

はくちょう座の首は曲がっているか!?
8月下旬の天文現象として注目されるのが、はくちょう座の変光星χ(カイ)。明るさが極大を迎えます。最大3等まで明るくなる可能性があるのですが、昨年は4.5等星まで明るくなりました。今年はどこまで増光するのか? 星

はくちょうの長い首の中間に位置するχ。ふだんはサドルとアルビレオを結んだほぼ真っ直ぐな首ですが、χが明るくなると首が少し曲がって見えそうです。
8月終盤ともなると、はくちょう座は日が暮れた時点で高く昇っています。8月は上旬から日の出前の金星、木星、水星の接近が見どころでしたが、早起きが苦手な人にはちょっとキツかったでしょう。はくちょう座χの観察は日が暮れてからでOK。1等星のはくちょう座のデネブ、こと座のベガ、わし座のアルタイルで作る夏の大三角も見ごろを迎えています。
9月1日の夜明け、金星がかに座のプレセペ星団におじゃまします
8月も後半になると、夜明け前、東の空は冬の星座たちに彩られます。見逃せないのが9月1日の夜明け前。金星がかに座の四角の中に入ります。

夏の終わりの夜明け前の空はこんなににぎやか。金星のプレセペ星団入りは9月1日(月)未明ということで、二学期は超早起きで始めよう!
かに座といえばプレセペ星団(M44)が有名です。数百個の星が集まった散開星団で、空が暗ければ肉眼でもぼんやりとした光が見えます。かに座自体は目立たないのですが、マイナス4等級の金星の来訪となれば必ずや見つけられるでしょう。

ただ金星が明るすぎて、プレセペ星団の星たちがかすんでしまう可能性があります。どんなふうに見えるのか、双眼鏡を携えて観察してみましょう。夏休みの自由研究がまだ終わってない! と焦っているお子さんにとっては、二学期の始業式直前のラストチャンスになります。
夜明けから夜中まで今年は見どころの多い8月の後半です。キャンプや旅行で暗い場所に行くときは双眼鏡を忘れずに!
構成/佐藤恵菜