって不思議に思うの。ご存じの方がいたら、ぜひ教えていただきたいものです。

ひと目惚れしたケイマフリ

そして私のお目当てだった鳥はケイマフリ。以前、写真で見たときにひと目惚れして「この子に会いたい!」と密かに願っていたんです。全身黒ずくめですが目の周りは白くて、まっ赤な足がチャームポイント。なんとも愛嬌のあるかわいい鳥です。ケイマフリは断崖の小さな隙間で繁殖するそうで、日中に展望台から観察することができます。たいていつがいで行動しているんですが、それはそれは仲睦まじくて。ほほを寄せあったりしながら、イチャイチャしているの。「どれだけ仲いいのよ!」って心のなかで突っ込みつつ、そっと見守りました(笑)。

島旅は夏旅に最高!

天売島へは今年も訪れる予定です。昨年は会えなかったウミガラスに今度こそ会ってみたい。オロロンと鳴くので“オロロン鳥”とも呼ばれる鳥で、国内では環境省のレッドリストで絶滅危惧種に指定されている希少な鳥です。それに、ウトウもケイマフリも世界各地で数が減っている大切な存在。天売島に暮らす鳥たちはみんな島とともに生きています。この島が鳥たちの楽園であり続けるためにも、環境を汚さないよう、鳥たちの営みを邪魔しないよう心がけたいと改めて思います。
 
もちろん、天売島の魅力はバードウォッチングだけじゃありません。ウニは驚くほど美味しいし、植物観察にも最適。周囲12㎞の小さな島ですからサイクリングや徒歩でぐるっと一周巡っても楽しそうです。それに北海道の島へ渡るっていうだけでも、旅情をくすぐられますよね。
 
いつ訪れてもわくわくする島ですが、オンシーズンは海鳥の繁殖期にあたる夏。島中が賑やかになります。思い出したらすぐにでも飛んで行きたくなってきました。この夏、皆さんも天売島を目指してみませんか。

憧れのケイマフリを撮りました!

image

澄んだ海にケイマフリの鮮やかな赤い足が映える飛翔シーンを撮影できました。つがいの仲がとてもよい海鳥として知られ、抱卵は雄雌が交代で行なうそう。岩場で寄り添う姿からも仲のよさがうかがえ、微笑ましい光景です。

image
image
©北海道海鳥センター

天売島はウトウの世界最大規模の繁殖地。春になるといっせいに飛来し、断崖は親鳥たちが掘った巣穴で埋め尽くされます。

image
©北海道海鳥センター

捕獲した小魚を口いっぱいくわえて陸地に帰ってきたウトウ。ほかの鳥に横取りされないよう急いで巣穴へ戻ります。

image
©北海道海鳥センター

直立した立ち姿と白黒のタキシード模様がペンギンに似ているウミガラス。泳ぎが得意で、エサをとるときは空を飛ぶように泳ぎ魚を捕らえます。

【出演情報】CSフジテレビTWO「はやく起きた朝は…」(新作エピソード毎月第2日曜日 6:30〜7:00)が放映中。
フジテレビ「ホンマでっかTV」毎週水曜日21:00〜21:54 出演中。

※構成/安井洋子 撮影/三浦孝明

(BE-PAL 2026年7月号より)

NEW ARTICLES

『 自然観察・昆虫 』新着編集部記事

磯野貴理子さんが推す、海鳥の楽園「天売島」の魅力とは

2026.07.23

大人の自由研究のはじまり! 自然色のカラーチャートを作ってみよう

2026.07.19

45年ぶり! 新種の鳥も発見!! 日本で見つかったオドロキの新種生物4種とは?

2026.07.19

苔が鉱石になる!?群馬県にある国内最大級の「チャツボミゴケ」の群生地の謎を探る

2026.07.15

家の裏の自然林で繁殖中!小さな猛禽類・ツミの子育てを見守る

2026.07.03

うっかり食べてしまうと、神経の伝達が阻害され錯乱して走り回る……という毒草とは?

2026.06.29

世界自然遺産の穴場で楽しむ!コケ&動物観察ハイキングin 鹿児島県屋久島町

2026.06.20

全国のコウモリ大好きっこが大集結!「コウモリフェスティバル」って知ってる?

2026.06.19