「空に浮かぶよう」スイスの名峰アイガー北壁を眺める稜線トレイルコース【ハーダーグラート】へ! | アウトドア・外遊び 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル

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2025.08.29

「空に浮かぶよう」スイスの名峰アイガー北壁を眺める稜線トレイルコース【ハーダーグラート】へ!

「空に浮かぶよう」スイスの名峰アイガー北壁を眺める稜線トレイルコース【ハーダーグラート】へ!
雄大なアルプスと青く輝く湖を見下ろす絶景トレイルの「ハーダーグラート」。スイスで最も美しい稜線トレイルの一つとして知られ、細い稜線を歩くドローン映像がSNSで話題になり、そのスリルと絶景を求めて、世界中から多くの登山者が訪れる人気スポットとなりました。

キャンピングカーで暮らしながらヨーロッパを旅している私たち夫婦も、スイスに来たら「ここだけは絶対に歩きたい」と心に決めていた場所です。フル縦走すれば25km超のロングコースで、高度感のあるスリリングな稜線が続きますが、今回は日帰りでも楽しめる短縮ルートに挑戦しました。

息を呑むような絶景と、足がすくむようなドキドキが待つハーダーグラートでのハイキング体験を、たっぷりとお届けします。

まるで「天空トレイル」のハーダーグラートとは?

スイスのハーダーグラート
まるで雲の上を歩いているかのような、細く美しい尾根道が続くハーダーグラート。

Hardergrat(ハーダーグラート)は、スイス中部のインターラーケン近郊に位置する稜線トレイルです。両側が切り立った崖になっているスリリングな区間も多く眼下にはターコイズブルーに輝く湖、そして遠くには名峰アイガーやユングフラウと、まさに夢のような絶景が広がります。

ルートは、インターラーケンのハーダークルムからブリエンツ・ロートホルンまでを結ぶ全長約25kmの稜線縦走。所要時間はケーブルカーと登山鉄道を利用しても10~12時間ほど。標高差も大きく、幅の狭い稜線が続くため滑落リスクもあり高所が苦手な方には厳しいコースです。距離・時間・体力・技術のすべてが求められる、上級者向けのコースになります。

そんな中で私たちが歩いたのは、ハーダークルムからAugstmatthorn(アウグストマットホルン)までの短縮ルートです。比較的短く日帰りでも可能なコースで、フル縦走に比べれば難易度もやや控えめのため、初めての人はこちらから挑戦するのがおすすめです。とはいえ所要時間は7~8時間ほど。アップダウンもあり、健脚者向けのコースになります。また、雨や強風の日は滑落の危険が高まるため天候の確認と無理のない行程計画がとても重要です。

いざ、絶景を求めてハイキングスタート

ハーダークルム登山鉄道は、インターラーケンから気軽にアクセスでき、とても便利です。

ハーダーグラートのスタート地点である標高1,322mのハーダークルム展望台へは、インターラーケンからケーブルカーを使ってアクセスすることが可能です。乗車時間は約10分で料金は片道22CHF(約4,000円)。ただ、私たちは節約しながらのキャンピングカー旅ということもあり、ここはひとつ自力で登ることにしました。

序盤は樹林帯の中を登っていくルートが続きます。

朝のうちは木漏れ日が気持ちよかったものの、途中からはかなりの急斜面もあり汗が噴き出すほどの蒸し暑さに。木々に覆われているので景色もほとんどなく、登山者の姿もあまり見かけなかったので、「たぶんみんなケーブルカーで上がるんだろうな」と納得です。

ハーダークルム展望台は、気軽に絶景を楽しみたい人にぴったりのスポット。

そんな道をひたすら登ること約2時間。木々が少しずつ少なくなり、ようやく森林限界を越えハーダークルム展望台へと到着です。そこには先ほどまでの静けさが嘘のような賑やかさで多くの観光客が楽しんでいました。レストランや展望テラスも充実しており、アイスクリームやビールを飲みながら涼しそうに眺めを満喫している人達でいっぱいです。

展望台からはインターラーケンの町並みとブリエンツ湖・トゥーン湖が輝き、まさに絶景。

ただ、私たちの今日の目標はまだここではありません。軽く休憩を済ませたら、観光客で賑わう展望台をあとにして、さらに上を目指します。

木々に覆われて、なかなか景色が見えないのが残念。

「展望台を過ぎたら、いよいよ開けた稜線かな」と期待していたのですが、実際にはもうしばらく森林帯の中を歩く尾根道が続きます。ただ、時折木々の間からチラリと覗く湖の青さやアルプスの山並みが見えたときの感動は絶大です。「早く稜線に出たい!」という気持ちが湧いてきて、自然と歩みも軽くなっていきました。

こうしたチラ見えの絶景に励まされながら前へ進みます。

道はしっかり踏み固められていますが、場所によっては木の根やぬかるみがあり、油断はできません。このあたりまで来ると、すれ違う人の数はさらに少なくなり、周囲はとても静かで、自分たちの足音だけが響く中歩くことができました。

登山開始からおよそ4時間、ようやく森林帯が途切れ一気に視界が開けて待ちに待った稜線歩きが始まりました。

遠くにポツンと見えるのが、今日の頂上のアウグストマットホルン!

いよいよハイライト。空に浮かぶような稜線歩きへ

ついに稜線スタート!どこまでも広がる空と景色に心まで軽くなるような感覚に包まれます。

視界が一気に開けた瞬間、思わず「わぁ…」と声がもれます。右手にはブリエンツ湖の鮮やかなターコイズブルーが太陽にきらめき、左手にはスイスらしい可愛らしい家々が点在するのどかな牧草地の風景が広がっています。

気分はまるで「アルプスの少女ハイジ」(笑)

そして、さらに歩みを進めるとついに姿を現したのが名峰アイガー。

遠くに連なるアルプスの山々。その壮大さにただ圧倒されるばかりです。

これが、数多くの登山者や旅人の憧れとなっているアイガー・ノルトヴァント(北壁)か…と、しばし見入ってしまう迫力。運がよかったのか、この日はアイガーの姿がはっきりと見えて雲にも隠れずにその存在感を存分に味わうことができました。歩くほどに広がる絶景に心はウキウキで、まるで空に浮かんで歩いているような感覚になります。

どこまでも続く稜線歩きはやっぱり最高!

そんな中を進んでいくと、いよいよ終盤の標高2,137mのアウグストマットホルンへのラストスパートの登りに差し掛かります。岩場の急登では、場所によっては両手を使ったりロープを掴みながら登るところもあり、少しドキドキするようなスリルもあります。

山頂手前の登りはかなり急で、ここを前に折り返す登山者もちらほら。でも私たちは「せっかくここまで来たんだから!」と覚悟を決めて登ることに。

下から見上げるその山頂は、まさに空中に突き出たような姿で、高度感は抜群。

両側が切れ落ちた尾根道は、場所によっては幅が1mもないほどの細さでスリル満点。風が吹き抜けるたびに少し緊張感が走ります。高所が少し苦手な私は、「大丈夫、あとちょっと!」と自分に言い聞かせながら、慎重に一歩一歩登っていきました。

アウグストマットホルン登頂!歩いた人だけが知るスイスの宝物

ドローンの映像はさらに臨場感を増します。

そしていよいよ、アウグストマットホルンの山頂に到着!そこに待っていたのは、言葉を失うほどの360度パノラマビュー。

下には美しい湖、そして遠くには雪に覆われたアルプスの山々!言葉を失うほどの美しさです。

登ってきた苦労が一気に報われるような、そんな景色が広がっていました。前方にも後方にも見渡す限りの稜線が続き、空との境界に自分が立っているような錯覚にさえなります。

目の前に広がる大パノラマ。稜線を歩く時間は、空の中を旅しているような感覚に。

さらに先には、ブリエンツ・ロートホルンまで長く続く、細く険しい稜線が見え、冒険心をくすぐられます。ただし、ここから先は、より高い技術と装備が必要な上級ルート。私たちはここをゴールと決めて、景色を堪能してからゆっくりと下山することにしました。

ここから先はスリル満点の道のりが続きます。いつか挑戦してみたい!

帰りは来た道を引き返して下山ですが、朝から歩きっぱなしでさすがに体力も限界に。ハーダークルム展望台までなんとか歩き切り最後はケーブルカーを利用して、インターラーケンへ戻ることにしました。

この日の歩行距離は往復約23km、標高差は1,700m、所要時間は休憩も含めておよそ10時間。なかなかハードな行程でしたが、その分、歩いた人にしか味わえない絶景と達成感があり、忘れられない体験になりました。

ハーダーグラートは、スリルと絶景を兼ね備えたスイスの唯一無二のトレイル。空に浮かぶような稜線の上を、冒険感覚で楽しみたい人にぜひおすすめしたいルートです。

ルアナさん

トラベルライター

2023年1月から夫婦でキャンピングカーに暮らしながらヨーロッパを周遊中!登山、キャンプなどのアウトドアが大好きで、ヨーロッパでもアルプスや色んな地域の山を登っています。夫婦の長年の夢だったキャンピングカー暮らしで旅をして、有名観光地だけでなく、ガイドブックにも載っていないような秘境スポットをどんどん巡り、キャンピングカーライフや海外登山などリアルな体験談をお届けします。

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