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高野山に集う人々の思いを追体験する3つの参詣道

2019.04.30

1200年以上の歴史をもち、弘法大師空海の瞑想する高野山には、その歴史の重みや神秘的な空気に惹かれて、多くの人が訪れます。約1000mの山々に抱かれた高野山は、昔の人々の足跡がたくさん残っています。

今回は、高野山でゲストハウス「高野山ゲストハウスKokuu」を営む高井さんに、その足跡を感じることのできるスポット3つを教えていただきました。

女人道(にょにんみち)

提供:Kokuu高井さん

明治5年に女人禁制が解かれるまで、高野山では女性の入山を厳しく規制していました。山への立ち入りを禁じられていた女性が、高野山をお参りする道は唯一つ。境外でかつ、ご神仏からなるべく近い場所でお参りをすること。

高野山には、「高野七口」と呼ばれる7つの街道があり、各入り口に女性が参籠するためのお堂「女人堂」が建っていました。この7つの女人堂をつなぎ、高野山をぐるりと囲む約16kmの山道が「女人道」。女性の祈りの道です。

7つあった女人堂も、現在では高野山駅から一番近い「不動坂口女人堂」が残るのみとなっています。

高井さんから一言

女人道は、今は木や草が生い茂っていて、高野山の境内を見ることは難しいですが、昔はもっと見通しがよかったそうです。境内に入れないのにお参りに訪れた女性は、本当に強い思いをもっていたのだと思います。その中には、お坊さんとして修行する夫や息子の身を案じていた人もいたかもしれません。

人気があるハイキングコースですが、夏はハチやヘビなどと遭遇する可能性があるので十分な装備をしていくのがおすすめです。

町石道(ちょういしみち)

提供:Kokuu高井さん

高野七口のひとつ。弘法大師が高野山を開山して以来の信仰の道とされてきた、慈尊院(和歌山県伊都郡九度山町)から高野山(和歌山県伊都郡高野町)を歩く表参道です。

弘法大師空海が開山以降、月に9度はこの道を通って慈尊院に滞在していた母に会いに行っていたことから、「九度山」の地名がつけられました。

全長は、24km。道沿いには一町(約109m)ごとに卒塔婆の形をした町石が置かれていて、道しるべの役割だけでなく、参拝者が一つひとつ礼拝しながら高野山へ向かっていた、と伝えられています。

高井さんから一言

7〜8時間かけて歩くハイキングコースとして人気があります。

この道にある町石の数は、密教における胎蔵界(真理の実践的な側面・現象の世界)の仏の数と同じです。更に、町石道を上りきった境内の根本大塔から奥の院までの町石は36基ですが、これに弘法大師御廟を加えた37という数字は金剛界(真理の論理的な側面・精神世界)の仏の数と等しくなります。

私自身、去年の夏から町石道のガイドをやっていますが、単なる山道ではなく、人の祈りが残っている道であるところに魅力を感じます。

熊野古道・小辺路(こへち)

提供:Kokuu高井さん

高野山と熊野を、最短距離でつなぐ参詣道です。標高1,000m以上の峠を3度も越える必要があり、なかでも最も標高が高い伯母子山は、頂上で360度のパノラマを楽しむことができます。

熊野参詣道の中では最も険しく、中級者以上向けの道ですが、途中には三十三観音像の石仏や茶屋後などがあり、石畳なども残っている、美しいコースです。

高井さんから一言

峠に対して迂回路をとらず真正面から挑む道で、そういうところに修行的な要素を感じます。熊野古道と言えば中辺路(なかへち)が有名ですが、小辺路のよりワイルドな感じが好きです。

全長約72kmで、踏破するのに3泊4日かかり、険しいところがたくさんあるので、歩きなれている人向け。今後、小辺路のガイドも本格的に始めたいと考えているほど、魅力的な道です。

さっそく、女人道を歩いてみました

高野山の入り口である「大門」に向かって左側にある登山口から、女人道を実際に歩いてみました。しばらく鳥居をくぐる道が続きますが、訪れた3月は、落ち葉もつもり、足元も少し安定しないようでした。

そのまま15分程歩いていくと、弁天岳の頂上に到着します。ここに建っている嶽弁才天社(だけのべんざいてんしゃ)を通り過ぎると、今度は下り坂。不動坂口女人堂に通じる道を進んでいくことになります。

不動坂口女人堂への道のりは、大門から登る道に比べて木の根っこがニョキニョキと地面から出ていて、足場になってくれます。

15分ほどをひたすら歩いたところで、終着点が見えてきました。

登って下って30分ほど。そんなに難しい道ではありませんでしたが、今回歩いてみたのは、女人道のごく一部。ぐるっと一周、しかも着物と草履で歩いていた当時の人達のことを考えると、頭が下がります。

しかも、「木や草で高野山境内を見ることは難しい」と高井さんが言っていたように、山道から境内を見ることはできませんでした。見えたとしても、かすかなに大塔が見えるくらい。

境外でお参りをしていた女性たちは、どのような心持ちでこの道を歩いていたのでしょうか。女人禁制も解かれ、自由に出入りできるようになった今、それを知るのは難しいのかもしれません。

女人道にはポイントごとに立て札が建っていて、道に迷わず進むことができます。高野山宿坊協会のウェブサイトで地図も入手できるので、訪れる際にはぜひ参考にしてみてください。

問い合わせ

一般社団法人 高野町観光協会
〒648-0211
和歌山県伊那郡高野町
高野山359-3
TEL:0736-56-2468

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