クルーザーに愛されるメキシコの街・ラパスって知ってる?2カ月滞在して感じたこと | 海外の旅 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル

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2023.07.10

クルーザーに愛されるメキシコの街・ラパスって知ってる?2カ月滞在して感じたこと

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みなさん、こんにちは。セーリングヨットSANTANAで世界一周に挑戦中、前田家の麻裕です。

前回の寄港地、バハ・カリフォルニア半島最南端に位置する街カボ・サンルーカスを起点に、ここからはメキシコ本土側へ南下するルートと、半島を内側に周りカリフォルニア湾(コルテス海)へと進むルートの二手に分かれます。

当初はカリブ海クルージングへの憧れを捨てきれず、メキシコ本土を全速力で南下しパナマから運河を超えてハリケーンの影響の少ないカリブ海の南まで行く予定でしたが、実際に自然の力の凄まじさを目の当たりにしてあっさりと目的地を変更しました。

前回登場したカナダ人セーラーのSさんは、そんなことはお構いなしで引き続き壊れたボートで南へと爆走を続けて行ったため、ここでお別れとなりました。ちなみに、この後もSさんとは度々再会し、最終的には主人のことをブラザーと呼ぶまでになっていました(笑)。

ハリケーン後のような余韻を残して去っていたSさん。

コルテス海は「世界の水族館」といわれる海洋生物の楽園

コルテス海は、バハ・カリフォルニア半島と北米大陸の間に位置します。

栄養豊富な海は世界で最も多様な海洋生物が見られる場所の一つとされており、そのバラエティの豊かさかは、かつてフランス人海洋生物学者のジャック=イヴ・クストーに「世界の水族館」と形容されたほどです。

日本でもダイバーの方にはその名前を知られた場所のようですが、恥ずかしながら実際に訪れてみるまでこの海域について全くの無知で、こんな場所に海洋生物の楽園があったのかと驚きました。

私達はハリケーンの避難場所としてコルテス海行きを決めましたが、穏やかな内海、船でしかアクセスできない絶景の数々と、調べてみればみるほどこのユニークなクルージンググラウンドへの期待が高まっていきました。

脳内の椰子の木を一旦サボテンに置き換えて、いざコルテス海のクルージングへ!

まずは、準備と修理(船のメンテナンスに終わりはない……)のため、バハ・カリフォルニア・スル州の州都ラパスを目指します。

クルーザーに愛される街ラパスとは?

半島をぐるり内回りし、北へ船を進めると、ラパスの街が見えてきます。

街へと続く長いチャンネル(船の通り道)の入り口。

毎年秋に開催されるサンディエゴ発、人気のクルージングラリーBaja-Ha-Ha(楽しむことを目的に、集団でゆるく順位を競いながら目的地に向かうイベント)で訪れるボートも多く、オンシーズンには100隻を超えるボートが停泊することもある広大な投錨地。

クルーザーが集うのはヨットクラブが併設されているマリーナ・デ・ラパス。

設備の整った複数のマリーナ、様々な修理に対応したボートヤードなど、遠隔地とは思えないほどクルーザーにとって必要なものが全て揃っている、なんとも便利な場所となっています。

規模は比べ物になりませんが、クルーザーフレンドリー具合ではメキシコ版サンディエゴといった雰囲気を持つ港町です。

あまりの居心地の良さから、各地からボートでやってきては住み着いている人も多くいるのだとか。
マリーナだけでなく、投錨地にも10年以上同じ場所に停泊している年季の入ったボートが多いことを知った時には驚いたものですが……。そんな私達も準備のために短期滞在するつもりが、なんと2ヶ月半も経っていました!

これが世間で言われる、長期旅行中の人が居心地の良さから本来の旅の目的を忘れ、一箇所に長逗留してしまう「沈没」というやつ!?と気がついた時にはすっかり時間は過ぎ去っていたのでした。

前田家的ラパスのリアルな魅力

それでは早速、この街の住みやすさを、身をもって体感した前田家的ラパスの魅力をご紹介していきたいと思います。

上品なリゾート地の奥にあるディープな活気

まずは、中心地からから郊外のビーチへと続く、マレコンと呼ばれる美しく整備された海沿いの遊歩道を歩けば、リゾート地としてのラパスの美しさを存分に味わうことができます。

ただ、リゾート地の海岸沿いは品の良いレストランとお土産物屋さんが立ち並び、良くも悪くも同じような顔をしているのも確か。

街の奥へ進んで、タコススタンドが立ち並ぶ雑多な通りや、賑わう市場から、ここで暮らす人達の熱量を体感すると、街の本当のキャラクターが見えてくる気がします。

港町に似合う可愛い建物。レストラン兼SUPやカヤックのレンタル、販売、ツアーも行う人気のショップ。

リラックスムード漂うビーチフロントのレストラン。

ローカル一押しのタコススタンド。メキシコ版屋台飯。

メキシコはトロピカルフルーツ天国。市場の生搾りジューススタンドで休憩。

夜型が当たり前!?ラパスで学んだ仰天メキシコ生活

さて、私達がラパスを訪れたのは7月から9月の1年で最も暑い時期でした。

内陸にはサボテンが広がる乾燥した気候のバハ・カリフォルニア半島。真夏の日中は危険なほどの暑さです。

日本の夏も酷暑が続き、日中は無用な外出を控えている人が多いのでは。ラパスでも市内が活気付くのは日没後でした。

観光客の多くは、ビーチへ繰り出したり、周辺の島でシュノーケルやダイビングなどマリンアクティビティを楽しんだり、様々な乗り物で風を切って陸の上を疾走したり、活動的に過ごして暑さを乗り切っているようでした。

人通りもまばらな日中のマレコン。ストリートアートに注目しながら散策が楽しめる。ただし、日陰がないので猛烈に暑い。

日が落ちて涼しくなると、どこから出てきた!?というくらいの人手で賑わいを見せる。

夜になると、ランニング、ローラースケート(なぜか大人気)、ビーチバレーに興じる人達がいて、みんな昼間のように活発です。

どうやら地元の人も昼間は省エネモードで、夜に向けてエンジンがかかってくるらしい。

夜型生活は暑さが厳しくシエスタ(長〜い昼休み)の習慣があるメキシコでは理にかなっていると思いますが、それにしても1日の終わりとは思えないアドレナリン全開具合に圧倒されます。

夏休み中とはいえ、子ども達で賑わう夜10時の公園に仰天!

夜の公園へ行くと、子ども連れの家族で賑わう驚きの光景が!

日本では涼しい早朝に子どもを公園へと連れて行くことはあっても、夜の子連れ外出はあまりない気がします。

逆に前田家が生活していたニュージーランドでは、小学生でも7時には寝ている子が多く、それはそれで早過ぎてびっくりしていたのですが、所変われば子育ての方法も違って面白いですね。

ラパス観光の中心はやっぱり自然!

市内の見どころはコンパクトにまとまっているため短時間で散策可能ですが、ラパス観光の中心は何といっても周辺の自然の中にあります。

眼前にはイルカやウミガメが悠々と泳ぐ広々とした湾、周辺には美しいビーチや島の数々、内陸には冒険心をくすぐる乾いた土地。

海へ、内陸へ、アウトドアアクティビティには事欠きません。

ハリケーンの心配がなくなる11月から5月が観光のハイシーズンになりますが、特に、10月から4月は豊富なプランクトンを求めてラパス湾に回遊してくるジンベイザメに高確率で出会えるチャンス!海のアクティビティ中心ならこの時期が狙い目です。

マリーナで出会ったラパス近郊の海を知り尽くす男、ベンジャミンさん。それにしてもキャラが濃い。

ベンジャミンさんは、地元で人気のカヤック・シュノーケリング・ダイビング・ハイキングインストラクターであり、ラパス在住の日本人全てと知り合いという大の親日家でもあります。

楽しい時間が約束されたベンジャミンさんと行くアドベンチャーツアー、ラパスにお越しの際は是非チェックしてみてください(英語、スペイン語、ちょこっと日本語で対応)。

バハ・カリフォルニア半島はオフロードレースの舞台としても有名。一際目を引くCan-Amのクールなオフロードカーで市内から程近い場所にある砂丘を疾走するツアーは、陸で人気のアクティビティ。

ラパスへの移住は大正解!

ラパスのヨットクラブ。モーニングティータイムや各種講座が開かれ、クルーザー憩いの場になっている。

ヨットクラブでは、メキシコシティから移住してきた素敵なメキシカンファミリーに出会いました。

移住をきっかけに旦那様は脱サラをして、ボートのチャータービジネスを始めたのだとか。ボートを貸し出していない時は3人の子どもを連れてセーリングに出かけ、都会では想像もできなかった充実した生活を送ることができているのだそう。ラパスへの移住は大正解だったと話してくれました。

知らない土地への移住は誰にとっても大きな決断だと思いますが、こうしてポジティブな話を聞けると、理想の生活を送るための一歩を踏み出す勇気をもらえる気がします。

そして、何とこのチャーターボート、マリーナに停泊中は人気のAirbnb(エアービーアンドビー)で滞在することもできるんです!

ホテル滞在とは違った面白い体験としてありではないでしょうか。オプションでセーリング体験も可能で、こちらもとてもおすすめ。

URL:https://www.airbnb.com/rooms/552976857580486156?source_impression_id=p3_1688445681_evzGHw9YbI8DVnwZ

ラパスはクルーザーにとって特別な場所

ラパスは観光地としてほどほどの賑やかさがありながら、メキシコの中では治安が良く、人もとってもフレンドリー。個人的にはメキシコで暮らすならココだなと思える要素が詰まっていました。

もちろん観光で訪れても楽しい街で、特に田舎のリラックスした雰囲気の中でアクティブに過ごしたいという方にはぴったりの滞在先だと感じました。

何度見ても飽きない夕焼けに染まるラパス湾。コルテス海への玄関口という立地は、この街をクルーザーにとって特別な存在にしている。

それでは、また次回。

私が書きました!
旅する一家
前田家

4歳の娘と6歳の息子を連れて、セーリングヨットSANTANAで放浪中の4人家族。2022年3月、カリフォルニアを出航。寄り道をしながらゆっくりと世界一周を目指します。海の上でサステナブルな暮らしを模索中。
Instagram:@svsantanajp
YouTube:https://www.youtube.com/@sailingsantana

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