2022年最大の天文ショー!8日は皆既月食に「天王星食」が重なる激レアの夕べ | 天体観測・星 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル

天体観測・星

2022.11.07

2022年最大の天文ショー!8日は皆既月食に「天王星食」が重なる激レアの夕べ

8日18時からスタンバイ!日本全国で見られる皆既月食

今年最大の天文ショー、皆既月食ががいよいよ118日の宵から始まります。
東京では月の出が1632分です。月が欠けはじめるのが189分なので、東の空から部分月食が始まります。完全に影に入って「皆既食」になるのが1917分。皆既食が終わるのが20 42分。今回は1時間半くらい、じっくり楽しめます。

18時9分の東京の東の空。月のうさぎの足元の方からじわじわ欠けていきます。(画像:ステラナビゲータ/アストロアーツ)

皆既月食の見どころはいろいろありますが、まず色を楽しんでください。部分月食中は地球の影になる「本影」に入った部分が黒く欠けていきますが、皆既月食になって明るい部分がなくなると、暗いところがほのかに赤く光っているのが見えてきます。よく「赤銅色」と表現されます。空に浮かぶ赤銅色の月。皆既月食の醍醐味です。これだけ月が暗くなると、月の周辺の星がチカチカと輝き始めます。東に15度ほど離れているプレアデス星団(すばる)を月と一緒にながめるのもおもしろそうです。

天王星デビューの大チャンス

今回の皆既月食は、「天王星食」という現象が重なる滅多にないレア皆既です。

東京から見た、皆既中の月と天王星。20時30分にはスタンバイしておこう。双眼鏡や望遠鏡はしっかり三脚を立て、あらかじめ天王星の潜入角度を確認しておこう。「星ナビ」や「iステラ」などのモバイルアプリが役に立つ。(画像:ステラナビゲータ/アストロアーツ)

天王星といえば、太陽系の8つある惑星の中で2番目に、太陽から遠い惑星。肉眼で見たことがある人はとても少ないのではないかと思います。明るさは5〜6等星くらい。双眼鏡で見つけるのもなかなか難しい天体です。その天王星が、この皆既月食中に見ごろを迎えます。

肉眼ではよほど暗い空とよほど高い視力がなければ見えませんが、実はこのところ天王星は木星と火星の間にいます。11月になると、太り始めた月と天王星がどんどん近づいていき、118日、ついに天王星が、ちょうど皆既月食中の月の後ろに行って隠れてしまいます。天体が天体を隠すことを正式には「掩蔽(えんぺい)」と呼びますが、月が太陽を隠す「日食」のように「食」ということもあります。月に食べられたみたいに見えるからでしょうか。

そして、いつもの月なら、食になっても月の光が明るすぎて天王星は見えません。でも、皆既中の月は暗い! 赤銅色の月の縁に天王星が隠れていくのがチラリと見える大チャンスです。双眼鏡があれば確実に見えるはずです。少し大きな望遠鏡を使った観望会やライブ中継に参加することができれば、天王星が点ではなく小さな丸に見えることでしょう。

いちばんの見どころは、天王星が月に隠れる瞬間(潜入といいます)です。緯度によって多少違いますが、だいたい月の左下寄りから潜入します。

<潜入と出現の時間>
札幌 204948秒→214857
仙台 204549秒→213257
東京 204148秒→212256
大阪 203143秒→212053
福岡 202237秒→211749
那覇 201333秒→205442
(アストロアーツ調べ)

惑星といっても、見た目はほとんど点に過ぎません。潜入の位置を確認し、時間をしっかり合わせて狙いましょう。双眼鏡を使えば、潜入の始まりから月に完全に隠れるまでに10秒ほどかかるのがわかるかもしれません。大気の状態によりますが、うまくすれば、色も確認できるかもしれません。天体写真では天王星は青に近いのですが、以前、私が観察した天王星は緑っぽい印象でした。

次に皆既月食中に天王星食が起こるのは、なんと2235年です。マイナーな惑星ではありますが、ある意味で数百年に一度の見やすい瞬間を迎えようとしているのです。皆既月食中にぜひ、双眼鏡を向けてみてください。 

ハッブル望遠鏡がとらえた天王星。 CREDITS:NASA, ESA, L. Sromovsky and P. Fry (University of Wisconsin), H. Hammel (Space Science Institute), and K. Rages (SETI Institute)

なお、アストロアーツでは「皆既月食×天王星食LIVE」を配信します。もし、曇り空になってしまった時は、こちらをのぞいてみてください。https://youtu.be/Ka5iWbJCc9E

構成/佐藤恵菜

私がガイドしました!
星空案内人
廣瀬匠
星空案内人 天文系ライター。株式会社アストロアーツで天文ニュースの編集などに携わる。天文学の歴史も研究していて、パリ第7大学で古代インドの天文学を 扱った論文で博士号を取得。星のソムリエ®の資格を持つ案内人でもある。アストロアーツより、宇宙の不思議に出会うモバイルアプリ「星空ナビ」iPhoneAndroid版無料公開中。

NEW ARTICLES

『 天体観測・星 』新着編集部記事

北の空に輝く五角形のぎょしゃ座。なぜ戦車を発明した男性は子ヤギを抱えているのか?

2026.02.11

仲良し兄弟には別の顔がある? ふたご座兄弟の秘密に迫る

2026.01.24

2026年1月7日の「レグルス食」で、暗い空にしし座の心臓が出現!

2026.01.01

2026年見ておきたいドキドキ天文現象5選! 「レグルス食」「金星と木星の接近」「新月の夜の流星群」ほか

2025.12.28

今年最後の天文ショーは年越し「すばる食」!南の「長寿の星」も見るチャンス!

2025.12.27

【2025年】12月14日から見頃!「ふたご座流星群」を木星、冬のキラキラ星座と一緒に観察しよう

2025.12.12

15年に一度の大チャンス! 「土星の環」が11月25日に消える?

2025.11.24

地域で見え方が違う! 2025年11月6日〜7日の「プレアデス星団食」を観察しよう

2025.11.05

新発見の2彗星が同時に見られる! 西の空にレモン彗星、南の空にスワン彗星のサプライズ

2025.10.19