2018.04.06

コミュニティトレードをはじめて30年、ザ・ボディショップの本気の現在

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「ザ・ボディショップ」と聞いて、BE-PAL読者のアウトドアズマンが思い出すのは、動物実験反対を掲げたイギリス発の化粧品会社、というイメージだろうか?

創業者のアニータ・ロディックは国際的な化粧品ブランドとして世界に先駆けて、まだフェアトレードという理念も根付いていなかった1980年代に、原料や雑貨のフェアトレードを開始。“援助ではなく取引を!”というコンセプトのもと、独自のフェアトレードプログラム「コミュニティトレード」をスタートした。優れた自然原料や労働力を持っていながら適正な価格での取引や資源活用の機会がないなど、援助を必要としている生産者と継続的な取引を行うことで、経済的、社会的に恵まれない地域コミュニティの自立をサポートしている。

長年の信頼と実績、ネパールでの取り組み

3月にネパールで「ザ・ボディショップ」の新製品発表会が開催された際、現地でコミュニティトレードを行なっている「Get Paper Industry」を見学することができた。この工場との取引は1989年以来29年に及ぶ

(Get Paper Industryの人々は正装をして私たちプレス一行を歓迎してくれた。)

この工場ではギフトボックスやペーパーバッグ用の紙を作り、印刷をしている。紙を作る手順には日本のJICAも関わったようで、和紙を作る手順に近い。

(布を切り裂いて、紙の原料にする。)

(日本の和紙のように、何度も透いて紙を作っている。)

この工場では、昔ながらの技術を使って紙をハンドメイドで作っている。最初は17名ほどの従業員だったが、現在では85名がレギュラーで働き、繁忙期には700名以上が働くほどだ。

(オーストラリア地域に向けてのギフトボックスを昔ながらのベルトコンベア作業で分担して手掛けている。)

(この工場で作られた、ギフトボックスとペーパーバッグ。)

(手作業でシルクプリントも行なう。彼女が手に持っているのは、春節の際のスペシャルデザイン。)

ザ・ボディショップとのコミュニティトレードが始まって以来、29年働いている人もいるとか。これまでの間に、600人以上の女性たちがこの工場で働いてきた。人々は貧しいが、奨学金をもらって子どもを学校に通わせることができる。歩いて数分の場所にある「ANITA MILAN INTERNATIONAL SCHOOL」は、工場で働く人たちの子供が通う学校で、アニータ・ロディックと工場のマネージングディレクターであるMILANさんの名前を冠している。

(貧しい地域では学習もままならない。ここで働けば、娘を学校に通わせることができる。看板に書かれた「SEND YOUR DAUGHTER TO SCHOOL」の文字から、当たり前のように学校には通えないところなのだとわかる。)

こちらでも、子供たちが踊りや演奏で取材陣を歓迎してくれた。

(門の横には歓迎の旗が!)

(民族衣装を着た子供たちが出迎えてくれた。)

(校庭で民族舞踊を披露。)

どの子ども皆、英語を話す。インターナショナルスクールなので、英語教育に重点を置いているようだ。ここで英語能力を磨くことは、子どもたちの未来において素晴らしい力になるに違いない。

校長も、生徒も、誰もが「ザ・ボディショップ」と長く良好なコミュニケーションがとれていることを本当に心強いと感じているようだ。30年前は、まだまだフェアトレードという概念も根付いておらず、バリバリの資本主義全盛期。企業側はだまそうとするのではないか、うまくいかないなら1年2年で終わってしまうのではないかとGet Paper Industry側は恐れいていたが、実際30年の年月を経て素晴らしい関係を保っている。現在、ザ・ボディショップは23の国々で31のサプライヤーとコミュニティトレードを取り組み続けており、製品の95%にはこのコミュニティトレードで取引された原料を入れている。

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