ビタミンDで免疫力アップ!丹波山の「原木舞茸」に注目

2020.05.30

私が書きました!
イベントディレクター/ネイチャーゲームリーダー
チフユ
北米大陸西部にあるカナディアンロッキーで6年間スキーやスノボ等のビデオフォトグラファーの仕事を経て帰国。その後日本での山歩きが趣味に。山梨県丹波山村に移住したことで、山間地域のアクティビティと文化風習にどっぷり浸かる。狩猟、料理、自然資源全般を貪欲に探求中。

肉厚で歯ごたえも良いと評判の、原木舞茸(げんぼくまいたけ)をご存知ですか? 東京都と山梨県の県境に位置する、山梨県丹波山村の特産品としても親しまれつつあります。

実はこの原木舞茸、免疫力を上げる効果が期待できる成分を豊富に含んでいるのだとか。

乾燥させた丹波山産舞茸に含まれるビタミンDを測定したところ、一般的な乾燥舞茸よりも6倍も多く入っているという分析結果が出たとのこと。ビタミンDは免疫力を上げる効果が期待できる栄養成分で、ウィルスに負けない身体づくりにもってこいの食品かもしれません。その乾燥舞茸を使って、舞茸出汁を1年前から作り始めたのがこちら。

原木舞茸の栄養が凝縮された「舞茸だし」

8g入りの出汁パック6袋入り¥1,080、15袋入り¥2,268(税込価格)

天然舞茸に近い環境で育っている原木舞茸だからこその、パワーフードと言えるのかもしれません。 本来であれば乾燥舞茸だけでも出汁として味わい深いのですが、これに鰹節やうるめ鰯、鯖節などをバランスよくブレンドし、よりおいしい舞茸の味を引き出すように努めたと、出汁の開発者は話します。化学調味料や保存料も不使用なので、小さなお子さんにも安心して食べて頂けます。

原木舞茸の栽培について

今回はこの丹波山産原木舞茸がどのようにして栽培されているのか、現場を直撃してきました。その栽培行程は、想像以上に手がかかっていてびっくり!それでは早速、丹波山村で舞茸栽培に従事する皆さんの作業場を、ご案内しましょう。

昭和50年代からエノキ茸栽培に取り組んでいた、きのこ組合。その経験を受け継いだ若者が、あらたに農事組合法人を立ち上げ舞茸栽培に着手している。仕事前のひと時、和やかにだるまストーブを囲む皆さん。

原木を使ったキノコの栽培ってどうやるの?

スーパーでよく売られている舞茸は、おがくずを使った菌床栽培が一般的です。丹波山の原木舞茸は、ナラの生木の丸太を使います。成長した舞茸は原木の香りがほのかに移り、野性味や滋味溢れる、歯ごたえがシャキシャキとした特徴を生むのだそうです。

この原木に舞茸菌を植え付けていく。丸太に舞茸菌を植え込んだものを榾木(ほだぎ)という。

栽培の全行程は大きく分けて4つあります。
(1)原木の滅菌
(2)菌の植え付け
(3)舞茸菌の培養 
(4)榾木(ほだぎ)の伏せこみ

原木を殺菌していく

(1)の作業は、舞茸菌を繁殖させる前に、原木に付いている雑菌を除去するために行う作業です。原木を水に浸し、木に水分を十分に吸わせたあと、取り出して袋詰めにします。袋には、後に原木に植え付けられる舞茸菌が呼吸をするための空気孔が付いています。

原木を袋に入れる作業。しっかりと折り目をつけて、洗濯バサミで袋を留めるのがポイント。

袋に詰めた原木は、大きな蒸し器の中へ並べられ高温で蒸されます。これで原木内に付着している雑菌を完全に取り除きます。これが「原木の滅菌」工程です。

蒸し時間や温度はその時々の気温や湿度とも関係するため、長年の経験によって設定値は都度微調整をするのだそうです。およそ8時間ほど、原木は蒸されます。

蒸し器の中で高温で蒸される原木。この段階でいかに雑菌を取り除くかが良い培養と生育に繋がるという。

菌を植え付けていく

次に(2)舞茸菌の植え付けをします。写真奥が植え付け作業をする専用の部屋です。植え付けの作業ではこのように全身を覆い、いかなる雑菌もシャットアウト。撮影のためのカメラも持ち込みNGということで、筆者もこのような格好に着替え身ひとつで入ることに。

村の舞茸産業の担い手となっている青柳雄大さんがデータをチェック。その日の天候、気温、湿度その他の状況を細かく記入している。いい出来栄えの榾木がどんな条件で出来るのか、日々試行錯誤という。

植え付けの作業は、各担当者と流れ作業で行います。1人が蒸し上がった原木の袋を開け、別の1人が舞茸菌を原木に振りかけます。菌は密閉された瓶に入っていて、お玉のようなものでそこから一定量の舞茸菌を掬い、原木に振りかけていきます。そして別の1人(つまり今回は私)が、その袋の中に消毒用のアルコールを吹きかけて、閉じる作業を担当。この際に気をつけることは、舞茸菌をかけたらなるべく早く袋を閉じ、空気中の浮遊物や雑菌を舞茸菌に触れさせないこと。はじめの袋詰め作業で折り目をしっかり作ったお陰で、素早く閉じることが出来ました。

「ところで、昨日か今朝に、納豆食べてないよね?」とふいに質問をされました。納豆は納豆菌を使って発酵させる食品で、舞茸菌の天敵となるのだそうです。幸い、私の昨夜の夕飯には納豆はなかったので良かったですが、菌が担当者に残存している可能性まで気を使わなければならないというから驚きです。作業に当たる方々はこの舞茸菌を扱う冬から春先は、特に納豆を食べないよう気をつけているのだそう。まさに菌は「生き物」なのだと感じました。

培養すること約3〜5カ月間

袋詰め作業が完了したところで、(3)培養の行程にうつります。ラックに丁寧に積み上げてから、培養室に原木を運び込んでいきます。

培養室に運び込む。いくつもの部屋があり、いわば隔離して培養していくことで他の雑菌との接触を極力避けていく。

培養室内。1月頃から始まる菌の植え込み作業は3月末まで。そして3~5か月間、舞茸菌は静かにここで時を待つ。

培養してから2カ月後頃。白くなっているのは、舞茸菌が原木全体を覆ってきている証拠。この白が全体的に茶褐色に変わり完熟するのを待つ。

榾木の伏せ込みをする

菌の繁殖は、ある時間の長さを超えると休まります。1月に作った榾木も3月に作った榾木も、6月頃には成長の足並みが揃うのだそう。 完成した榾木は6月頃に培養室から取り出され、今度は畑の土の中に埋めていきます。畑に埋めたら、枯れ葉をかぶせてまた約3カ月寝かせて、収穫の時を待ちます。

9月、仲秋を過ぎる頃、蕾のように硬く締まった舞茸が枯れ葉の布団から顔を出します。ようやく空気を吸えるようになって、そこからは生き生きと羽根を伸ばそうとするかのように、どんどん舞茸が成長していきます。

落ち葉のベッドから顔を出した舞茸の赤ちゃん。

手間と時間がかかる、原木の舞茸栽培

村の舞茸産業の担い手となっている農事組合法人「丹波山倶楽部」の代表を務める青柳雄大さんは、原木舞茸へのこだわりをこう話します。

「丹波山村周辺では、もともとは山に自生している天然舞茸が良く採れていました。厳しい自然環境の中で逞しく育ったこの舞茸の菌を、原木栽培で出来るだけ再現できるよう環境を整えているんです。天然の舞茸は深い森の中、木の根元に生えるので、直射日光にあたることが少ない。だから原木舞茸を栽培する畑でも、同じようにしています。山の中で育つように、たくさんの木の養分を吸えるように、落ち葉の布団に潜らせてあげる。そうすることによって、木の香りや落ち葉の香り、育った土壌の香りを舞茸が吸収して、自然の味がより感じられるようになるんです」

まだ栽培が行われていなかった昔から、天然の舞茸は、丹波山村の食の風物詩でした。山で採れるキノコのうちで最も愛されていたのが舞茸なのです。舞茸の語源は諸説ありますが、その一つは、山で舞茸を見つけると嬉しくなって思わず踊りだしたくなるからと言われています。

天然舞茸は、危険な山の斜面や深い森に生えており、近年は採りに出る村人も少なくなってきました。青柳さんたちの取り組みはまさに、地元の味を守ることになっています。      

様々なジャンルの高級飲食店シェフらが時々視察に訪れる、丹波山倶楽部の舞茸畑。オーナー制を導入し、丹波山村のファンを増やす活動もしている。

畑で育った原木舞茸は、森の香りがするのが特徴。

ここまで手間をかけて、良い空気と森の成分をたっぷり含んでいるからこそ、ミネラル豊富でパワフルな原木舞茸に育っているのだなと思いました。

原木舞茸の収穫は秋です。採れたての食感や味わいを楽しむのはまだ少し先になってしまいますが、乾燥させて栄養分が凝縮された、丹波山産原木舞茸を使った「舞茸だし」をぜひトライしてみてはいかがでしょうか。

問い合わせ先:
農事組合法人 丹波山倶楽部 0428-88-0223
HP: http://tabayama-club.com/
email: tabayamaclub@gmail.com
※注文時に「Be-Palの記事をみた!」とお伝えいただくと「舞茸だし」の無料パックをプレゼントします

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