情熱大陸で超注目!長谷川在佑さんの野生食材料理「雑キノコの炊き込みご飯」 | 料理・レシピ 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル
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    2019.03.11

    情熱大陸で超注目!長谷川在佑さんの野生食材料理「雑キノコの炊き込みご飯」

    料理人
    神宮前の『傳』店主
    長谷川在佑さん
    少年時代から釣りと野生食材の採集を楽しむ。開店から3年でミシュラン2つ星を獲得し「2018年世界のベストレストラン50」では17位(日本最高位)を獲得。

    今、日本でもっとも予約の取れない日本料理店のひとつが東京・神宮前の「傳」。そんな人気店を切り盛りする長谷川在佑さんが、野生食材を、探して、捕って、自由自在に料理!

    雑キノコの奥深さを知ったのは郷土料理

    流通に乗らない「雑キノコ」の深い世界を私に教えてくれたのは、山中の宿や郷土料理のお店でした。季節になると山奥に出むき、キノコの名前と食べ方をひとつずつ学んでいきました。もうひとつの先生はヨーロッパの料理人たちです。彼らは野生キノコに本気なので、出かけるたびに現地のシェフと共に山を歩き、知識を交換しています。山に住む人の知識、西欧の知識、そして日本食。それらが私のキノコ料理を作っています。

    「雑キノコ」と侮るなかれ。雑とくくられる多様なキノコにこそ、キノコの魅力があるのです。雨降りの数日後、狙いを定めて向かった山では、10種を超えるキノコを収穫できました。

    ハナイグチ

    カラマツ林に生え、傘は滑りを帯びる。強い旨味があり、その出汁を生かす汁物などで美味。

    チャナメツムタケ

    針葉樹林、広葉樹林の林床に発生。ナメコに似た風味で「ツチナメコ」の地方名もある。

    アカモミタケ

    モミの林床に生え、傷つくと橙色の乳液が出る。煮込むとこくのある旨味が出る。

    クリフウセン

    コナラ、ミズナラ林に発生。良い香りと旨味でどんな料理にも合う。別名ニセアブラシメジ。

    タマゴタケ

    日本全土に分布し、ブナ科やマツ科の林床に生える。もろいが、煮ても焼いても美味。

    袋にしまう前に汚れを取る

    汚れたキノコを一緒にすると他のキノコに汚れが移るので、カゴに入れる前に汚れを取る。ブラシ付きのキノコ用ナイフを使うと便利。

    キノコは使う種類が増えるほど味の深みが増す

    こんな日に作りたいのが、多種を一緒に使う料理。キノコは種類ごとに旨味成分が異なるので、使う種類が増えるほど味が重層的になり、深みが出ます。とくに、炊き込みご飯は雑キノコの深みが味わえる料理です。煮ることで味が出る種類は米と一緒に炊き合わせ、炒めることで味が出るキノコは、別に炒めて炊き上がりの寸前に合わせる。

    隠し味は炒めるときに使う鴨の脂。この動物質の脂が、キノコの旨味成分を引き出します。そして、最大のコツはキノコをケチらないこと。量の多寡でまるで印象が変わります。噛むたびに口のなかでそれぞれのキノコが弾け、自分の存在を主張する。こんな炊き込みご飯には、キノコ狩りをもう一度楽しむような喜びがあります。

    キノコの盛期は春から秋ですが、厳冬期に出る種類もある。山峡の道の駅などでは、そんなキノコに出会えるので見かけたらぜひ挑戦を。深く広いキノコの世界を垣間見られるはずです。

    雑キノコの炊き込みご飯

    材料

    雑キノコ(アカモミタケ、クリフウセンタケ、タマゴタケ、チャナメツムタケほか)・・・適量
    醤油・・・小さじ1
    米・・・1合
    鰹出汁・・・180ml
    鴨脂(もしくはバター)・・・10g

    作り方

    炊き込みご飯

    ① キノコは石づきをはずし、汚れを掃除しておく。

    ② 土鍋に洗った米1合を入れ、濃く引いた鰹出汁を合わせ、そこにアカモミタケなどを入れ、醤油を入れて、蓋をして、強火にかける。

    ③ クリフウセンタケ、 チャナメツムタケ、タマゴタケを鴨の脂で炒める。鴨の脂が無ければ、バターなど動物質の脂でも代替できる。

    ④ 土鍋の蓋を時々開けて確認し、水分が飛んだら、③を上に載せて、蓋をして少し蒸らす。

    キノコとネギの汁

    鰹出汁と醤油、みりん、鴨脂で調味。ユズとセリをくぐらせて香りをつける。

    美味しく仕上げるコツ

    煮込むと食感が悪くなるタイプのキノコは、炒めてから合わせることで、本来の風味や歯触りを生かす。

    ~~

    ※取材・文/藤原祥弘 撮影/宮沢豪(収穫)、宮地工(料理)

    この記事は、『BE-PAL』2019年1月号からの再掲です。長谷川在佑さんが、野生食材の収穫法とその調理を指南する連載「直傳野食料理」は、現在第4回が本誌掲載中! 

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